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格調高い怪奇譚。怖くないけどひんやりする、そんなお話がちりばめられています。こちらとあちらの境は案外緩やかで、すぐ隣にいるのかもな。
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図書館で借りた本。小池真理子というと、恋愛小説のイメージか。昔は『欲望』とか読んだ記憶あるけど、久しぶりに読んだ感じ。けっこう楽しめたんじゃないかな。暗い雰囲気や、無念じみた話よりも、一番最後の話のような、ちょっとあたたかい雰囲気を感じるものがいいね。小池真理子さんも、ああいう、ちょっとあたたまる話を書くんだ、と感心した。そこまで作品、読んだ記憶ないけど。
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ひさしぶりの小池真理子さん。
きれのいい文章は読みやすく、
失意に落ちた女性の心理描写が上手いなと思う
作家さんの1人です。
この作品は、
●岬へ
●座敷
●幸福の家
●同居人
●カーディガン
●ぬばたまの
●還る
以上7作品からなるホラーの短編集でした。
どの作品も、この世のものではない者がでてくるのですが、
世の中を憎んで人に害を与える怖い者ではありません。
どの話も、
いとしい人を残して心残りな者、
伝えたいことを伝えられなくてもどかしい者、など
登場するのは、
この世に小さな未練を持つ者たちばかり。
私が特に気に入ったのは「幸福の家」です。
医者の娘として何不自由なく暮らしている小夜子は、
ある日散歩の途中で妻に死に別れた老人と出会います。
なにかひかれるものがあり、小夜子は、
それから毎日公園で、老人とのおしゃべりを続けます。
小夜子の話は自分の幸せな家族の話が多かったのですが、
ある日突然老人が「もう会えない」と言いだして・・・。
この作品、誰が霊なのか、
ラストにならなければわからないようになっています。
あっと思うようなストーリー展開だけに
読後感はたまらなく切ないものを感じました。
他の作品も同様に、
どこかしら憎めない霊たちが出てきます。
怖いだけではない、
切なく美しい愛も感じる短編集でした。
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怖い話というよりも、死者とつながる、ふわっとした境界線みたいな。切なくなる短編。こういう話も好きだわーと思いつつ、あとがき読んだら実話もありって…。でも大好きな、親しい人がいなくなったら、怖いよりもあーいてくれるなーって馴染んじゃうような。切なくなる気持ちがします。
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内容に起伏がないと感じていたら、作者もそこについて言及。
けど、リアル怪談ってそんなものかな。
解明できないことのが多数だし、解釈などこちらの想像の域をでない。
なにげない文章が洗練されているところが、心地よかった。
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この人の筆力はやはり絶品だ
おどろおどろしい話、切ない話、切なくも温かい話が色々あったけれど、どれもすごく読み応えがあった
そして、美しかった
小池文学本当に好きです☺️
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今回の「怪談」は異形な物を描いた短編集ですがおどろおどろしい表現もなければゾクゾクする様な感情も生まれません。
しかし一度ページを捲り出せば、小池さん独特の世界に入り込み死者と生者が脳内映像で蠢めきだします。
派手な殺人事件等もそこにはなく、ただ誰もが普通に過ごす日常の中での異形との出会いが余計にリアリティーを醸し出します。
「怪談」でありながら、読後は怖さよりも悲しみや切なさ、温かさすら感じてしまう程の余韻が残る作品集になっています。