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星が2なのは、内容評価でなく、私自身がこの話をきちんと理解できたと思えないため。
非常に難解な物語だった。
現実と夢想が行き来し、語られる言葉はこれという意味を成していないようで、実は物凄く重要なことを表現しているような、そんな掴みどころのない小説だった。
考えよう、追おうとしても簡単にはそうさせてくれない。
特に表題作では、細やかな表現が主人公の心情を逐一描写しているのだということに気を配っていないと、見事に置いて行かれる。
しかし、それがきっと口のきけない信男という青年をよく表しているのだろうと思う。たぶん……。
こういったタイプの小説を読んだことがなかったので、面食らってしまった。
しかし信男の体験した幼い頃のヨシノ婆との触れあいや、彼の感じた親をも含む周囲の人間とのズレ、そしてそんな彼を取り巻く”集落”という閉じた世界の様子は、ぼんやりだけれど確実に私の中で大きくなったり、揺れたりしている。
また何年か経ってから読もうかな、と思うそんな小説だった。
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「人魚の唄」はセツコとナオコ婆の物語だが,昔の話が複雑に絡んで幻想的な雰囲気ともどかしい現実が進行する.表題作は知恵おくれの信男とヨシノ婆が昔と今を行き来する少し入り組んだ話だ.どちらも淡々と話が進む中で荒れ果てた小さな漁村の寂しさが感じられる.少し落ち込みそうな読後感を持った.
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「人魚の唄」「マイクロバス」という趣の異なる中編作品を結び付ける、共通の登場人物「アサコ姉」。そして共通の風景「ソテツ」。
前者は寂れた過疎の村に居そうな周囲から愛される人物。悪くいえば凡庸なキャラクター。後者は閉じられた集落の中で忌み嫌われる、ありきたりな隠喩。
この2つの存在感が、物語にリアリティをもたらす。散漫に漂いそうな物語に落ち着きを与える錨のような存在。その凡庸さ、ありきたりさが波間に漂う物語に落ち着きを与える。読み手を現実に引き戻しながら、新たな物語世界に導いてくれる羅針盤のような存在。
これらの錨と羅針盤を手に、文学の世界を堪能。少し怖いような不安感も含めて。
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奇妙な不安がつきまとう作品でした。
情景描写がリアルなためになおさらこう感じるのかな。
端的に言って、非常に読みにくいです。内容が頭に入ってこない。寂しい村の話でした。
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なんかねー。
不思議な読み物だったりしてる?これ?
なんかねー。
なんかしっくりくるよな、こないよーな。
どう、読み解いていいんだか、
別に解かなくてもいいんだろけど、さー。
なんかねー。新鮮な分
読み進めやすいとこもあるんだけどさー
なんか抵抗するカンジもあったりしてさー。
どう感じたなんて自分でもよくワカランチン。
だから中途半端な3つ星。
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山陰の寂しい光景。深く傷を負いじっともの言わぬ男、すれ違い続けた母と子。狂言回しのベテランヘルパーの存在が、リアルのにおいとファンタジーを違和感なく融合させている。
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マイクロバスの時間軸がぐにゃぐにゃするのに振り回され…腕時計って結局なんだったの?何かのオマージュなのかな。自分の知識と想像力の足らなさで読みこなせなかった。前半のヘルパーの話はすごくいい話でした。映像化したら綺麗な画になるんじゃないかと想像しながら後味すっきりした感じで読み終えました。
あと、もうひとつ。マイクロバスを読み終わったあとに、表紙を逆さまにして見てみてください。