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「テンペスト」購入に合わせて、というか並行して読んだらどうなんだろうなと思いました。
上巻も少しで終ります。
テンペストと並行して読もうと思ったけど、ついこちらのページをくる方が早くなる。思わず眉に唾したくなる程、凄いエピソードが続く。
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上下で購入しました。いつ文庫になるのかな?と思っていましたが。単行本プラスアルファで書かれています。佐野眞一さんは好きな作家の一人なのです。ノンフィクション大賞設立のときにも、聴きにいったなあ~というくらい。改めてゆっくり読みます。
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2011/8/12
感想は下巻を読んでからにしますが、書名の『誰にも書かれたくなかった』の主語は“沖縄”か“佐野さん”なのかどっち?
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沖縄の近代史を豊富なインタビューで構成した力作。警察、暴力団関係者、空手家、右翼、政治家、右翼、ソープランド経営者、実業家、ジャーナリストなど、戦後の沖縄の姿を作っていった人々から聞きだすエピソードは、それぞれが濃い。沖縄ヤクザの複数回にわたる抗争の歴史の話、与那国が米軍占領時代の一時期に密貿易の拠点となった話、奄美大島が沖縄本島に先立って日本復帰したのちに奄美出身者が沖縄で受けた差別の話、ジョン・カビラの曾爺さんが琉球王朝の日本語通訳だった話、ブセナテラスのデベロッパーでもある大手ゼネコン國場組の隆盛と衰退の話、などなど。。。
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沖縄の戦後史について知らなかったことがこんなにあるんだなと思った。しかし、どこまでが真実?なのか疑問符がつくところも多いが読み物としてはおもしろい。
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単行本で読んでるので、ちゃんとしたレビューは全部読み終わった後に。
でも、上巻だけでも、報道だけでは絶対にわからない沖縄の黒い部分がよくわかる。
沖縄は単なる犠牲者じゃない、
犠牲者という枠組みの中に本土がはめ込んでいると教えてくれる一冊。
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戦後沖縄で、何組何会のヤクザが活躍したとかそーいった感じの話です。てっきり戦後の沖縄の政治に関する話かと思ったのでがっかり。さらにヤクザものが好きじゃないのでもーちょっと調べてから買えばよかった。
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沖縄の暴力団の歴史、奄美に対する差別、沖縄四天王といった財閥の成り立ち。沖縄のための各種特措。沖縄の戦後サイドストーリーのルポルタージュ。
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[ 内容 ]
<上>
戦後日本は、沖縄を米国へ人身御供として差し出すことで、復興と繁栄を手に入れた。
沖縄に米軍基地の大半を押しつけて経済発展を享受する構図は、東京のために福島に原発を作ることと何ら変らわない。
天皇、米軍、沖縄県警、ヤクザ、怪人、財界人、奄美人など…戦後の沖縄を作り上げた人々の、本土では知られざる「小文字」の物語を丹念にたどり、現代日本そのものを逆照射したベストセラー。
<下>
沖縄の戦後65年余を知らずに現代日本は語れない。
歴史的な政権交代と鳩山民主党による普天間飛行場移設問題の裏切り、「琉球処分」後に王朝尚家を見舞った数奇な運命、尖閣諸島の秘められた歴史、沖縄の戦後そのものの人生を生きたヒットマンの悲しい最期など…東日本大震災後の沖縄の今日を視座に入れながら、大幅加筆200枚。
沖縄戦後史を抉る渾身のルポルタージュ、待望の文庫化。
[ 目次 ]
<上>
1 天皇・米軍・沖縄県警(「お約束」の島から「物語」の島へ;歴史に翻弄された沖縄県警;スパイ蠢く島 ほか)
2 沖縄アンダーグラウンド(花街・映画・沖縄空手;沖縄ヤクザのルーツ“戦果アギヤー”;山口組の影 ほか)
3 沖縄の怪人・猛女・パワーエリート(その1)(弾圧・拷問・右翼テロ;第三の新聞・沖縄時報顛末記;沖縄を通り過ぎた男たち ほか)
<下>
4 沖縄の怪人・猛女・パワーエリート(その2)(スーパースター・瀬長亀次郎;ウチナー金融表裏事情;「沖縄の帝王」軍用地主 ほか)
5 踊る琉球、歌う沖縄(島唄復活と大阪ウチナーンチュ;沖縄ミュージックは日本に届くか;最果て芸能プロモーター伝説 ほか)
6 第二の“琉球処分”(「怨」と「反ヤマト」の沖縄列島;琉球王朝・尚家の盛衰史;尖閣列島、波高し ほか)
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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興味をそそられるタイトルに表紙の写真。しかも佐野眞一著となれば読まないわけにはいかないでしょう。
しかし、読み始めはちときつかった。
だって沖縄ヤクザの抗争なんてまったく興味がわかないんだもの。しかも読み始めたのはハワイの空の下。リゾートしながら読む題材ではないわね。能天気な観光客の知らない裏社会にはドロドロの世界もあるんだということはわかったけど。
ただヤクザもんの中で「海燕ジョーの奇跡」のモデルとなった日島稔の話はおもしろかった。組の汚名をはらすため、相手のかしらの首をとった日島は15年の刑期を終えてカタギの仕事についている。おとうさんが行方知れずのフィリピン人という出自や、成績は抜群にいいのに進学できず、ヤクザの道に入ってしまったという生い立ち、そして最期は仕事中の海難事故と数奇な運命をたどっている。時任三郎主演で映画化もされたらしい。見なくっちゃ。
話がヤクザから離れると俄然現実味を帯びて興味深くなってきた。奄美大島出身の人は沖縄でひどい差別を受けていたというのも驚きだったけど、それが1953年奄美群島本土返還という米軍からのビッグプレゼントを境に、非琉球人となった在沖奄美人は更なる差別を受けたという。本土から差別を受けた沖縄が、弱い立場の奄美を差別する。今はもうそんなことはないと思いますが、ひどい時代でした。
その他、鳩山民主党による飛行場移設問題による裏切りや、首里城の王朝尚家の寂しい最後、尖閣諸島の所有者の話、安室奈美恵は輩出したけれど、その後続かない沖縄芸能等々話題は盛りだくさん。
せっかく育てたタレントを本土のプロダクションがスカウトに来てさらっていってしまうという悲劇に象徴されるように、沖縄人は人がいいのかバカなのか(ごめんなさい)…。地場産業にしても重きを置くところを間違っていて(サトウキビばかり保護するあまりせっかくの畜産業が発展していかない。)観光客に出している食材のほとんどが本土産らしい。特産物のはずのゴーヤにしても、本土へ出荷できるように18年がかりで害虫を壊滅させ、いざ出荷できるようになると、本土の家庭でも簡単に栽培できるような食材になり、もはや沖縄特産とは呼べなくなってしまった。
基地返還問題も、初めて知ったのが返還先が国や県ではなく個人だということだ。現在その借地料で生活している人も多く(沖縄最大の軍用地主は竹野一郎で、年間借地料は200億円といわれている。)、いきなり返されてもその土地を有効利用するためには農業開発事業などが必要となり、少なくとも20年はかかると思われる。
いちがいに米軍に出て行ってもらいたい人たちばかりではないんだと驚いた。
戦争や米軍占拠ばかりではない沖縄のかかえる悲劇に目が離せなくなり、ハワイ旅行の途中で一度は放り出そうかと思った本をしっかりとにぎりしめて、ハワイ島からオアフ島へ移り、それでも読み切れなくて日本に戻ってから京都まで連れて行って、やっと読破しました。
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2011年刊行。
戦後の沖縄社会の実像を多様な人物からのインタビュー等を軸に解説していく。
裏社会、スパイ、米軍、沖縄内での奄美島人差別、米国管制下時代の密貿易、与那国島。暴力や売春をはじめ、本書では人間の暗黒面が渦巻いており、非常に生々しい。
なんだかんだ言いながらも、アンダーグラウンダーをテーマにして叙述させると著者は生き生きしてくる。
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雑誌「月刊PLAYBOY」に「沖縄コンフィデンシャル」のタイトルで
連載されていた記事が単行本として発行されたのだが、文庫版は
東日本大震災を機に大幅加筆されている。
先の大戦で唯一アメリカ軍との戦闘が行われ、多くの住民が犠牲と
なり、戦後は長くアメリカの占領下に置かれ、本土復帰後もアメリカ
軍の基地を押し付けられている沖縄。
左派文化人が言う「被害者としての沖縄」ではない、もうひつの沖縄
を掘り出すというのが趣旨らしい。
でも、上巻はほとんど沖縄ヤクザのお話だった。映画「仁義なき戦い」
シリーズや実録ヤクザ物は好きなので面白くはあるのだが、凄まじい
抗争やリンチの様子はお腹いっぱい。
沖縄に限らず、敗戦後の日本ではどこでも愚連隊などが跋扈していた
のだから沖縄だけに限った問題でもないと思うのだけどね。それでも
男性器の先端をペンチでねじ切るっていや~ん。途轍もなく痛そう。
興味深かったのは沖縄内での差別の話だ。戦前戦中の本土では
沖縄出身だと言うだけでの差別があったが、沖縄本島でも他の
離党出身者への差別があった。
沖縄に先駆けて日本復帰を果たした鹿児島・奄美群島出資者への
差別も酷かったようだ。就ける職業も限られ、しかも賃金には大きな
格差があった。
差別された者は自分より弱い者に対して更なる差別をするとの連鎖
なのかな。
オリオンビールの創業者や沖縄最大のゼネコンの創業者など、「沖縄
四天王」と呼ばれた経済界の大物や、沖縄県警の辿った軌跡なども
綴られている。
佐野氏のこれまでの著作同様、同じ言い回しの多用はくどいが当事者
や当時を知る人々に多く取材しているのでエピソードはてんこ盛り。
気になったのは沖縄戦を体験した大田昌秀元沖縄県知事へのインタ
ビューのなかで出来たアメリカ軍のことだ。
沖縄本島に上陸したアメリカ軍部隊のなかには沖縄の非戦闘員を救出
する為の兵士がいたらしい。この辺りのことが書かれている作品はない
かなぁ。詳しく知りたい。
上巻後半から沖縄怪人伝のようになっているので下巻が楽しみ。ヤクザ
の話もおおけれど、偉人・怪人はヤクザ以上に魅力的だもの。
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戦中戦後に国全体で負わなければいけなかった負担を、沖縄に押し付けてしまった。だから本土の人間として沖縄に謝りに行く、という姿勢で進歩的文化人などによって語られてきた沖縄。本土=加害者、沖縄=被害者。多くの日本人も、この認識をもとに沖縄を捉えてきた。でもすでに戦後70年。戦後沖縄がたどってきた長い歩みを、いまでもこの凝り固まった歴史認識をもとに見ても、本当の沖縄は見えてこないのではないか。
といった問題提起から書かれた本。
悪漢小説のように悪い奴、図太い奴がたくさんでてきる。法になんて従ってられない。生きるか死ぬか、体を張って生きている。被害者というイメージだと弱弱しい、枯れた花みたいで、ここに登場する沖縄人のイメージと合わない。向日葵かな? 違うな。皇帝ダリアかな。他を押し退けて、俺が!、俺が!とグングンくる感じ。
戦後の密貿易での繁栄。富を蓄え頭角を表す財界人。ヤクザの抗争。革新勢力の拡大。警察の汚職。などなど。
法に縛られず、生き方は自分で見つけ出す、という強い意志を感じる。
沖縄本島と奄美の間に「離島差別」というものがあったことは初耳だった。本土から差別されてきた沖縄。差別される辛さを知っているから差別しないというのは、どうやら幻想のようで、蔑まされたら、その憤りを他に向ける。それが奄美などの離島だった。人間の悲しい性とでもいおうか。
本のタイトルの「だれにも書かれたくなかった」という意味がよくわからない。猥雑でパワフルな沖縄戦後史だから?
沖縄をひとくくりにする現知事の発言のおかげで、県民性に興味をもって読み始めたのだが、けっしてひとくくりにできるような県民性じゃないことがわかっただけでも読んでよかった。
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タイトルに釣られて購入したが、「はじめに」での何とも鼻につく筆致と、約200ページを費やした沖縄ヤクザの話「沖縄アンダーグラウンド」には辟易した。『小文字』の歴史? すみません、意味が判りません(--) 下巻は買うことはないだろう。
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著名なジャーナリストである佐野眞一が沖縄を余すことなく取材した結果をまとめた本。
上巻では、①(昭和)天皇や米軍を巡る沖縄県警の動向、②沖縄ヤクザや密貿易といった沖縄におけるアングラ勢力の動向、そして③國場組といった沖縄経済四天王や米国留学組、などをまとめている。
文献的な調査もさることながら、キーパーソンに対する詳細な取材が裏付けるリアルな沖縄が垣間見えてくる。
沖縄に関わる場合、必読書。文句なしに5つ星。