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せっかく計画を立ててもそれを実行する際に役に立たなかったり現実と乖離しているのが分かっていながら計画をメンテナンスしなかったりと、とかく「計画倒れ」で終わってしまうケースは誰しも経験があると思います。
特に日本人は現場の頑張りや団結力で乗り切るのは得意だけれど、その反面、計画を有効に活用するのは苦手とされています。
これは「最初から綿密に計画を立てようとする」「いちど立てた計画の変更を好まない」という日本人の気質に起因するのではないか、と本書では仮説を立てています。
本書は、この仮説のもとタイトルどおり「実行に効く」計画を策定するための各種フレームワークや「力の入れどころ」を説明しています。
計画の種類としては、「日程計画」「予算計画」「仕様計画」の3つに分類し、それぞれの計画において有効なフレームワークが紹介されています。
本書の特徴ですが、テクニックだけでなく、前提要因、重点要因(過去に失敗してきた要因)、新規要因といった計画を立てる際の「力のいれどころ」について事例を交えながら多くのページを割いて解説している点が、単なる「ハウツー本」との一線を画す内容になっています。
特に、組織の支援体制やステークホルダーの重要性に触れている辺りが、個人的には好感が持てました。
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本書のタイトルは『「実行」に効く計画の技術』と書かれているのだが、これといった目新しい記述は見当たらなかったように思う。
それは、私が所属している会社が素晴らしい計画を立てられているわけではなく、言われてみれば当然のことを、本書の中でまじめに書かれていることに他ならない。
要するに本書に書かれていることは当たり前だし、みんなが「やろうと思っていること」にほかならない。
本書は計画作業に関することを一般化することには成功しているが、代わりに記述が難しくなりすぎている気がする。
一般化に関しては、PMPのところに譲って、もっと著者が経験した話を中心に話を組み立てても良かったのではないかと思う。
ちょっと本書を読んだだけでこれを実プロジェクトに移そうというにはかなり危険な気がする。
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日程、予算、仕様計画としてそれぞれコンポーネントを分けて、マトリックス、フロー、ツリーなどフレームワークでひたすら整理するという手順。
計画とは見えない未来を予測して常に現状とのギャップを図り、うめていくこと。新しく取り組むことは見えないことが多いので、そこにこそパワーや時間を割くこと。
予測不可能な部分があるからこそ計画が必要。
最初の計画通りに進むことはほぼありえないのでメンテナンスは欠かせない。
メンテナンスするからこそ計画が必要。
計画作成時の前提条件(真の達成目標)や重要要因も踏まえておく、というポイントもよかった。
概念としては納得感あるけど、フレームワークでひたすら抽象化して語ってあるので、特に慣れるまで読み進めるのが大変だった。
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”耳に痛い言葉、多し…。
<読書メモ>
★計画力あっての実行力(p.15)
- 誤解その3:当てずっぽうな計画なら、立てないほうがまし
→ やりなれていない箇所は情報が少ないが、そんな箇所ほどリスクは高く、行き当たりばったりではうまくいかない
- 誤解その4:計画を立てたら、途中で変えてはいけない
→ メンテナンスされず、実態と合わなくなってしまった計画は、すでに計画の意味をなさない
・大きな目標を達成するための業務、付加価値の高い業務には、不明な要素が数限りなく存在する。だからこそ、計画が必要なのだ。計画の本文は、不明な要素を洗い出し、その相互関係を予測してつなぎ合わせ、実行の筋道を立てることにある。(p.17)
#なるほど。
<きっかけ>
2013/7/11 ボスからお借りした5冊のうちの1冊。”