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村山聖も子どもの頃指したという将棋の真剣師だが、幸せとは言いにくい人生。天与の才能を勿体無い、と思うのは筋違いかもしれないが。
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本当にクズでどうしようもない、でも、まばゆい煌きを放ちつづけた純真な男の一生を、一筆入魂で描ききったセミドキュメント。
私は将棋は駒の動かし方を知っている程度の素人ですが、どんどん引き込まれてゆき、何度も読み返してしまいます。
そして、どうしようもないほどの喪失感に圧倒されるのです。
作家名で偏見を持たず、是非一読を。
【大傑作】。
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ギャンブルに直接絡んではいないが、まさに破滅的人生の生き様を綴った、近年稀にみる傑作だと思う。悲哀、そして愛くるしさ、かっぱエビせんではないが、余りに面白くて、読むことが<止められない、止まらない>僕でした。
(Feb 15, 2000)
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痛快、破天荒、将棋以外は全くダメ男の小池重明を、ポルノ小説界の大御所、団鬼六センセが書き上げた怒涛の人生。読み始めたらやめられません。将棋の綺羅星をバッサバッサと破って行くさまはまさに痛快。でも将棋以外はホントにダメ男です。こんな天才、もう出てこないでしょうねぇ。
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19年4月 後輩より
将棋士の話。
将棋に関しては天才的な才能があるのに、女性に弱く、破滅的な人生を送る
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新宿の殺し屋の異名を持った最強の真剣師小池重明の軌跡を描いた名著。将棋の天才、いや、賭け将棋の天才と呼ばれ破天荒な生涯を遂げた男、小池重明。彼の生き様を垣間見る事ができる。将棋以外はなんとも人間らしいというか、一芸に秀でてはいるものの妙に人間臭いところが共感を呼ぶ。将棋に明け暮れては、女と駆け落ちし、酒におぼれては、路頭に迷う日々。滅茶苦茶な人間だが魅力がある。そんな一人の人間をこの本の中で見れる。
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生活方面はとんでもなくダメダメ人間だけど将棋だけは強いって、ホントにこんな人がいるんだね。壮絶すぎる。
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最初こそちびちび読みながらもなかなか進まず…そのうち真剣師としての話がはじまったあたりでスイスイとページをめくる手が止まらなくなってしまった。
ハチワンダイバー好きだし。あ、あんまり関係ないかな。
しかし読めば読むほど将棋の鬼というか「マンガの世界のひと」つーかフィクションの方がしっくりくるような気がするのだけど、実在してしまうのだからすごすぎる。
こんなに太く短く、ひとの記憶に強烈に残るような人生に憧れもありつつ。
こんな「マンガにでてきそう。」ではなく、こういう人がマンガにされるのか、どっちかな。
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5月に亡くなられた団鬼六先生の追悼読書。追悼ならちゃんと SM 小説を読めという話はあるのだが、代表作である「花と蛇」は気楽に読むには長過ぎるし、一番のお気に入りである「鬼ゆり峠」にしてもまだ長過ぎる。結局、大学時代に読んで手元に置いてあった「真剣師 小池重明」を読み返すことにした。
圧倒的な強さでトップ・アマはもちろん数多くのプロ棋士を薙ぎ倒した真剣師の生涯を、その晩年を共にした団鬼六が緻密な筆で描く。幾度となく勝ち筋に入りながら、土壇場で一手バッタリの借金、逃亡、駆け落ちを繰り返す小池重明の人生は、その将棋とは裏腹にとうとう逆転の妙手を見つけることなく微か44年という短手数で幕を閉じた。晩年、団鬼六のはからいで再び将棋を指す機会を与えられたときの喜びはいかほどであったろうか。
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昔は賭け将棋でメシを喰ってる「真剣師」ってのがいたわけだ。将棋の世界はプロとアマの実力格差がとてつもなく大きい。にも関わらず、この小池重明って真剣師はプロの棋士に連戦連勝し、当時の棋界を震撼させる。強い。そして凄い。で、こういう男にはありがちなんだけれど、一方で欠落している部分もまたどでかいわけだ。借金はこしらえる。人妻と駆け落ちする。挙げ句の果てに詐欺騒動をやらかして、棋界からは永久追放されてしまう。そんな彼の「弱さ」を「強さ」とともに愛した団鬼六にしか書けない評伝。「買い」です。
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まっとうに生きるチャンスは多々あったのに残念だ。
才能があっただけに悔やまれる人生だったと思う。
表現を変えれば「健康的・建設的な人生」と「そうでない人生」との
わかれ道に何度もさしかかり、そしてみごとにそうでない人生を
選択してしまう。
これは偶然ではないと思う。
感情的な生き方から、冷静に人を洞察し、
周囲に調和する生き方に変わる。
すなわち社会性を獲得することが人としての成長だとするなら、
彼に何があれば建設的な人生を選択できたのか。
もう一回読み返してみたい。
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賭け将棋で収入を得て、生計を立てる真剣師。プロも何人も破り、史上最強の真剣師だった小池重明を描いたノンフィクション。天才であると同時に、将棋以外は何をやってもダメな超破滅型人間。「破滅の美」をまさに体現している。破滅の美に若干の羨望を覚えると共に、教育の重要性を感じる一冊。子供には読ませちゃダメ。
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これは傑作だ。そして怖い。まだこれが途中団鬼六が茶化して書いたみたいに、時代劇なら良かった。そうではなくて、舞台が昭和や平成で、場所は新宿や横浜や所沢だ。
私はこういう踏み外した人生が怖い。
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大崎善生「赦す人」を読んで、小池重明という人に団鬼六氏以上の強い印象を受けた。まさに破滅型の天才。本書は、期待に違わぬ達意の文章で、紛れもない天分を持ちながら、ついにまっとうな道を歩むことなく死んでいった愚かで愛すべき男の人生を浮かび上がらせている。
本書を読むと、少し前までは将棋界というのも今とはずいぶん違ったものだったのだなあということがよくわかる。谷川名人、そして羽生名人の誕生というのがいかに大きな出来事だったのか、門外漢の私にも少し理解できたように思った。
小池重明氏はちょうど時代の変わる潮目に巡り合わせたということなんだろう。彼がもう少しだけ後に生まれていれば、棋界を席巻したのではないだろうか。いや、やっぱり無頼の性は変えられなかっただろうか。そんなことを考えずにはいられない。
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勝負の世界で強い人が生き残る世界にいるにもかかわらず、強いが故に破滅的な人生を歩んでしまった小池氏。
競馬で100万円買った翌日に今度は競馬で全額すって、その翌日には飯場での肉体労働に身を置くというくだりが凄まじ過ぎる。
自分勝手な行動で周囲に迷惑をかけ続ける小池氏ですが、読んでいても全く不快感を覚えず、逆に共感を覚えるのは、書き手の思い入れから来るものなのかもしれない。