投稿元:
レビューを見る
御手洗の語る旅先の思い出はどうにも素直に信じられなくて。でも、「追憶のカシュガル」だけは別だった。
人間の欲望の涯にある究極のものは、宗教と戦争ではないだろうか。
この物語だけは、息を止め思考をやめて、一気に読み通した。アキヤマへの追慕、老人への憐憫と敬意、アジアが背負った歴史への悲痛な嘆きと怒り。そんな純粋なものだけに満たされた濃密な時間だった。
投稿元:
レビューを見る
御手洗潔の口を通して語られる色々な「差別」の話。
サヨク臭を包んで
最後は必ず、ちょっとイイ話風にしている。
御手洗潔が見て聞いた話として書かれているが正直、不快である
知的障害(IQ50)で差別されるが見直され上手くいく話
戦時の皇民化教育を受けた朝鮮人が騙される形でで日本に来て
日本人に暴行される日本を恨んでいたが、日系人もアメリカで差別されてたから「少し考えが変わりました」とかいう話
ムスリム社会の老人なのに、なぜか疎まれている話
御手洗は何処でも優しい人ですが、こんな思想を語らせるために
書いて欲しくなった
投稿元:
レビューを見る
何となく、色々と考えさせられる一冊でした。
差別だったり戦争だったり。。。
時間が経ったらもう一度読み返そうと思います。
投稿元:
レビューを見る
京都を舞台におこる日常の謎的なものを御手洗潔が安楽椅子探偵ばりに進々堂で推理する話かと思って購入したのでちょっと期待外れでした。何で若い頃の方が性格が丸いの御手洗。カレーパンセットは食べないの御手洗。タイトルで珈琲とあるのにミルクティ飲んでるのはなぜなの御手洗。
投稿元:
レビューを見る
進々堂ブレンド1974
シェルフィールドの奇跡
戻り橋と悲願花
追憶のカシュガル
の4篇。すべて「ぼく」に御手洗さんが語る形式。
ふたりが眼にしたくさぐさが御手洗に海外放浪の日々、出逢った人々を思い出させる。
もはやミステリでも何でもないが、御手洗の正義(弱者への「公平な」視点)(初期の奇矯さとは離れて)にぐっとくる。
これは作者の筆力。
そういう意味では「SIVAD SALIM」に近いのかも。
「数字錠」も思い出したりして。
投稿元:
レビューを見る
若き御手洗の物語。ミステリではないが、あの口調とテンポは居心地の良さを感じる。もっともこんな学生が近くにいたらどう感じただろう。
投稿元:
レビューを見る
『進々堂ブレンド1974』喉スプレーから想起される浪人生の初恋
『シェフィールドの奇跡』イギリスの知的障害差別を克服しようとした重量あげ金メダリスト
『戻り橋と悲願花』大戦下の日本で虐げられた朝鮮人姉弟の過酷な労働生活。希望と絶望、悲しみと恨みが鮮烈。物語をまとめる彼岸花の存在感もよい。
『追憶のカシュガル』侵略の時代を経たムスリムの街でパンを売る少年、路上に寝起きする老人の過去。浪人生が語る御手洗の昔語り、に登場する人々の告白、とマトリョーシカのような語りの連鎖。
総合的にみて差別や迫害の存在がテーマになっているかんじで物悲しい。探偵ではない御手洗を語り部に据えて、より自由に物語をしているような作品。
投稿元:
レビューを見る
京都の喫茶店「進々堂」で若き御手洗潔が語る物語(ミステリー)。
進々堂。京都大学の裏に佇む老舗珈琲店に、世界一周の旅を終えた若き御手洗潔は、日々顔を出していた。彼の話を聞くため、予備校生のサトルは足繁く店に通う――。西域と京都を結ぶ幻の桜。戦禍の空に消えた殺意。チンザノ・コークハイに秘められた記憶。名探偵となる前夜、京大生時代の御手洗が語る悲哀と郷愁に満ちた四篇の物語。『進々堂世界一周 追憶のカシュガル』改題。
投稿元:
レビューを見る
御手洗潔のシリーズ。若かりし頃の御手洗が京大そばの進々堂で世界放浪の際の思い出を語るという形。ミステリでもなく旅行記のような形式。歴史の出来事と、民族/国家の悲哀とを絡めて描いた作品。なかなか印象深く自分には面白かった。
投稿元:
レビューを見る
”御手洗潔と進々堂珈琲”島田荘司著 新潮文庫nex(2015/01発売)
(イラスト:toi8 2011/04発売 新潮社”進々堂世界一周 追憶のカシュガル”改題)
・・・進々堂。京都大学の裏に佇む老舗珈琲店に、世界一周の旅を終えた若き御手洗潔は、日々顔を出していた。彼の話を聞くため、予備校生のサトルは足繁く店に通う――。西域と京都を結ぶ幻の桜。戦禍の空に消えた殺意。チンザノ・コークハイに秘められた記憶。名探偵となる前夜、京大生時代の御手洗が語る悲哀と郷愁に満ちた四篇の物語。(公式サイトより)
・・・どの話もそれなりには読めましたが、”若き日の名探偵”で一冊丸々使っておいて、ミステリなしという構成ががびっくり(笑)
進々堂ブレンド1974・・・語り手のサトル君の思い出。
シェフィールドの奇跡・・・学習障害の重量挙げ選手の話。
戻り橋と悲願花・・・韓国人徴用工の話。
追憶のカシュガル・・・西域の老人が語る思い出。
あー、三話目と四話目で”御手洗(作者)ってそんな話を信じてるの?”というエピソードがあったのでマイナスに感じるところも多かったです。
御手洗(作者)の格が落ちたように感じるので熱心なファンの方は読まない方が良いかと。
投稿元:
レビューを見る
若かりし頃の御手洗潔の短編。世界を旅した御手洗の思い出を予備校生サトル目線で描かれている。追憶のカシュガルがやはり一番印象深く心に響いた。
投稿元:
レビューを見る
そこそこ。進々堂というキーワードだけで読んでみたわりには、面白いと思えた。
語る人物がどういう立ち位置なのかとか、これ一冊だけでどういう話なのかはよく分からなかった。本編に強く依存したスピンオフなのかな。
外国の雰囲気の描写が、真に迫っているのかは分からないけれど、違和感がなくて読み心地が良かった。
こういう話をもっと読んだら、多分海外に行きたい気持ちは強くなるのだと思う。
150520
投稿元:
レビューを見る
ミステリーテイストの薄い御手洗さんシリーズ。
人間の運命の数奇さが描かれている。主に戦争と民族の争いに対する、悲惨さや理不尽さが描写されている。
投稿元:
レビューを見る
謎を解かない御手洗作品。
色々と考えさせられるが、ミステリーを期待していたので低めの評価に…。
御手洗の名を冠した(借りた)、島田荘司の、社会問題についての提言、といった作品だった。
投稿元:
レビューを見る
京都大学近くの老舗喫茶店「進々堂」で若き日の御手洗潔が、戦争や差別など、なくそうとしてもなくすことができない人類の悪事について語る異色の短篇連作。
今当たり前のことが事始めのときはミステリーである。殺人事件ばかりがミステリーではない。人はなぜ無意識に差別をするのか。人類の歴史は戦争史なのか。御手洗の言葉の中に答えがある。個人的には、ソメイヨシノの話に興味を持った。