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まず、評価について。
甘い評価です。いつもの辛口の私なら2.5くらい。でも個人的に先生が好きなので3に。
5年ぶりの「淫らシリーズ」新刊です。
高円寺が記憶喪失になり、高校1年までさかのぼってしまうことで20年の記憶がない話です。
横軸にいつものように事件があり、その事件は高円寺達3人の同級生が殺されたこと。彼は議員の第二秘書をしていてその絡みで高円寺と会っていたらしいことは分かったが、その事件性の核心が高円寺が記憶喪失になったことで分からない。そこで、高円寺を囮に使い…というもの。
記憶喪失になったことで高校1年以降のことを忘れているので当然遠宮の事も忘れていてそこに遠宮の葛藤がある訳なのですが、そちらに重きを置いたためか事件については尻すぼみになってしまいました。
結局、議員はどうなったのかな?
もう少し事件を掘り下げるなり、高校生に戻ったのでその当時の高校生だった時の高円寺の心情を暴露するなり(私は中津に対して恋情では無くてもそれに近いものを感じていたのではないかと思っていました。むしろその方が話的には盛り上がったと思います)しても良かったと思いました。
とにかく、事件であれ、高円寺と遠宮の心情であれ、掘り下げ方が薄く、話に厚みが足りませんでした。
もう少し、ググッとじっくり深い内容が読みたかったです。
物語のテンポはよく(やはり読ませる作家さんです)さくさく読めただけに、うわべだけの話だったようで残念です。
実は、同じ月に出た別な作家さんの新刊も読んだのですが、そちらも掘り下げ方が足りず薄っぺらい印象だったので、やっぱり”B-プリ”の作り方はこういうのもなんですかね?もしそうなら、せっかく力のある先生なのにそこまで書かせなくてもったいないと思いました。
次はぜひもう少し突っ込んだ内容でお願いします。