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データにより論理的に議論を進めるのはいいことです。
ただ、著者の言うように結果にいたる要因が多岐にわたるので、いい方向にもっていくのは難しい問題なのかもしれません。
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子育て/勉強のハウツーや成功例が溢れているが各々の持論や評論に過ぎない。政府や学校教育の方針/施策が理にかなっていないにも関らず、親は一喜一憂し信じて頼りにしている。論より証拠‼︎一読して納得すべし。
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話題の本だったので期待値も高かったが、評判通りに良い本だと思った。
ご褒美で釣るのが必ずしも悪いことではなく、ご褒美のあげ方。結果を褒めるのではなく、勉強の過程を褒める。
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学力を引き上げるためには。
都道府県別の学力テスト結果には意味がない。(公立校のみの比較なので私立を含めた比較となると東京をはじめ関東が上位に来る)学校の良しあしよりも家庭での教育が重要。家庭で重要なのが学習そのものより「しつけ」。やりきる力や思いやりなどが直接的に将来の成功にリンクする。しかし、能力のある先生は家庭の事情やもともとあまり勉強のできないなどのハンディを一掃する影響力がある。
教育を投資とみた場合、一番効果があるのは小学校就学前、と。
子供の親としてむさぼるように読みました。
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この本で最初に書かれているとおり、育児や教育について言われていること(ex:ゲームやテレビは子どもに悪影響、子どもをご褒美で釣ってはいけない等)の大半は感覚で言われている部分が大きいと思う。実際、「ホンマでっか!?TV」で教育の特集の時に言われていることも、役に立つのは脳科学の澤口先生や中野先生、心理の植木先生の話だったりするのは、この先生方が言っていることが科学的データに基づいた話だからだと思うんですよね。
結局、1日1時間ぐらいなら息抜き程度にゲームをやっても影響はないという結果が出ているそうなので、ある程度子どものゲーム時間に気を配っている家庭なら罪悪感を持つ必要はないようです。
ご褒美では、結果よりも「やったこと」にご褒美をあげると効果があるとのこと。それならぜひ、やってみたいことが。
「本を1冊読んだらシール1枚。10枚溜まったら好きなもの買うよ」とか「ドリル1ページやるごとにシール1枚」とか。さっそくご褒美シール買ってくるかw
この本全体を通して、経済学的見地で教育を調査することの重要性をすごく訴えてくれている本だと感じました。さらに思ったのは、政府のやっていること無意味すぎ。しかも調査に協力してくれないって・・・・
この本が今、ベストセラーになっているとのことなので、これをきっかけに、政府でももうちょっと役立つ調査をやるようになってくれるとか、経済学者の調査に協力してくれるとか言う風になればいいな。
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子を持つ親として「我が家の子育てはこれでよかったのか?!」と自問自答する日々。
ゲームって悪影響?とか、ご褒美で釣るのってあり?とか、親なら一度は不安に駆られたことのある帯の謳い文句につられて、『~経済学』という自分にはかなり縁遠いタイトルには目を瞑り、最近あちこちで評判の本書を手にしてみた。
自分のようなど素人でも理解できるようなわかりやすさで、日本の教育や子どもの学力について、国内外の客観的なデータを引きながら解説されている。
一部専門家からは問題点も指摘されているようだが、そのあたり、そもそも経済学の何たるかさえ分かっていない自分には判断のしようもない。それでも、家庭環境の及ぼす子どもの教育への影響の大きさと、幼児期の教育━━決して、文字を早くおぼえさせるとか英語を習わせるとかいったことではなく、生きる力、特に自制心とやり抜く力を育てるための教育の重要性という訴えには、大きく合点がいった。著者の言を借りるならば、教育への投資は早いほど良い、ということなのだ。
著者は、日本の教育が、思い込みや感情論に支配され、客観的調査がなされないままに進んできてしまっていることを嘆いている。国の施策としては、費用対効果を図りながら統計データに基づいて教育政策を進めていくことが不可欠だというのには全く異論はない。ぜひとも国としてしっかり議論して、より意義のある教育環境を整えてもらいたい。
ただ、統計的に有意な客観的なデータも、ひとりひとりの個人の前では限界があるのではないかとも思う。本書の中身は確かになるほどとうなずける部分も多いし、ほめ言葉のかけ方などぜひ参考にしたいと思う箇所もあるが、一つの考え方、アプローチの仕方として捉えるにとどめたい。
子育てには正解はない。
真正面から子どもと向き合って自分も教えられながら育ち合う、を私個人の目標に、今日もぼちぼちいこう。
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データ分析の数字から見えてくるものを重視していくと、この先、在学生や卒業生の口コミから学校を決めることが難しくなるように感じました。それまで育ってた環境による非認知能力の要素も学力には大きく影響するため、だれもが同じような力が発揮できるとも限らない。ビア・エフェクトなる力により、学力が見合った学校に通うと周囲の仲間とともに能力が高まり、学力の高い学校に無理して通うと、落ちこぼれ感から学力が低下する。非認知能力を大人になっても鍛え、加齢とともに記憶力が落ちるといったステレオタイプにとらわれず、まじめ、計画的、やり抜く力が強い人が結局、生涯学ぶ力ないし、生き抜く力が強い人といえるのかなと思いました。
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誰もが通ってきた道だからこそ、誰もが経験からものを語りだる教育を、統計的な数字としての観点で解説している本。子どもがいるからこそ気になる教育の一つの解答を得た気がする。うちの子はどう育つのか、この本を片手に改めて考えたい。
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データという客観的エビデンスから教育問題を検討するという,新たな知見を与えてくれた本で,非常に興味深かったです。
一般的には,子供にご褒美を与えることはよくないことと考えられがちですが,インプットにご褒美が与えられるのであれば効果があるというのは目からうろこでした。
何事にせよデータだけでは測れない部分はあるでしょうが,データを活用するというのは重要な視点だと考えます。
この本がきっかけとなって,費用対効果のある教育政策が取られることを願いつつ,上記のような視点を持って,国の政策を検討する姿勢を持とうと思いました。
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実験の結果を論拠として論理的にロジックを積み上げていく手法は、少なくとも教育の現場では今までになかったのだろう。その実例を多数含んでいるというだけでも、本書は特徴的である。
「A/Bテスト」「ランダム化比較試験」、名称はいろいろあるとはいえ、2つの対象物の定量情報をデータとして取得し、その差を分析して行動を決定することが合理的である、というのは、研究職でも教育職でもビジネスでも変わらない。
教育界に身を置く人のみならず、子を持つ親、業務で統計を使う人など、様々な人にお勧めできる一冊。
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学校は学力に加えて非認知能力を育てる場所。誠実さ、忍耐強さ、社交性、好奇心の強さ、自制心、やり抜く力など。鍛える方法は意識して継続して行うこと。自分のもともとの能力は生まれつきのものではなくて、後天的に伸ばすことができると大人からメッセージを伝えられてきた子はしなやかな心を手に入れ遣り抜く力が強くなる。
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中室牧子『学力の経済学』Discover21,2015
基本的には行動経済学(心理学と経済学がくっついた学問分野)や社会心理学などの方法で、教育についてデータを示して分析し、コンセンサスがあるところを示した本である。たいへん興味深い内容である。「教育評論家」の意見や、個人の「成功談」などが氾濫するなか、根拠もないのに「常識」とされていることを批判し、限られた資源のなかで、どうすれば教育の効果を最大化できるかという問題を考察している。基本的な例は米国のもので、ヨーロッパや発展途上国の例も引く。日本の「学力試験」などは統計法にもとづく「統計」ではなく、公開されていないので使われていない。それでも、多数の事例を引いているところは苦労をしのばせる。
第一章は「成功体験」や「専門家の意見」など証拠(エビデンス)として最下位のものに根拠をおいている日本の現状を批判し、教育も「実験」を通して改善していくべきであるとする。
第二章は、「子育て」(家庭教育)を扱っている。「ご褒美」については、目先の快楽から長期的な利益になる学習に向かわせる点で悪くはないが、与え方が重要であるとする。「ご褒美」はアウトプットよりもインプットに与えた方が効果的である。「テストでいい点をとったら」という条件では子どもは何をしたらいいか分からないので、「本を一冊読んだら」などという条件で、ご褒美を与えるのがよいようだ。結果を重視するのではなく、勉強のしかたを示してやるような「ご褒美」の設定が望ましい。金銭については、それで好奇心がなくなるというものではないらしい。むしろ「ご褒美」にお金をもらった子どもは、お金を大事にする傾向があるとのこと、まあ、「お金で釣る」のもまちがってはいないそうである。ただし、低学年の子どもには金銭よりもトロフィーなどの方が効果的であるとのこと。「ほめかた」については「能力」や「才能」をほめるのはよくない。とくに、できない学生の能力をむやみにほめると「勘違いの自信」をもち、逆に学力がさがる。「ほめる」のは悪くないが、達成した内容、つまり「努力」をほめるのがいいそうである。テレビやゲームについては、毎日一時間程度であれば問題はない。ゲームをやめさせても学習時間は2〜3分しか増えない。「勉強しなさい」という声かけは効果がないか、むしろ逆効果で、勉強のしかたを教えるとか、時間を決めて守らせるとか、親が横で見守るとか、そういう「手軽でないもの」が効果が高い。ただし、この役割は親でなくても兄弟や塾教師などで代替可能だそうだ。「ともだち」については、学力の平均が高い友だちのなかにいるとプラスの影響がある。しかし、学力が優秀な子どもに影響をうけるのは上位層だけで、下位層はむしろやる気をなくす。この点で「習熟度別学級」は学力の低い子どもに効果がある。「反社会的行動」については友だちの影響をうけやすい。一人の問題児によって他の児童が問題行動を起こす確率が17%あがるという報告(米国)もあるそうだ(いわゆる「腐ったミカン」の問題)。また、教育への投資は就学前など年齢が低いときの方が収益性が高いそうである。
第三章は、「勉強の重要性」を扱っている。幼児教育は重要であるが、IQにつ���ては効果が8才くらいでなくなるそうである。しかし、テストで測れない力(おもに「自制心」「やりぬく力」)が育つ点が重要である。要するに、幼児の「天才」はいずれ「ただの人」になるが、幼児のときに養った「がまん」や「コツコツやる力」は一生ものだそうだ(そして、これらのテストで測れない能力=「非認知的能力」は後年でも鍛錬可能だそうだ)。学校は学力だけではなく、自制・意志力・社会性などの「非認知的能力」の育成の場として重要であり、じっさい、同じ「学力」であっても学校に通った子どもと、そうでない子どもでは(「非認知的能力」に差があると考えられ)年収に有意な差があるとのこと。部活などは、テストで測れない能力の育成に重要だそうだ。
第四章は、「少人数クラス」など教育政策を扱っている。少人数クラスは効果はあるが費用対効果(クラス人数と将来の年収との関係)は低いそうだ(日本の例でも、小学校の国語をのぞいて学力との因果関係が認められていない)。米国による発展途上国の脱貧困プロジェクトでは、「教育の経済的な価値に関する思い込み」(「学校なんか行っても儲からん」など)を正すのが最も費用対効果が高い教育政策だそうだ。「子ども手当」などは学力の向上には効果がないそうである。
第五章は、教師論を扱う。能力の高い教員は家庭の貧困や遺伝などの要因を帳消しにする効果をもつ。教員の質は「付加価値」という指標で測っても、ほぼまちがいがないそうである(カリフォルニアでは教員の名前をウェブサイトに打ち込むと、この付加価値がみられるそうだ)。「付加価値」とは担当したクラスの平均点の上昇分を指す。要するに「伸ばす力」で、できない子どもにも「分からせる」能力なんだろう。教員の質を伸ばす方法はよくわかっていない。ボーナスをだしてもそれほど変わらない(そもそも米国でも公立学校の教員はあまり裁量がない)。「教員研修」が「教員の質」を高めるという因果関係はないそうである(正直言って忙しくなるだけである)。また、教員免許は教員の質を担保していない。米国では、免許あり教員と免許なし教員の差よりも、免許あり教員内部の差のほうが大きい。つまり、やる気がある人なら免許をもってなくても「いい先生」になれるということ。
第六章は、エビデンス(証拠)についての補論、要するにほかの要因を取りのぞくように操作して、効果を測定できるようにした「ランダム化比較実験」(医学でプラシーボを使う手法から発展し、教育法や教育政策の評価にもつかわれている)がエビデンスとして「王者」であり、「専門家」の個人的な意見などはエビデンスでは最下層であるとのこと。教育についても万人がアクセスできるデータを集積し、検証していくべきだとしている。
全体を通して、年収によって教育の効果を測るという点には疑問もあるが、指導法やクラス編成、免許制度などについて考えさせられる点をたくさん含んでいると思う。
駆けっこで「みんなで手をつないでゴール」式の極端な平等主義教育は他人に冷たい人間をつくると指摘されているようである。つまり、
「みんな同じ」→「やらないのはそいつのせい」→「同情の余地なし」
となる。反対に
「貧乏人なのに頭いい」→���よくがんばった」→「認めざるをえない」→「たいへんだったろう」
となる。人の置かれている環境はそれぞれちがうし、それを無視して幻想を植えつけると、ろくなことにならんのだろう。
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日本における教育経済学の入門書になるだろうし、なるべきだと思われる一冊。
国の財政が厳しいからこそ、悪しき平等と感覚的教育施策を見直し、科学的根拠=エビデンスに基づく効果的な施策に進むべきだ。
教育と経済学って、正直どう結びつくんだろうと思ったけど、結びついていない現状の方がおかしいと気付く。
ピュアに教育経済学を学びたい人から、教育経済学を疑ってかかっている人まで、子どもに関わるあなたは読むべきです。
それにしても、日本のお役所の過剰秘密密室主義ときたら…
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《リード》教育について考える本
《内容》子どもをご褒美で釣ってはいけない?「頭がいいね」「よく頑張ったね」どちらが効果的?テレビやゲームは悪影響を及ぼわずのか?少人数学級には効果があるのか?科学的根拠に基づく子育て。
《コメント》重要なのは非認知能力(自制心、やり抜く力)。今現在子育てしているので、とても参考になった。
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教育経済学者による、科学的根拠に基づく客観的データで教育問題を解説した一冊。
そもそも「教育経済学」なんて学問分野すら知らなかった私ですが、日本の教育がいかに場当たり的に根拠なく、時に膨大な予算を使って壮大に展開されているのかがよくわかりました。
海外の研究事例もわかりやすく解説されており、難しい内容のはずにもかからず、私を含め一般の方にも不思議なわかりやすさです。
で、この国が著者をはじめとする教育経済学者が研究を行うことの出来るような有用なデータを提供するようになる日は来るのでしょうかね?
それは、今、このしくみの居心地がよくてたまらない人々にとってひどく居心地が悪くなることが予測できるので長く険しい道になりそうですね。
付箋の付いた数は過去有数の数でして、49枚ほど付きました。