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エリート商社マンである語り部が世界の各地で見た、白い夢と黒い夢。栄光と挫折を描く浅田次郎の小説。
読む前の期待が大きかったので、ちょっとガッカリ感。
皆さんのレビュー評価も低いですね。
個人的に、何がイマイチだったかというと、もっとエリート商社マンとしての話が読みたかったかな、と。
例えば、現実と白い夢と黒い夢の3つのストーリーで、ビジネスにおける大事な局面の選択のパラレルワールドをかき分けるとか。
実際のお話しでは、夢の部分がビジネスに関係なくて、過去の浅田作品を探してくればどこかにありそうな話ばかりでした。
そういった意味では、新しさをあまり感じなかったですね。
浅田さんへの、愛ゆえの辛辣レビューでした(^-^;
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浅田次郎版一炊の夢か。
ストーリー的にはあまり見るべきものもないが、濃密な文章、博識さはさすが。
ジュネーブ、パラオ、バンガル、北京、京都。
代々続く商社マンの家計に生まれた男は、商社マンとして世界各地を巡り、黒い枕で見た悪夢に引き釣りこまれたかのように失敗や裏切りによって社内での立ち場をなくしていく。
悪夢は悪夢として忘れようとして、現実は現実で会社員の宿命として忘れようとして、男はどんどん降格を余儀なくされる。現実こそが目覚めても変わらず、冷酷に進行していくものであることを自覚した男は、最後に京都で掴んだ幸運を自分の信念に基づいて手放す
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大企業の商社マンだった都築は50代半ばで隠居生活。商社マン時代に赴任したスイス、パラオ、インド、北京で見た夢を友人に話すストーリーで都築の人生とその国の宗教や歴史とリンクした夢になっていて架空の恋人と亡き祖父が絡む。吉夢は白枕、悪夢は黒枕で寝た時に見る。現実は、バブル時代の商社マンの転落人生。一発逆転できたかもしれない京都での夢。
だが都築は…読むのに疲れた本。
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飛行機の中で一気に読んだ。銀座でもらったので、重さから羊羹かと思っていたら本だった。バブルを過ごした3代続く商社マンの海外での話。黒い枕と白い枕で夢が変わると。さすが浅田次郎、面白かった。もう一つ気になったのが、全員にこの本をくばったのか、私にコレを読ませたかったのか。私に読ませたいとしたら、私がバブル時代の人間だからなのか。2重で楽しめた、また、映画にでもなるのだろうか。
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商社マンの光と影を、夢と現実の世界を行き来しながら描く物語。久しぶりの小説だったけど、個人的には浅田さんの言い回しとか、すごく好きでした。
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著者は様々映画になっている本を出版していますので有名な方ですよね。主人公の夢の話なのですが、この展開がなかなか深く面白い。。てっきりバブルの頃の話だと思って手にとったのですが、内容は全く違っていましたが、面白かったのでOKです。
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黒い夢と白い夢の交錯の果てに、行き着く先が日本商社の黒いDNA。都市伝説すれすれの浅田サスペンスもなかなかいい。人生の3分の1は睡眠。そう。この作品の3分の1も睡眠。
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白い夢と黒い夢。
このまま夢が続いていくだけならどうしようかと思ったが… オチもあると言えばあるような…
とにかく読むのに大変でした
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浅田次郎さんの小説は、ほぼ大好きなんだけど
う~ん、これは…
読み終わるのにすごく時間がかかってしまった
浅田さんらしいノスタルジックな世界観も
最後まで入り込めずにいたのです
白い枕と黒い枕が見せる夢に翻弄された人生
日本の商社の歴史や裏側が、
なんだかとてもわかりにくく書かれていたような気が…
めずらしく、読後感がすっきりしない感じです
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「ブラックオアホワイト」全く面白くないというほどでもないけど、私の好みではなかった。すごく面白かったというレビューもあるので、あくまで好みの問題だ。文章自体は読みやすかった。
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ブラック オア ホワイト 浅田次郎著 夢と現実が侵食しあう転落劇
2015/4/19付日本経済新聞 朝刊
夢を題材にした小説は色々あるが、その中でも有名なのが、夏目漱石の『夢十夜』であろう。常に「こんな夢を見た」という書き出しで知られる、十の不思議な夢を綴(つづ)った、幻想的な作品だ。本書は、その『夢十夜』の浅田次郎版である。ただ、夏目作品が、淡々と夢の内容を並べているだけなのに対して、こちらは夢と現実が微妙に絡み合い、独自の世界を構築している。ここが物語の注目ポイントになっているのだ。
急死した旧友の焼香の列で、やはり旧友の都築栄一郎と久しぶりに邂逅(かいこう)した“私”は、彼が暮らす高層マンションに招かれた。元南満洲鉄道理事を祖父に持ち、六十を過ぎて悠々自適の生活をしている都築。その彼が語るのは、バブル時代に見た夢の話であった。白い枕は良い夢、黒い枕は悪い夢。エリート商社マンだった都築は、スイス・パラオ・インド・中国・日本で、不思議な夢を見る。そして夢に呼応するように、現実の彼の立場も変わっていくのだった。
スイスで見た夢が切っかけで、仕事をしくじった都築は、なんとか名誉挽回しようとしながら、エリートの地位から転落していく。面白いのは、その過程における、夢と現実の絡ませ方だ。たしかに現実に影響を与えることがあっても、夢はあくまで夢である。だが、ストーリーが進むにつれて、夢と現実の境界線があやふやになっていく。それを象徴するのが、都筑の祖父だ。
南満洲鉄道理事だった祖父は、立場や役割を変えながら、多くの夢の中に登場する。また、誰というわけでもない恋人も登場する。この恋人の意味については、都築本人の口から、もっともらしい説明がなされていた。一方、祖父については何の説明もない。だが、物語の後半に入ると、都築の商社マン生活に、祖父が大きな影を落としていることが明らかになるのだ。夢と現実が、徐々に互いを侵食していく様が、興味尽きない面白さに満ちているのである。
さらに終盤に至って、夢の話を聞き続けてきた“私”は、都築に対するある疑念を抱くことになる。その、あやふやな疑いが、現実そのものを、ひとつの大きな夢としていくのだ。
なるほど、都築の夢の話を“私”が聞くというスタイルは、これを表現するためであったのか。バブル時代のエリート商社マンの転落劇を良夢と悪夢を駆使して描いた作者は、ラストに至り、人生そのものが一炊の夢にすぎないのではないかと、読者に語りかけるのである。
(新潮社・1500円)
あさだ・じろう 51年東京生まれ。作家。著書に『鉄道員(ぽっぽや)』『プリズンホテル』『蒼穹(そうきゅう)の昴』などがある。
《評》文芸評論家
細谷 正充
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筋書自身は浅田さんの本としては、特にどうというものではない。
あまり面白くない、といっても過言ではないのではないか。
しかし、戦前戦後の日本のあり方、総合商社・軍、ビジネス・戦争、ばらばらに捉えそうになるものを繋ぐ物語としては、面白く感じられた。
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夢か現か幻か。
バブル時代の商社マンが人生の3分の1の夢の時間に過去にさかのぼり、祖父の歴史を再認識する。
バブル時代の苛烈な商社ビジネスの世界から一転、スイスだのパラオ、インド、中国、果ては幕末まで。そしてニューヨークで知る祖父の最後。
破天荒なストーリーで読み飽きなかった。
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夢の話である。バブル時代のサラリーマンの生き様のストーリも面白かった。わたしは仕事中毒の会社人間だったけと、何度も、どきりとした。夢のあやふやな感じの表現、筒井康隆の「夢の木坂分岐点」の緻密さにはおよぼない。
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普段まったくと言ってよいほど夢を見ない私からすると、こんな夢ばかり見たら疲れるやんと思う。。。。
所詮金持ちのおぼっちゃま、普通の感覚ではあり得ない夢を見るんですね。。。
変な夢を枕のせいにしたらあかん(笑)