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武術は会話に通じ、会話は武術に通ず。
「一芸に通じる者は全てに通じる」
といいますが、まさにそれです。
他の道に通じる方による会話術の本、まだ他に色々できそうです。
プロレスなどは、相手の技を受けたり、相手に応じて戦い方を変えたりするので、プロレスの観点から見た会話術なんかも面白い企画ではないでしょうか。
本書は、武術に関する雑誌「月刊秘伝」の連載を加筆・再編したもの。一見驚く武術と会話の組み合わせは、発表媒体によるものでした。
柳生新陰流の教えに「表裏」というものがあり、見極めが大事であるが、表裏は絶えず入れ替わっている、ということです。
これは、易の思想の「陰陽」に通じます。
芭蕉の言葉
「いひおほせて何かある」
に関連して、「言い尽くさないほうがいい」ことについても述べられています。
日本人なら何となくよく分かる境地ですね。
日本人として生まれ、日本で日本人相手に暮らしているのなら、この姿勢は大事でしょう。
ただ、TPPだとか、今後、日本の文化が通じない外国人とのビジネスやら政治やらの交渉となると、どうなるのか。
柳生新陰流には“無刀取り”という技があるようです。
多田容子師は子どもの頃から口喧嘩が強かったということですが、橋下徹や外国人などを含めた議論最強論者を決定するアルティメットな他流試合なども実現してほしいところです。
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20151015/p1