投稿元:
レビューを見る
脚本の様な書き方で、中を見ずに購入したため失敗したと思いました。
読み進めると少し慣れましたがやっぱり小説として手直しされたものを読みたかったです。
2も一緒に買っちゃったので読まなきゃ。
投稿元:
レビューを見る
Kizara Izumi, wrighter, become Mr.Izumi Tsutomu and Mis.Mega Tokiko. of course, they are a couple. their co-work wrote 「Produced the wild pig(Nobuta wo purodusu」、「Q10」 and this book and more. The Japanese home drama.
投稿元:
レビューを見る
「ブックマーク」81号で、テレビドラマのシナリオであるこの本を数年ぶりに再読して、やっぱりおもしろかった!というのを読んでいて、文庫になった1と2を図書室で見かけて借りてくる。
テレビドラマ「すいか」は2003年に放映されたというのだが、今と同じくその頃もほとんどテレビを見てないので、私は全く知らないのだった。舞台は東京の三軒茶屋にある朝夕食付きの下宿「ハピネス三茶」で、34歳の信金OL・基子をはじめ、ここに暮らす4人を中心に、10話が書かれている。
34歳の基子は、同じ信金でもう14年勤めている。一緒に入った同期のほとんどは結婚やら何やかやでいなくなり、残っているのは馬場チャンだけ。一緒にお弁当を食べていたその馬場チャンが、3億円を横領して行方をくらますという「事件」のあと、ひょんなことから基子は、実家を出て、ハピネス三茶に住むことに決めるのだ。
下宿の大家(といっても親がバックレて、学生のゆかがやっている)、大学教授になった今も学生のころから同じこのハピネス三茶にずーっと住んでる夏子、売れないエロ漫画家の絆に、新たに加わった基子、この4人がここで暮らした1年ほどが描かれる。周りの人に照らして、みんな、自分が何を思ってるか感じてるかが見えてきたりする。自分はこんな人間だったんだ!と気づいたりする。
どの人もおもしろいけど、私がとくにおもしろかったのは夏子。学生とのやりとりで、時に学生は泣き、あるいは怖ぁ~とおそれられ、しかし夏子はまったくひるまない。
▼「自分の頭で、考えようとしない。自らの手で学問を捨て去ろうとする、その事の方が、はるかに、私を恐怖させますッ!」(1-p.22、夏子)
お金や数字がらみのエピソードがくりかえし出てくるところも、印象にのこった。
馬場チャンの唯一の同期だということで、マスコミから馬場チャンの写真を貸してもらえないか、1枚5万払うと言われた基子は、自分より先に母親が馬場チャンの写真を渡して1万もらったことを知ってうずまく自分の胸のうちをしっかとみつめる。
▼基子「私、心の中でケーベツしてたの。母親の事、馬場チャンの事、何で、そんなに、お金みたいなものにコロッていってしまうんだろうって。最低だって──でも、本当は、私が一番、お金にコロッていく女だった──たった5万円で目の色が変わってしまって──母親の何に腹が立ったかっていうと、1万円で売ったからで、本当は5万で売れた物をって。何で勝手に1万で売るか。4万も損したじゃんって。頭ン中、4万の損、4万の損って、グルグルして、許せなくて、それって、結局、私が、一番セコいんです。私は、昔からケーベツされても文句言えない女なんです(ジワッと涙が出る)」(1-p.78)
絆と散歩に出た時に、たまたまその日が絆の誕生日だと知って、ケーキを買ってきて渡す響一。
▼響一「お金なくて、小さいのしか変えなくて、すみません」
絆「あんた、もしかして、ケーキで気持ち、あらわす人なの?」(1-p.106)
絆にそう言われながら、響一は、やはり好意をブレスレット(6万8千円)で示そうとする。
▼基子「ま、みんな、そうなんだ��どね。中身なんか、どうでもいいんだよね。数字だけ。今日は、タクシー乗らなかったから660円得したとか、エレベーター止まって5分損したとか、昔、偏差値が75だったとか。みんな、そんな事ばっかり言ってるじゃん。体重が3キロ減って嬉しいとか。新作のバッグを19万で買っちゃったぁ、それ買うのに2時間並んじゃったぁ。それが何だっつーのよ。得したとか損したとか、とにかく、数字。この世の中はね、何やったって数字でしか評価してもらえないの。それなのに、何であんたまでさ、数字なんかで好意を示そうとするわけ? 6万8千円分なんてさ、中途半端な数字でさ」(1-p.140)
響一にそう言いながら、基子は、自分こそが数字にこだわってきたのだと気づく。欲しいものがあるわけでもないのに、もっと百円玉を貯めたいと、子どもの頃からずっと貯金箱を大きく大きくしながら貯めてきて、いまではでっかいポリ容器にアホほど百円玉が貯まっているのだ。
▼基子「馬場チャンだって、3億使った女って呼ばれてるけど、馬場チャンの人生は、それだけじゃないわよ。ふざけるなっつーの。そんな数字だけで人を呼ぶなって私は言いたい。何よ。数字が何だって言うのよ。お金をいくら持ってるとか、貯金がいくらたまったとか、えばるんじゃ──(絶句)」(1-p.140)
あるいは、基子の接客時に信金のお客さんの大切な人形が割れ、なんとかして同じものを探そうとする基子に、課長が言う処世術。
▼課長「いいよ、いいよ。同じ物探すって先方には言ったけどさ、メーカーもわかんないし、どーせ、無理なんだから」
基子「いえ、でも──」
課長「とりあえず、時間おいて、探しましたけど、ありませんでしたってことにしとけば、いいと思うよ」
基子「そんな──」
課長「こんな小さな事、いちいち気にしてたら、仕事がたまって仕方ないよ。この程度のことは、弁償すれば、なかった事に出来るんだからさ」
基子「(え? と顔を上げる)」
課長「お金ですむってこと」(1-p.252)
基子が、なかった事になんかできない、探しますと言うと、課長は意味わからん、勝手に探せば?融通きかねえ奴という態度。
そんな課長がいる会社で、働いてきた基子と馬場チャン。馬場チャンが逃走したあと、何でもいいから馬場チャンと話してたことを教えてと部長に言われて、基子は、馬場チャンがこんなことを言っていた、こうも言っていたと思い出せることを話す。
その中でも、この馬場チャンの言葉にあるムカつく気持ち、悔しい気持ちは、わかるー!!と思う。
▼基子「仕事出来ない課長に、女の子って呼ばれる度にムカつく。私ら34だっちゅーの。何が悲しくて、お昼のお弁当を電気もつけられない部屋で食べなきゃなんないのか? 節電って言うけど、支店長室は伝記ついてるじゃないか。会社は、私達の事を粗末に扱ってないか? その事が、とても悔しい。十四年間、粗末に扱われる事に慣れようと努力してきたけど、それでも慣れなかった私が悪いのか」
呆然としている部長と課長。
基子「ただ、まっとうに、ヒトとして扱って欲しい、と思うのはそんなに悪いことなのか──今、思い出すのは、こんなところです��(1-pp.28-29)
第7話に出てくる、かつて夏子の研究室の学生だったという八木田(=花柳)の設定が、なんだかちょっと謎だった。本人は「ゲイだ」と言ってるが、性転換の手術を受けて今は女として(?)生きているらしく… セクシュアリティは変わりうるし固定的なものでもないけど、この設定は私には分からなかった。(この第7話のみ、木皿泉ではなく、山田あかねが書いている。)
(4/9了)
投稿元:
レビューを見る
ドラマのシナリオ本。
同年代のストーリーだからかスイスイ読めておもしろかった!
ドラマも見てみようかな…と悩み中。
投稿元:
レビューを見る
ドラマ「すいか」の脚本
どうやってもドラマの映像が浮かんでしまうので、読み物としての評価が難しい
そしてドラマに関しては大好きなので、その分の過大評価な面もあるので、客観的な評価ままず無理
ってか、名言がいっぱいあるんだよなぁ
それはそうと、一番好きなのはゆかちゃんと教授の「ブローチ」のエピソード
あれで市川実日子が好きになったようなものだしね
というわけで、ドラマの「すいか」好きは読むべし
投稿元:
レビューを見る
苦しくなったときに読み返す作品。今、野ブタ。を全シリーズ観たので、木皿さんのほか作品をもっと知りたい。
投稿元:
レビューを見る
ドラマを見てみたくなる。ドラマをみた後に読んだらもっとすっと心に入ってきてきっと大好きな本になりそう。
シナリオ本は初めてなので、なんとなく読みづらく-☆ひとつ。
投稿元:
レビューを見る
「昨夜のカレー、明日のパン。」がめちゃめちゃ気に入り、この人スゴイ!!と思って興奮して調べてみたら、脚本家さんで、おまけにご夫婦だったw
そして、ぜーんぜん知らなかったのだけど、な、な、な、なんと!「すいか」の脚本を書いた方々だったのだ!!
今や、ほぼTVを観ない私ですが、「すいか」はリアルタイムで観ていたのだ!そしてこれまた珍しいことに、いろんなシーンが目に焼き付いているのでした。
好きだったなぁ~「すいか」。また観てみたいなぁ~♪
というわけで、思い出に浸りながら続きを読みま~す!!!
投稿元:
レビューを見る
ドラマみてひかれ、原作。
ハピネス三茶という下宿(食事つき)を中心に展開されるお話。脚本。なんというわけではない日常(三億横領した主人公もとこの同僚は非日常的だけれど)を、大家+住人がつむいでいく。あ、わかる、そういうことあるなぁって時にくすっと笑えて、しみじみもする、不思議な力を持った本だった。
投稿元:
レビューを見る
シナリオブックです。
言葉のひとつひとつがきらきらしてて
宝石みたいです。
木皿泉さんの紡ぐ言葉は
どうしてこんなに光り輝いているのか。
なんでもないようで、なんでもある。
なにげないヒトコトで人を孤独の淵から救ってくれる。
この人の作品の中に入ってみたくなります。
投稿元:
レビューを見る
燃やしたり埋めたりしたいものを私も今、抱えてる。
誰かのためだけにも生きられないし、自分のためだけにも生きられない。どうしても受け入れられないものとものすごく大切にしたいものとがせめぎ合うときって、苦しい。
幸せって、大きなすいかを持ち帰る場所があるってことなんだなって、この本は気づかせてくれる。
辛いことにとらわれるのはもうやめたらどうかな、そう思える。
投稿元:
レビューを見る
面白い!
こういうシナリオの形で読むのは初めてで最初は戸惑ったけど、どんどん引き込まれていく。
3億横領という非日常と下宿での日常が上手いこと絡み合っているところがまたすごい。
2も早く買わなくちゃ!と思いました。
投稿元:
レビューを見る
シナリオ本、初めてだったけど、読み進めるとするーっと入ってくる。おもしろい。
小学生?くらいの頃に見てたドラマを思い出して読んでみました。
ひとつひとつのエピソードがきゅんっとなる。
特に好きなのは、ポリ容器10リットル分の貯金のくだり。いかに無意識に数字に縛られていることを感じされられた。そして、自分は貯金をし続ける方のタイプの安定コツコツ型だから、すぐに貯金箱を割れるタイプの人への憧れだったり、周りから安易に使わないように言わることへ煩わしさとか、分かるーーって思いながら読み進めた。
気持ちが晴れない時にまた読み返したいな。
続きを借りに図書館へ行ってきます。
投稿元:
レビューを見る
リアルタイムで観ていた。
もう17年も前なので、不出来な頭ではほとんど覚えていなかったけれど、あの頃、毎週、正座をして、この『すいか』の世界に触れていたときの気持ちを思い出した。
ドラマを観ている間、吸って吐いている空気まで特別になるような、煌めいた時間を過ごさせていただいた、自分にとって大切な存在のドラマ。
すべてはこの木皿泉さんのシナリオから始まったんですね。
名シーン、名台詞のオンパレードで毎話泣いてしまった。
ド派手な展開もないのだけれど、小さな日常を淡々とコミカルに描いていて、そういう日常が奇跡なんだよ、と教えてくれる。
木皿さんのシナリオは甘さと苦さとしょっぱさが、ちょうどいいさじ加減でミックスされていて、毎回後を引くのだ。
地味なドラマなので、肩透かしをくらう人もいるかもしれないが、ハマる人はものすごくハマる(かもしれない)。
私のエバーグリーン。
投稿元:
レビューを見る
読者がイメージしやすいように場所や表情、仕草を細かく書くという、あまり見たことのないスタイルの小説で最初は読むのが慣れずにいたが、だんだんと読む手が早くなっていった。
世の中にはいろいろな人がいて、いろいろな思いを持って、苦しみがあって、変えたい自分がいて、模索しながら生活しているのだ。みんな違うけれど、悩みがあるのなら貯金するような生活ではなくもったいぶらずに使い切る生活で毎日やり切るようにしていきたいものだなと思った。
これからどうなりたいんだろうとか、迷ったり悩んだりしている人にじわじわとくる一冊。