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カリスマ教祖の宇宙の話が好きでした。
最後は「悪とは何!?」といった感じでした。
中村文則さんは毎回「悪」のようなテーマで書いているような気がする。
どの作品も闇が深く、読み始めるとブルーになるがついつい新刊が出ると読んじゃう。
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図書館にて。すごいとしか言えない。読んでいて心苦しい場面も多々あったけど、視界が広まった感覚。力強い本という印象。
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人間は、自らの優位性を信じたくなる生物です。さらに人間は全員を前提とするとき、最も凶暴になれる。善意、正義を隠れ蓑に自らの凶暴性を解放する。
戦争を支えてきたのは、気持ちの良さ、犠牲の美。
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「これは現時点での、僕の全てです」という著者の言葉に惹かれて読み始める。
村上春樹の『1Q84』を越える作品なのかもしれないという期待も懐きながら。
ブッダのことば、ユダの福音書、脳科学、宇宙論、量子力学、靖国神社、東京裁判、従軍慰安婦、軍需産業、ODA・・・。巻末には、40を越える参考文献のリストも列挙されている。宗教、科学、政治、経済と、幅広く渉猟したことが分かる。そこから得られた情報を基に、作家は物語を紡ぎ出した。
オカルト教団Xを暴走させて政治経済の暗部を描く一方で、悩める人々の信頼を集める教祖のような存在である松尾正太郎を対置している。教団Xは「オウム真理教」が、松尾正太郎は「イエスの方舟」の主宰者千石剛賢がヒントになっているのだろう。教団Xの暗躍を通して、人間の欲望(権力、性)を描き、松尾の話を通して存在や生命の根源に迫ろうとしている。現在の世界を彷彿とさせるエピソード(誘拐・人質事件)も織り込まれており、右傾化する政権への痛烈な批判も含まれている。まるで今年(2015年)の世界を予見していたかのようにも感じられ、作家の想像力には敬服するしかない。
雑多な材料を小説という器にぶち込んで攪拌し、化学反応を起こさせて物語を展開させた。しかし、反応が終わってみると、どす黒い沈殿(教団X)と透き通った上澄液(松尾正太郎)という二つの分離層が残っただけという印象はぬぐえない。
私は欲張り過ぎなのだろうか。著者中村文則は優れたストーリーテラーではあるが、567ページの長編を読み終えた後、期待した文学的感動や余韻は淡く、物足りなさが残る。圧倒的な情報を盛り込んだ上で、村上春樹を超えるような、文学としても昇華された作品が誕生するのを期待したい。
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脳科学と物理学を駆使した「教祖の奇妙な話」は長いけど興味深い内容だった。これも宗教??
それにしても、登場するカルト教団が怖すぎる。もちろんフィクションだけど、非日常が近くにあると思うとゾッとする。
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カルトSEX教団・洗脳・テロ・・・小説なのに何一つ現実を越えてない。参考文献に頼り過ぎ。(まあ今や医学の論文でさえコピペの時代だからねえ)
なので物語としてはイマイチだけど、教祖の説法というかたちで出てくる脳と意識の話とか、宇宙と原子の話とか、ゾウリムシと25℃の話とかの小ネタは結構面白かった。
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書店の帯「絶対的な闇。圧倒的な光」という文句に惹かれて読んだ。絶対的な闇は描かれていたが、圧倒的な光は見いだせなかった。これからの日本が不安である。教祖の説法のトピックにはなかなかそそられるものがあったと思います。
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死生観とかこの世の仕組みとかエロとか、詰ーめー込ーみーすーぎー。
んん?やたらいわくありげな重要人物が○○するためだけに、世界がワラワラ大騒ぎしちゃうって……。
あ、あれや。
レイアースや。_(┐「ε:)_
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この作者は、スランプなのでしょうか?
掏摸から数年、正統派の純文学が書けず、迷走ぎみのように思います。
今回の作品はハプニングバーにハマった男が経費で落とす為に書いた小説のように感じました。
とても下品で幼稚で、良識のある大人が読むに耐えません。
宗教や政治、戦争の話は、とってつけたような内容で、読みにくいものを、最後まで読み切ると、ほとんどが参考文献という読者を馬鹿にしたような作品でした。
消費者をなめているような作品です。
頭にきたので、申し訳ありませんが、星☆は1つです。
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自分の元から消え去った恋人 涼子を追って、宗教団体を訪れる楢崎。そこで教祖的存在の老人 松尾と出会い、教義に触れ、その宗教団体に出入りするようになる。
しかし、涼子はすでにおらず、別の宗教団体「教団X」と関わりがあったことを知らされる。
宗教団体の話というより、教祖の口を借りて、社会情勢、国家、テロ、貧困、戦争などを語っている感じ。
好々爺の松尾との対比か、「教団X」の教祖 沢渡の世俗的な面が強調されており、性描写も多い。
ラストは綺麗にまとまっているが、著者の真意はなんだったのか、著者の思考が怖い。
(図書館)
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初中村文則作品。
世界観が想像のななめ上をいってた。
いろいろと小難しいことが書かれているけど、メッセージがいまいち伝わってこなかった。作者が伝えたかったことはなんだったんだろう…?ストーリーもなんだか…?
600に近いページ数にも負けずに頑張って読んだのに少し残念でした。
でも気になる作家さんではあるので、『何もかも憂鬱な夜に』を次に読んでみようと思います。
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徹底して開くと戦い続けてる中村文則。
大がかりな今回の作品も、根底は同じでした。
希望が見える最後に、しあわせになりました。
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初めて読んだ中村文則の小説。
新興宗教の教祖、部下の男、その恋人、もう一つの団体など、様々な人が入り乱れる。それぞれの立場からの主張、宗教観が語られるも、そこには絶対の善も悪もなく、みな自分が信じる道を行くのみ。
かなり厚い単行本だけど、スラスラと一気に読めてしまった。複雑なテーマでありながら、それをすんなりと読ませるのは著者の手腕。面白かった。
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今までの自分にはない新しいタイプの本でした。松尾の話は難しいけど、すっと入るところもたくさんあって、こうやって宗教に入り込んでしまうのかもしれないと少し自分が怖くなった。信じるということについて考えさせられた。
似たような事件もあったので、今なら現実にある話なんだと思えるものでした。
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ピース又吉が勧めていて初めて中村さんの本を手にとった。
世界観が独特すぎて映画「愛のむきだし」を観終わった時と同じような気持ちに。
教祖の話は、特に初めの方の、正直ついていけない所が多々あったし一部はやや読み進めるのが疲れた。
二部は物語がサクサク進むので割と読みやすかった。
いろいろ盛り込んであるけど作者の伝えたいことがラストの方のメッセージならとても普遍的で当たり前のことだと思ったけどこの本全体の話を通して改めて聞くことで希望が見えてくる気がした。