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人魚ものです。○リエルを人魚全体のアイコンと思っている身には、かなりハードかつ、隠微でエロティックな読後感でした。
そして、もう一つのテーマが兄弟愛です。こちらはもう甘くてかわいくて一途な恋心。
そうなんです、エグいです!沙野センセらしくびっくりなエグい描写が容赦なくあっておどろおどろしかったです。でも正梧と八尋の想いあう気持ちが純粋できれいでいい相乗効果がありました。
人魚の涙。悲しかったです…そして八尋の流す涙にも、胸が痛くなってたまりませんでした。
多分、太平洋戦争より前の日本。
八尋は生まれつき病弱で、親を亡くしてしまい弟の治療費に困った正梧は、宝石商に奉公します。弟が大事な兄は金のために罪悪感を感じつつも店主の娘と結婚しようとします。でも、好きなおにぃの足手まといになりたくないし、結婚も喜べない八尋。
そんな八尋の身体に異変が起こり始めます。
島の秘密が隠微とか幻想的とかいうの飛び越えて、もう恐ろしかったです…まぁ、センセの作品はこういうエログロ前提なので驚きませんけど、さすがに活造りには参りました。三枚おろがしなくてよかったですw
人魚とのHというのは興味津々になりました。でも、ここは興味本位とかエログロとしてではなくちゃんと正梧の気持ちとして、どんな姿の八尋でも愛している、というのが強く伝わってくるシーンになっていたので、とてもよかったです。
それから、そうですね、子供たちがすごく印象的で物語をいいイメージに引っ張ってくれていた気がします。イチ、タケ、ヤスが思わぬ活躍ぶりを見せてくれて嬉しくなりました。
そしてラスト。
心憎い終わり方でした。イチとのつかの間のシーンも余韻があってよかったです。