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2007/11/4ジュンク堂住吉シーア店にて購入。
2009/6/9〜6/19
今朝、移動用に読んでいた佐藤優著「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」を読了。先日、鈴木宗男氏の「闇権力の執行人」を読んだが、同じ事件に対する佐藤氏の回顧録。非常に明晰に冷静に克明に事件が振り返られており、国策捜査のやり口には背筋が寒くなる。取調べの際の佐藤氏の立ち位置、また取調べを担当した西村検事の真摯な姿勢には感動を覚える。
私は、人間関係の揉め事の場合、片側だけの言い分を過度に信用しない、ということを自分への戒めとしてきた。本書の解説を書いている川上弘美氏も同様の感想をかいているが、この解説も一読の価値有り、だ。
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ムネオハウスについて、日本人はもう一度考え直すべきだと思う。
彼がなぜ捕まらなければならなかったのか。
今の日本は、おばさん(ワイドショー漬けの馬鹿)の意向で動いているとしか言えない。
2007/11/08
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本書を読みながら率直に感じたのは、自分自身がメディアを通じて知っている本事件の全体像というのがいかに薄く断片的なものかという点である。少なくとも本書の内容はそれが真実であるかは置いておいて、佐藤氏にとっての真実であり、あるひとつの見方であるというのは確かである。そして、その内容は少なくとも大衆メディアを通じて我々のもとに届けられる情報がいかに危ういかを深く認識されるものである。ことに本書で国際捜査と言われるように政治的な要素を多く含む本件のような事例はどこかでバイアスがかかっている事を念頭に置く必要があり、国民ひとりひとりが真実の眼を持つ必要があることを強く認識されるものであると言える。本書で第二に印象的なのは、著者の類稀なる才能である。何よりも自分自身の哲学をしっかり据えているという点を強く感じる。少なくとも今日の日本を代表する知識人のひとりと言っても過言ではないだろう。
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いわゆる、鈴木宗男事件において、鈴木宗男さんの片腕と言われた外交官・佐藤優さんが書いた本です。当事者しか知りえない、貴重な情報がこの本には書いてあります。特に検察官と佐藤さんのやりとりは、かなり貴重なのではないでしょうか。「これは国策捜査です」って言っちゃう検事もすごいと思うけど…。鈴木宗男事件はヒステリックに報道された感がありますので、当事者からの話も聞く必要はあると思います。興味のある方は、ですが。
個人的には、佐藤さんを担当した検事は佐藤さんをうまく操ったように思えました。でも、多分佐藤さんも折込済みだと思います。その折込済みなのもまた検事が操って…。考えすぎなのか、何もわかっていないのか…。
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本書は、鈴木宗男事件にまつわる幕内の、当事者による暴露本である。その性格上、いかに著者が公平を期したところで完全なる公平性は達成されていないであろうが、しかしその点に留意しあくまで当事者の自伝として読めば、本書は抜群に面白かった。もとより、この著者ならば、メタ的な読み方による効果も織り込み済みなのかもしれないが。ともあれ、外交や国策については、ヒステリックな言説を遠ざけるだけのリテラシーを備えたいと思った。余談だが、本書の中でもっとも印象に残ったセリフは「日本の実質識字率は5パーセント」のくだりだった。実に耳が痛い。
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『インテリジェンス武器なき』の著者である佐藤さんの著書。
本書はあの『ムネオ事件』の裏側で何が起きていたのかが詳しく書かれている。
当時、外務省の機密費問題などで田中真紀子と外務省の対立が目立ち、大臣と事務次官とで意見の相違があった。田中真紀子がひどいということは本書以外(例えば『政治と情念』)でも分かっているのだが、当時ロシアとの平和条約(つまりは北方領土問題の解決)を締結すべくロシアに多くの人脈をもつ鈴木宗男氏と佐藤さんら外務省の人たちはロシア人やユダヤ人の人から情報を集め、策を練っていた。
しかし、国策捜査により佐藤、鈴木両氏の他多数の関係者が捕まり、全ては水泡に帰すことになった。
週刊誌やワイドショーで流れるニュースというのがいかに表面的なことであるということが分かる。
また一流の情報分析官というのがいかに幅広い情報を得ているのかに驚く。
例えば、ソ連時代にゴルバチョフ大統領がクーデターによって監禁されていたときにその生存を日本はいち早く得ていた。
国策捜査とは何なのかということも分かります。
国際的に信頼できる人物というのはどのような人なのかなど、国際関係や外交に興味ある人にはおススメです。
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稚拙な陰謀論は、足下にも及ばない、餅は餅屋の本。 新自由主義とナショナリズムに突き進んでいた日本の進路に疑問を呈した一冊。
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日本人の実質識字率は五パーセントだから、新聞は影響力を持たない。ワイドショーと週刊誌の中吊り広告で物事は動いていく。(p97)ここから奇妙な取り調べが続けられることになった。背任事件については険悪なやりとりが続く。しかし、日露平和条約交渉や外交情報、特殊情報に関しては、検事が被疑者のレクチャーを聞き、それをまとめる。私が推薦した参考文献をん西村氏はよく読み込み、ときどき適切な質問をしてくる。(p293「この話はこっち(検察庁)が汚くしているわけじゃないんだぜ。勝手に汚くなっているんだぜ。あーぁ、汚くなってきた。あんたも胸張れるような話じゃなくなってくるからな。揺さぶれば何でもでてくるぞ」「あっそう」西村氏は調室の電気をつけ、今度はにこやかに、「今日はこれくらいにしましょう。よく考えておいてください。それではまた明日」と猫撫で声で取り調べを終えた。
私は政治の話に疎いし、著者はものすごく頭が切れて桁外れの教養人と聞いていたので難解なんだろうな〜、と思って恐る恐る読み始めたが、豈図らんやかなり楽しくすらすら読めてしまう本だった。著者が凄い人だというのは分かるし、内容も驚愕するべき告発・裏話で読み応えたっぷりなんだけど、一方で検事との会話がハードボイルド調で可笑しいし、ムネオさんの顔を思い浮かべるとなんかキャスティングとして無理あり過ぎ…ということで度々クスリとなったり首をかしげたりしながら読んで楽しめた。解説の川上弘美(なぜ、この人が…)の正直な感想がまた味を添えている。
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鈴木宗男事件の際に、外務省の伏魔殿の代表として糾弾された、外務省のラスプーチンこと佐藤優氏の著作。東京拘置所での取り調べの実情や、「国策捜査」と佐藤氏の訴える三権分立の根幹を揺るがす政治の内幕に迫る筆致は、その内幕の内部にいた人間のみが冷徹に振り返る事の出来る文章で、非常に説得力がある。特に外交で最も常用である事が、結局は個人対個人の深い個人的関係に依拠している点などは、精神医学的にも興味深い。しかもその関係の中の虚々実々の心理戦「ゲーム」のなかで、国際情勢が形づけられてゆくという実際が、ショッキングでもある。もちろんこのルポを読んでみても判る事だが、刊行された時点での事件との時間的距離が近すぎるため、自身に不利になることは巧妙に回避されているようではあるが。現実の政治の世界で行われるコンスピラシーとは何かがよくわかる。
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面白いけどちょっと長い。詳細が気にならなければ3,4章は読み飛ばしてもよいと思いました。世の中は白黒はっきりつかないもので、むしろその複雑性の中で動いている、と実感させられます。とりあえず世間は公務員に厳しすぎだと思います。
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外交、政策、国策捜査。
“時代のけじめ” 勉強になりました。
2oo8 はじめの一冊にしてかなりポイント高し。
'o8 JAN.7−20 通勤の合間に。
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結局、だれがイイモンでだれがワルモンでだれがポケモンかは、自分で各視点から情報をあつめて自分で見立てしろ、ってことっすね。だって、これ読むと、一瞬、ムネオはイイ者と思ってしまう。そりゃ、ねーだろう。。。
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公務員としてまっとうな目的を持って仕事に打ち込む人ほど、スケープゴートにされてしまうとは、官僚の体質が透けている気が。
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あの鈴木宗男事件、その後ろで進行した国策捜査。事件の真相はなんだったのか。それがこの本で明かされます。ロシア外交や、著者の獄中生活も描かれています。これを読めば、宗男に対する味方が180度変わる!?
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平田・細川選。
新たな決意を綴った「文庫版あとがき―国内亡命者として収録」
(帯より)
部内亡命者としてなんか綴るか…