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【内容紹介】
お前の病気(ナゾ)、私が診断してやろう。統括診断部。天医会総合病院に設立されたこの特別部門には、各科で「診断困難」と判断された患者が集められる。河童に会った、と語る少年。人魂を見た、と怯える看護士。突然赤ちゃんを身篭った、と叫ぶ女子高生。だが、そんな摩訶不思議な“事件”には思いもよらぬ“病”が隠されていた……? 頭脳明晰、博覧強記の天才女医・天久鷹央(あめくたかお)が解き明かす新感覚メディカル・ミステリー。
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これは面白かった。ロリキャラで毒舌は今となっては既にステロタイプですが、それでもなお魅力的なキャラでした。脇役も濃いキャラがそろっているので、次があったらそういったキャラとの絡みももうちょっと見たいですね。
全体として謎の難易度加減が絶妙だと思う。それぞれ何かしらの病気に関わっていくわけですが、それらの医療的説明も難しすぎずいい塩梅に仕上がっています。連作短編の形ですが、1冊としてのまとまりもよかったです。
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正直なところ、読み始めからかなり読み進むまでは、主人公である天久鷹央や研修医の鴻ノ池が好きになれませんでした。
反面、鷹央の部下であり彼女に振り回されっぱなしの小鳥遊優には必要以上に感情移入して読んでいましたね。
ただ、ストーリーの面白さとそのリーダビリティは最初から最後まで変わらずにありました。
本書はプロローグとエピローグに挟まれた4つの事件からなる短編集なのですが、最初の2編である「泡」と「人魂の原料」は日常の謎風の物語の中に、医学ミステリーらしく病気のことがしっかりと盛り込まれていて唸らされます。
後半の「不可視の胎児」と「オーダーメイドの毒薬」は、それぞれとある患者の病気は何かを探り出すことがテーマのややシリアスな展開となっており、特に「オーダーメイドの毒薬」は、タイムリミットまで設けられていて、サスペンスとしての要素も楽しめます。
この後半にいたって、ようやく鷹央や鴻ノ池というキャラクターも受け入れられるようになりました。
あと、お医者さんっていうのは、実は常に患者さんの症状から病気を推理する探偵なんやなっていうようなことを、読み終えてふと思いました。
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いやー、好きですわー、このキャラ!ww
ラスト1話は、ネタは見えちゃったんですが、そこは知念先生の筆致のすばらしいスピード感にぐいぐいと牽引され、ほうほう!と頷きながら一気に読了w
続編、楽しみにお待ちしてまーす♪
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病院で起こる怪異、狂気、異常、すべてを頭脳明晰のヒロイン天久鷹央が解決していく。
その過程がすごく面白い。
著者の知念実希人さんの医師としての医学の知識も交えているミステリーはとても興味深くて良かった。
毎回起こるどんでん返しが予想がつかなかった事が多いのですごくいい。
続編が出たらまた読みたい!
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超人的な頭脳をもつ天久鷹央と助手の小鳥遊優が他科では扱いきれない患者の病気(ナゾ)を診断、治療(解決)していく。読みやすいだけでなく、人工妊娠中絶の是非や医療のジレンマ(ビジネスか社会奉仕か)など考えさせられる話も盛り込まれている。
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天才的な頭脳と好奇心を持つ女医が、空気読まない不遜な態度で病院内の「謎」や「事件」を解き明かしていくミステリー短編連作。
ライトノベルタッチですが、後半の話から医療ミステリー全開で、なかなか本格的に書かれています。さすが、現職お医者さんの小説!
事件の真相が出てきて一件落着と思ったら、さらにどんでん返しがある展開で、どきどきしつつ一気に読んでしまいました。
女子高校生の妊娠中絶の話『不可視の胎児』でほろりときました。
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主人公はラノベに居がちな感じだけれど、結構ちゃんと診断をしている医療ミステリー。
連作短編なんだけれど、構成も良かったと思います。
主人公に敵対している登場人物が、結構大人な対応をしているのが好印象。
表紙とかレーベルに反して、しっかりした医療ものだと思いました。
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読みやすくて面白い。あっという間に読み終えてしまい、もっとたくさん読みたいなあという気持ちが残る。シリーズ化してほしいなと思いました。
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医療ミステリですが、謎にオカルト的風味があって興味を引く。一話目は軽すぎで強引かなぁと思ったけども、話が進むごとにどんどん面白くなっていき、キャラにも愛着がわいてきました。読後感は爽快。
ライトな読み口の中で、謎解きが専門的になりすぎず説明も難し過ぎない適度さ加減は絶妙。連作短編としての各話の繋がりも上手く、徐々にシリアスな話題が差し込まれ、最後は時間制限あるサスペンス展開。練られた構成に感心しました。
もっと読みたいと思わされました。ぜひシリーズ化してほしいですね。
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買った当日に一気に読んだ。
知念先生の世界観は、一度に読みきってしまうほど引き込まれます♪
3章目が個人的に一番好き。そして最後の展開がすばらしい!
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現役の医師でもある知念実希人さんの作品を読むのは初めて。本作は新潮文庫nexという新しいレーベルから刊行されているが、いかにもラノベっぽいカバーイラストを見て、過大な期待はせずに読み始めたことを告白しよう。
天医会総合病院に新設された統括診断部。問題のある患者ばかり送られるこの部門の部長に君臨するのは、見た目は女子高生のような天才女医・天久鷹央。その唯一の部下として、いつも振り回される、内科医見習いの小鳥遊(たかなし)優…。
Karte.01「泡」。読者に鷹央の凄さを印象づける序盤。が、その後は河童を見たという少年の主張に興味を抱き…。この時点では、一発目から色物っぽいなあと思っていた。正体が明らかになってみれば、うーむ、確かに医学の知識が関係しているけども…。
Karte.02「人魂の原料」。おいおい、続いて人魂ですよあなた。彼はこんな知識をネットからでも仕入れたのだろうか。しかし、背景には深刻な医療問題にして社会問題が隠されていた…。ここまで進んでしまった事例は実際にあるのだろうか。
Karte.03「不可視の胎児」。ここからはシリアスな展開になる。両親に命じられ、妊娠中絶した女子高生。ところが、彼女の身体に異変が…。大変稀な事例なのだろうが、肉体のケアだけでなく、メンタルのケアについて深く考えさせられる。
最後のKarte.04「オーダーメイドの毒薬」は唸らされた。訴えられた鷹央。ここぞとばかりに統括診断部潰しに動く勢力。絶体絶命の中、明らかになった事実とは…。Karte.03でもそうだったが、鷹央の苦悩を重点的に描いているのが注目される。凄腕の医師だが、決して超人ではない鷹央。だからこそ、小鳥遊もついて行こうとする。
鷹央はあの桜宮サーガの白鳥のようなエキセントリックなキャラクターなのかと思ったら、生身の人間として描かれていた。彼女は自身の問題も理解している。だから、この生き方しかできないし、ここしか居場所がないのだ。魅力的なキャラクターに、深い医学的知見ががっちり噛み合った、傑作医療ミステリーだ。続編求む。
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とある総合病院の「統括診断部」には、各科の医師が匙を投げた問題患者が回されてくる。
同部部長の「天久 鷹央(あめく たかお)」(女性)は、相手の気持ちを察する・空気を読むといったヒューマンスキルが著しく低い代わりに、天才的な頭脳と知識を持ち、そういった患者に、瞬時に的確な診断を下して行く。
そんな鷹央が、部下の通称「小鳥(ことり)」こと「小鳥遊 優(たかなし ゆう)」(男性)と共に、医療にまつわる不思議な事件を解決して行く推理バディもの。
著者の「知念 実希人(ちねん みきと)」氏が現役医師ということもあり、『BLACK JACK』ばりに医療的ギミックが豊富で説得力があるが、軽い筆致で気楽に楽しめるのも嬉しい。
ややラノベ風な作品であるため、マルチメディア展開するならアニメ化ということになりそうだが、個人的には是非、実写ドラマ・映画で見たい作品。
キャストは、
鷹央:田中麗奈
小鳥:照英
あたりで!
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天医会総合病院の総括診断部の部長、天久鷹央(あめくたかお)。
外科医だったが、内科医を志し大学病院からこの病院へ派遣された小鳥遊優(たかなしゆう)。
このふたりが様々な“謎”に挑んでいく。
Karte.01 泡
小学生が目撃したのは本当に“河童”なのかを探る。
バラバラに見えていた事象が最後に繋がっていく。
その流れの見事さに思わず声が漏れました。
Karte.02 人魂の原料
新人看護師が夜勤の見回り中に“人魂”を見る。
勘違いと思い込みから起きた騒動。
ちょっと難しかった。
Karte.03 不可視の胎児
中絶したはずの女子高生のお腹の中に赤ちゃんが…。
たぶんアレだなと予想してましたが、そう簡単ではなかった。
そんなことあるのかと驚愕のラストでした。
Karte.04 オーダーメイドの毒薬
鷹央が診た子供の親に訴えられる。
総括診断部、存続の危機…。
診断に間違いはなかったが、鷹央たちは他の疾患の可能性を探る。
ホームズとワトソンの関係性に似ていた。
社会的なものが欠落していることを自覚し、劣等感を抱いてる天久鷹央。
超人的な頭脳を持つ鷹央をサポートする小鳥遊優。
ふたりの今後が気になるな~と思ってたら、シリーズ化してました。
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初読み作家さん。面白かった。童顔・天才・好奇心の赴くままに行動する問題児の女医・鷹央と、それに振り回される助手の、病院を舞台にしたライトなミステリ。主役コンビのキャラは典型的だし、読み始めは当たり障りのない日常の謎解き系かな~と思っていたけれど、後半は中絶の倫理的問題が題材にされたり、論理が信条の鷹央の感情の揺れが描かれたりと、ライトな中にも医療に誠実に向き合うことの重みや温かさがありよかった。でも基本サクサク読めて読後感は解決!スカッ!連作短編なのだけど、各話ちゃんと二重オチなのもよくできていて楽しい。