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痴漢冤罪事件に巻き込まれた男性とその奥様の手記を編集した作品。周防正行監督映画「それでもボクはやってない」の原点。
冤罪の恐怖、司法制度がまるで頼りにならないことが分かった。性犯罪は物的証拠が少なく、被害者の証言任せの警察の現状がある。無罪を勝ち取るために2年間の時間と精神的被害を受けて筆者と家族は本当に大変だったと思う。冤罪だけはなくしてほしい。
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(推薦者コメント)
痴漢冤罪に巻き込まれたら、その家族はどうすればよいのか、何ができるのか。識者により幾度も問題が指摘されてきても、なお改善されない日本の司法制度。そんな司法という途方もない“敵”と闘いぬき、逆転無罪を勝ち取った家族の、涙の手記。
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映画『それでもボクはやってない』の原作というか、映画化とともに出版された本。
冬のある日、出勤途中の乗換駅で痴漢容疑をかけられ、『痴漢えん罪事件』の被告人となってしまった筆者。筆者とその妻の日記型の手記で全体がつづられています。
興味はもっていたものの、映画は残念ながら観られなかったのですが、本だけでもじゅうぶんわかりやすい内容になっています。
身内にえん罪事件に関わっている弁護士がおり、彼のこともつらつらと考えながら読んでいました。そちらの事件は、もう随分前に起こった殺人事件で、事件の性質などは違っているのですが、検察官や警察官の様子は通じるものがあるなぁと思いました。
それだけ長い間、検察や警察はかわっていないということでしょうか。
それまで、まったく司法と関わってこなかった『ふつう』の夫婦が直面してしまった、刑事事件。それを『ふつう』の言葉で書かれています。弁護士に対する感想などを読むと、よい印象もあるけど悪い印象もあったりして…身内の弁護士にもちょっと読んでもらいたいな。と思いました。
もう読んでるかもしれないけど。
この本では、とても多くの献身的な協力者(本書中より)に恵まれて、事件は進行していきました。でも、実際にはもっと多くの、もっと恵まれない状況で『痴漢えん罪事件』の被疑者として戦っている人たちもいるのでしょう。
そんな人たちが多くいる、今の司法制度はそういった人々を生み出してしまうようになっていることをあらためて実感させられました。
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めっちゃ面白かった。
ある日突然痴漢として逮捕された著者が、無罪を勝ち取るまでの二年間を描いた手記。
もう本当にすさまじかった。逮捕から取り調べ、拘留されて起訴、そして裁判へ。そうした、知っているようで知らない現実が、リアルに語られる。
この本で最も良い点は、起訴された著者のみでなく、妻の手記も混在しているところだ。夫を信じ続けて過酷な裁判に立ち向かう姿は、極上のラブストーリーとしても読める。
この事件に刺激されて周防正行が作ったという映画、『それでもボクはやってない』も見てみたい。