紙の本
生活保護制度を考え直す
2016/02/03 16:59
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:素振りをする素振り - この投稿者のレビュー一覧を見る
ベーシックインカムは生活保護制度は違い、すべての者に一定額を給付を行うものである。一括して政策を行うことでコストを削減し、貧困層の救済をより行えるものであると感心した。ただ、我が国においては導入される可能性はないと思っている。なぜなら、官僚たちの国のトップの既得権益の消失が起こりうるため本制度を採用するとは考えられないからだ。
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究極の「バラマキ政策」BIについて初めてまとまったものを読んだ。
格差社会の現状から説き起こし,思想的系譜を辿った上で,良くある誤解に対するフォローや批判に対する反論を通じて,今の日本においてもBI導入は充分実現可能であると主張している。
データに基づいて論じているのは好感がもてる。それによると,今の生活保護の水準を上回るような給付額には無理があるようだが,著者はそれでも問題ないとしている。
子供への給付は「母親の口座に振り込む」とか,狭い仮設住宅より普通の家に二家族で住む方が快適だとか,賛同できない点もいくつか散見されるし,何より現実に問題なく回る制度かどうかについては全く説得的ではなかったのだが,BIの哲学や具体的な中身を知るには良い本だった。複雑極まりない各種社会保障制度を整理していく必要はおそらくあるんだと思う。最終的にBIを目指すにしても,一気に導入というのはとても無理だろう。ある程度の時間をかけて,徐々に一元化していくことになるのかな。
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良書。
現代は、子供は消費財。腑に落ちた。
確かに、昔は、農家、自営業では、子供は資産、老後の保険、働き手だったが、今は違う。将来子供が自分達を養ってはくれない。
でも、社会に取っては資産だ。社会で子供を育てなければいけない。日本の社会はそれについていっていない。
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自分にとっては分かりやすい内容だった。BIのためのお金をどうやって生み出すかをグラフなどを用いて示してくれたのには納得がいったが、まだまだ大雑把に分かったのみなので、もっと理解できるようになりたい。
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国家の財政はベーシック・インカムに耐えられるのか? 本書はベーシック・インカム最大の問題点と考えられている財政問題に切り込み、そして現在の国民負担をほとんど増やすことなく、成人一人当たり7万円/月程度(子供は半額)のベーシック・インカムが可能なことを明らかにする。
世界で最悪な部類に入る子供の貧困率、シングルマザーの貧困、そしてこれから確実に増加する無年金の高齢者たち。それらを解消するための仕組みは現在機能しているとは言えない。そこで、生活保護や基礎年金、児童手当、失業手当・・その他の「健康で文化的な最低限度の生活を営む」(憲法25条)ための仕組みをベーシック・インカムに置き換えることで一気に網羅的に(現在では生活保護システムにアクセスできない人が数百万人いると推定されている)、そして単純に解決できる。所得を把握する必要もないので、行政事務コストは限りなく削減できる。それらをベーシック・インカムでは救えない、経済的ではない困難を抱える人々の救済、「本来の仕事」に当たることができる、と著者は言う。
新書なので各論について十分に詳しいわけではないが、総論においてベーシック・インカムを導入しない、という選択はないほどに説得的な本である。
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正論過ぎるほど正論だと思うのだが、それをしないメリットは何なのだろう。生活保護を受けず/受けられず餓死する社会は嫌だ。
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2015.11 課題図書
■■11/10@コメダ珈琲店■■
お金のために働くのか?/現物給付の是非/アンチ持ち家政策/年金=仕送り/法人税減税の話/ふるさと納税の話/貯蓄型保険の意味/SVOC/ハロウィンと電通/ゲイテッドコミュニティ
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20151203~1223 ベーシック・インカム(BI)についての入門書的かつ提言書。思想的な背景がわかりやすいけど、何故に近衛文麿について詳しく書かれていたのかな?後半の予想される批判に対する回答が興味深かった。軽減税率を導入するよりは給付額を増やした方が効率的な気がする。
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今、日本で母子家庭が貧困にあえいでいることを考えると、生活保護での医療費のケアが受けられなくても、ベーシック・インカムという制度について、真剣に考えてみてもいいのかもしれません。本書には、貧困における自殺者に関してのデータは載っていませんが、ベーシック・インカムを導入することで自殺者も減る可能性もあるかもしれませんし。
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生活保護という形ではなく、
BIとして全員に受給する方がいいのかなーと思ってしまった。
飢え死にということは防げるのかもしれない。
具体的にいくら配ればいいのかという
考察もされていて興味深い。
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バラマキは正しい政策である。
誠にその通りなのだが、「控除から手当」の掛け声倒れ、実現しない。「バラマキ」嫌いの人が読んでもきっと納得しないだろう点を考慮して減点。
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最初は懐疑的でしたが、負の所得税あたりから、フムフム、そうかもの思いだし、最後はそーかもーねー、とまで思うようになりました。
しかし、世界でまだ例がないってことは何か決定的な欠陥があるのでは?と訝しがってます。
負の所得税の方が納得感あるんだけどね。事務費がかかっちゃうんだろうか。
移民受け入れと、福祉が並び立たないってのは、ぼんやり思ってたところを気付かされました。
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【ベーシックインカムの基礎を学ぶ】
スイスで国民投票にかけられるベーシックインカム。すべての人に(所得の高低問わず)一定の金額を付与することで、国家から貧困をなくし、経済的に発展できる仕組みを作り上げるものだ。
本書では、
1)そもそもベーシックインカムとは何か
2)財源をどのように確保するのか
3)導入するとどのようなメリットとデメリットがあるのか
を中心に説明している。
文中、数字が出てきてしっかり読まないとわかりにくい。数字が出てくる割に文字だけで済まそうとしているからである。
数字的なロジックも含め、100%理解したわけではないけれど、ベーシックインカムの基本的な考え方などは頭に入ったのでよしとする。
今のところは、ベーシックインカム導入賛成論者になった。財源の箇所の詳細はもっと理解したいが、生活保護が機能してない現在、この制度は貧困を解決するだけではなく、国家として経済的に発展する起爆剤になるのではないかと期待を寄せる。
ただ気になるのは、移民の箇所。今後の日本に移民はマストだと信じているので、福祉国家と移民受け入れが反対方向に働く以上、そのバランスは財源同様に理解したい。
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年間一人84万円のベーシック・インカムを保証するには、2兆円あれば良い。
ベーシック・インカムが働くことへのインセンティブを下げることはない。
本書はベーシック・インカムに対する様々な反論に、丁寧に答えていきます。
第2章はベーシック・インカムの思想的な背景が主ですが、第3章では実現可能性について、かなり詳しく、試算も含めて解説してあります。
ベーシック・インカムの入門書としては少々難しいですが、概要はよく理解できました。
ディべータブルな問題ですね。
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貧困は要するに金のない人ということ。であるならばそこは一律で銀行口座を設定してもらってそこに振り込む。そして福祉官僚はお金だけでは解決できない人間関係とか能力開発に特化すればちいという主張。真ナンバーだと抵抗するけど国民全員がばら撒きでBIを受け取れるから銀行口座を登録し所得はすべてそこにいれるようにというのは徴税のことを考えても正解だとおもう。課題は人は金をもらうと怠惰になるのでは?という懸念。自分は懸念だとおもい、そういう人もいるけど金のこと気にしなくていいから文化やスポーツや冒険が爛熟するう期待がある。
一九六〇年代以降でもっとも重要な変化は、子が資本財ではなく消費財になったことである。
非正規の労働者であることは、所得が低いだけでなく、保障がない
BIは、すべての人に所得を給付する。具体的には、すべての人の銀行口座、子どもであればその母親の銀行口座に政府がお金を振り込むということである。振り込むことのコストはほとんどゼロである。またそれは、政府が人々の銀行口座を知るということである。これは政府の所得捕捉を容易にするという利点がある。政府は人々にBI番号を与え、銀行はこの番号を控える。一人の人間は一つのBI口座しか持てない。すべての人は、あらゆる所得をとりあえず口座に通さなければならない。
私の提案は、BIの導入によって、公共工事などで無理やり仕事を作ることをやめようということだけだ。