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『どうか……どうか……読み方やかき方を忘れないよおにしてください……』
精神障害のあるチャーリーが天才になり、
その時初めてわかるチャーリーが生まれ持った心の優しさ。
知能か心か。
自分の意思には反して知能がもとに戻っていくチャーリーのラストの手記では涙がとまりませんでした。
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名作と知りながら、児童書? あるいはヤングアダルト? の範疇に入る様に思い、昨年のドラマ化でようやく再度、読むキッカケとなった本です。
最初は平仮名ばかりで、チャーリー自身の知能の低さを示す表現が、読みにくかったのですが、術後のIQが高まるうちに、児童書の範疇を超えた表現や内容であったと思えました。
「教育を受ける理由の一つ」とは、真実とは? の探求と、外見だけでは分からないことを学ぶこと、というような言葉が印象的でした。IQの高まりが、みなと同じに受け入れられ、家族にも受け入れられるという幻想。それが飛びぬけた天才になって行くうちに「幸福感」が比例してこないという実感、孤独が深まっていく悲哀。
序文にあった「共感力」の強さを、この本で少し養えたような気がします。
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何度も挑戦しては挫折して、を繰り返していたが今回やっと読み終えた。
後半は主人公に感情移入しすぎて辛かったが、読み終えて今の自分に必要な本だったなと感じた。前を向いて進む勇気をくれた。
賢いとはどのようなことなのだろうか、幸せとはなんなのか、今一度考えてみたくなった。
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儚く切ない運命に翻弄されるチャーリーとその周りの人々の生きた証を、息つく暇もなくあっという間に読了していました。
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知的障害の人が手術を受けて、頭が人よりずっとよくなり、最後は結局手術の効果は長続きせず、同じ知的障害まで、知能が下がってしまう話でした。簡単に言えば3行で終わる話だけど、主人公の変化が報告書という形式で、ほとんど一人称で書かれています。心情や能力の変化がよくわかります。頭が良くなると同時に友人を失ったり、恋愛もうまくいかなかったり…
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チャーリィの日記(経過報告)から話が始まる。読みにくい日記を読んでいるうちに本の世界にひきこまれていく。不思議な感覚だった。翻訳の方の試行錯誤がみられる。人の「賢さ」が「幸せ」をうむとは限らないこの事がこの小説の大きなテーマだと思う。
知的障害を持つチャーリイは、
賢さを求め、知能を得る。
その人の心がどうあるか?
知能を手に入れて失った物とは何か?
知能のないチャーリイ(子供)は賢くなる(大人になる)につれて知能を得て、自立し、他の人への思いやりや愛情が薄れていってしまう...
家族、友人や道ですれ違う人 さまざまな人に共感する、人の心を感じる、感情の面では子供の頃は純粋であったが成長し賢くなるにつれて、同時に愚かな考えを持つようになる。
登場人物のチャーリイがその短い一生をかけて探していたモノは知恵でなく、人の心に寄り添って相手と同じ目線で気持ちを考える事、思いやりだと感じた。知恵をもって人の心を理解しようと苦悩する姿がせつない。
いわずと知れた名作だが、改めて素晴らしい作品だと感じた。
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再読。知的障害者への差別、知能が高いということが必ずしも良いこととは言えないこと…チャーリーたった1人の人生で、多くのことが伝わってくる話だった。終盤、切なすぎて泣きそうになった。
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2日で読了。読み始めるとあっという間だった。
ラストシーンは感動したけど、ピュアな涙に暮れるには自分は年を取り過ぎたみたい。
ハッピーエンドとは程遠い結末だが、それでもチャーリィはその時々に与えられた天稟の中で、ある時は持たざるが故に悩み、ある時は持つが故に悩みながら、それでも常に野心と希望を胸に抱き、向上への努力を怠らなかった。
それは文明社会の尺度における個々の人間の優劣とは関係なく、一人の人間として尊い生き方であり、だからこそ全世界のあらゆる人々の共感を呼ぶのだろう。
大昔まだ年端もいかぬ子供時代、親類縁者に「障碍者でさえ頑張ってるのだから、我々みたいな普通の人間が頑張るのは当たり前だ。だからお前も頑張れ。」と発破をかけられた(しつけられた)ことがある。良いこと言っているように聞こえて、その実イマイチ釈然としなかったのだが、本作を読んで数十年の時を経てようやく合点がいった。
「健常者だから」「障碍者だから」ではなく、「人間だから」頑張らなければならないのだ。誰もがそれぞれの生きる舞台で、それぞれの戦いをして、それぞれの幸せを掴まなければならない。そこに優劣はない。他者に対する影響の大小はあっても。
自分はチャーリーと比して恥じない志を持って人生に臨んで来ただろうか?と考えると、赤点とは言わないが、自身を持って及第点とも言い辛い。汗顔の至り。
でも、末期の瞬間まで人間には未来があるのだし、これからの人生において少しずつでも高みを仰ぎ、脚を止めないようにしていきたい。
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最後の30ページ(たった10日間で起こったこと)を何度も読んだ。
アリスに感情移入。
もしわたしの愛する主人が、例えば病気になり、次第にわたしのことを忘れていったら…と思うと…
知ることが幸せか、知らないことが幸せか。
それはわからないが、知りたいという思いは希望だと思った
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何度か挑戦して挫折していた作品を読了。
優しさというのはIQとは関係ないんだなぁと実感。
最後の二つの段落がこの本の世界観を物語っていると思う。
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以下引用
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ついしん。どおかニーマーきょーじゅにつたいてくださいひとが先生のことをわらてもそんなにおこりんぼにならないよおに、そーすれば先生にわもっとたくさん友だちができるから。ひとにわらわせておけば友だちをつくるのはかんたんです。ぼくわこれから行くところで友だちをいっぱいつくるつもりです。
ついしん。どーかついでがあったらうらにわのアルジャーノンのおはかに花束をそなえてやてください。
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古典的作品をついに読んでしまった!
内容は・・・難しかったが・・・
自分の知能が衰えていくのを自覚するのは、相当に辛いことだろう。
主人公の知能の高さの変化に合わせて、文体も変わる。知能が高い時は漢字が多用され、難しい言葉も頻発する。知能が落ちてくると、ひらがなが増え、平板な言葉が多くなる。
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今月の2冊目。今年の14冊目。
前々から読んでみたいと思っていました。考えさせられることではありましたが、後半部分がちょっとだれた感じがしました。そこが自分としては、おしいなと思いました。物語の内容・メッセージ性は本当にすばらしいです。帯に書いてありましたが、確かに高校生・大学生に読んでほしい1冊。
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知的障害者のチャーリイが脳手術を受けて、人並み以上の知能を身につけるSF小説。
それに伴って起こる様々な出来事、主人公の気持ちの移り変わり、周りの人間がチャーリイを見る目の変化などが巧く描かれていて、引き込まれる内容であり、色々と考えさせられた。
果たして、チャーリイは、人並み以上の知能を身につけることで幸福になったのだろうか。賢くなったチャーリイが気づいたことは、周りの人間が以前の自分に対して持っていた底意地の悪さや、手術を担当した医師たちの愚鈍さや身勝手さだ。さらに、チャーリイ自身が、以前持っていた素朴な良さを失っていき、そのことを教師であり、愛するアリスから指摘される。
チャーリイが勤めているパン屋の店員たちは、チャーリイを小馬鹿にしていたが、チャーリイの変貌ぶりに戸惑い、気味悪がる。人は能力で相手を判断して、上下関係を決め、自分より下位の者がいることで安心する。それが逆転するのは嫌なものだし、認めたくないのだ。
しかし、能力がある人の方が本当に価値があるのだろうか。
知的障害者のチャーリイに脳手術を受けさせ、人並みの知能を持たせようとする試み自体に、知的障害者は駄目な人間、社会にとってマイナス、という社会の認識があることが見て取れる。
この作品を読んで、人並み以上の知能を持つチャーリイよりも、知的障害者のチャーリイの方がより好ましく感じた。
冒頭の「日本語文庫への序文」の中で、作者は、共感する心が大事で、それがより住みよい世界を築く一助になると書いている。
最後まで読むと、胸に熱いものが込み上げてくる感動作品。
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知的障害を持ち子供のまま大きくなった青年ゴードンが、手術で人並み以上の知能を身に付ける話し。愛情のない知能に価値はないという言葉が印象的でした。また知的障害を持った子供を抱えた家族の苦悩も、辛さも伝わってきました。
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王道、古典ですね。アルジャーノン的な人と言えば、読んでる人には通じる。悲劇とは思いません。心温まるファンタジー。