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スウェーデンの女流作家のデビュー作。
次作で、ベスト北欧推理小説賞を受賞してるそうな。
スウェーデンが舞台っつーので、名前が覚えられるのかと心配したが、主人公はペーターだったので助かったww
ある会社社長に届け物をしてくれと頼まれた主人公が、届けたものは切断された足の指で、その社長からストーカーにつきまとわれていることを聞かされ、探偵として雇われる。
このストーカー、やることが結構……なので怖かったです。
で、主人公のバックボーンなどが語られてたりして、ちょっと回りくどいなって思ってたら、最後にぴたっと。でも、カンのいい人だとここらへんでばれちゃうかもね。
と、同性愛が容認されてる国らしく、そういうジョークみたいなのがころころ出てて、やっぱり世界は広いわねぇなんて思ったww
ともあれ、面白かったので、その小説賞を取った作品「喪失」も近いうちに読むつもり。
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学校の課題でスウェーデン語版読了。
日本語と違って速読ができないので、主人公のピーターのようにじりじりと事件を追うことが出来ました。
孤独だった主人公が得たかけがえのないもの、そのシーンでは思わず涙。
ちょっと男同士のハーレクインみたいな展開もあって笑っちゃいましたが、息をつかせぬ展開で面白かった!!
実際の舞台になった場所を思い浮かべながら読めたのはラッキー。ご当地ミステリみたいな気分になりました。
日本語版の訳がすごくいいと聞いたので、次は日本語で読みたいです。
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読みやすかったです。
謎解きをすすめていくなかで、主人公が自身を持ち、友情を築き・・という過程がよかったです。
訳文も言い回しが簡潔ながらも幼稚なわけでもなく読み進めやすいものでした。
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あらすじ
ペーターは39歳独身。小さな会社を経営していたが、働き過ぎてパニック症になったり、社員に横領されたりして追い詰められている。ある時人違いでお使いを頼まれ、会社社長に切断された指を届ける。その男性には嫌がらせが続いていた。借金分を報酬として受けとる代わりにペーターは謎の女を探すことにする。しかし、嫌がらせはひどくなり、二人は警察に相談するが、担当の女刑事はあまり協力的ではない。自力で見つけた女は自殺した。これで事件は解決したかと思ったがペーターは再び女を見かけ、居場所を探し当てる。しかし女の目当てはピーターだった。実はピーターは養子で、元の家族の姉が逆恨みし、病気が末期だったこともあって追い詰めてきたのだった。
1998年発表で少し古い。何でもかんでも一般人が自力で解決しようとするとことか。ラストの実は本当の家族がいましたー。というのも、ちょっと前の感じがした。それでもカーリン作品は色褪せない。39歳にもなって繊細過ぎる主人公の、上手く人と関係を築けないとこや、養姉の優しさ、実の姉の狂気っぷり、社長との友情なんか、読んでてしみじみ楽しんだ。
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気の弱そうな主人公が 段々まとも?になるのも
似たことろのない男性同士のひょんな事から発展する友情も良かった。
一応ハッピーエンドだし 面白かったです。
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スウェーデンの作家「カーリン・アルヴテーゲン」の長篇ミステリ作品『罪(原題:Skuld、英題:Guilt)』を読みました。
「カーリン・アルヴテーゲン」作品は、昨年の9月に読んだ『裏切り』以来です、、、
「マイ・シューヴァル」、「ペール・ヴァールー」共著に続きスウェーデンのミステリ作家の作品… 北欧ミステリ作品は、面白くて読み始めたら続いちゃいますね。
-----story-------------
謎の女に追いつめられる男が行き着いた恐怖
経理係の横領で二〇〇〇万円もの負債を抱えた「ペーター」は、ある日奇妙な事件に巻き込まれる。
見知らぬ女から強引に、ある会社社長に届け物を頼まれるのだが、その中身は足の親指。
女から執拗な嫌がらせを受けていた社長に借金返済を約束されて、「ペーター」は探偵役を引き受ける。
だが、いつのまにか女が仕掛けた巧妙な罠にはまっていた…。
緊迫の追跡劇を描きながら、亡き父親の温かみが忘れられず、母親から疎外された痛みを抱える主人公の内奥をも克明に書き込んでいく。
『喪失』で話題を呼んだ北欧ミステリー界の女王―鮮烈なデビュー作、ついに登場。
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1998年(平成10年)に刊行された「カーリン・アルヴテーゲン」のデビュー作です… でも、翻訳されたのは2005年(平成17年)なので、2000年(平成12年)に刊行されてガラスの鍵賞を受賞した2作目の『喪失』の方が先に(2004年(平成16年))翻訳されたようですね、、、
デビュー作ですからね… ご都合主義的な展開もあり、やや物足りない感じもありましたが、心に痛みを抱えた人間の内面の描き方の巧さは『喪失』や『裏切り』への展開を予感させる内容でしたね。
社員の使い込みで破産宣告を受けた零細企業の経営者「ペーター・ブロリン」は、39歳にしては非常にナイーブで、怖がりで、自信がない… その性格は、幼くして父を亡くし、その後、母に疎外されてきたことに起因しているのだが、「ペーター」自身は快活な姉「エーヴァ」と比べて、何故、自分がこんなに憶病なのかわからない、、、
彼には自分の人生の一部しかわかっておらず、ここ半年ほど、いつ訪れるともわからないパニック発作の恐怖に悩まされている… その「ペーター」が知らない女性から届け物の小箱を預かる。
「ペーター」は、その女性の有無を言わさぬ強引な態度に腹を立てながら、彼女夫だという大手広告代理店の社長「オーロフ・ルンドベリ」という男にそれを届けに行くと、「ルンドベリ」は不快がり、妻は3年前に死んでいるという… 小箱を開けてみると、中に足の指が一本入っていた。
そして、その女性は「ルンドベリ」に一方的に愛の告白の手紙を送ってくるストーカーだった… 「ペーター」が「悪魔(デモーン)」と呼ぶこの女性は、次々に「ルンドベリ」に嫌がらせをし、「ルンドベリ」は「ペーター」をお抱え探偵として雇いたいと申し出る、、、
借金と同額の謝礼金ならと「ペーター」は、探偵役を引き受ける… 二人の間には友情さえ芽生えるのだが、知らず知らず彼らは「デモーン」の術中にはまっていく。
「デモーン」の犯行の動機には、「ペーター」の出生の秘密が絡んでいたんですね… そして、まさか女性警察官が、、、
救いのない哀しい家族の物語を背景とした「デモーン」の無軌道で異常な行動に恐怖感を覚えつつ… 親子ほどの年齢の違いのある「ペーター」と「ルンドベリ」が、思いがけぬ出会いの中で友情を育み、そして、自分を必要としている人間に出会い、自分が力になれること実感したことが「ペーター」に自信を与えるという展開は、哀しい物語の中に一筋の光が差し込む感じがして良かったですね。
以下、主な登場人物です。
「ペーター・ブロリン」
負債を抱えた会社経営者
「エーヴァ」
ペーターの姉、生物学研究社
「オーロフ・ルンドベリ」
大手広告代理店の社長
「イングリッド・ルンドベリ」
ルンドベリの妻
「シェスティン」
イングリッドの姉
「ロッタ」
ルンドベリのオフィスの受付係
「カテリーナ」
ルンドベリ家に通う清掃人
「ヤン・ベングツソン」
ペーターの会社の元会計士
「ボーディル・アンダーソン」
女性犯罪捜査官
「エリサベート・グスタフソン」
精神病院の元患者
「アンニャ・フリード」
精神病院の元患者
「デモーン」
ペーターが謎の女につけたあだ名