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本書は第二次世界大戦において、日本軍がなぜ敗北したのかということについて分析した本。
日本軍という組織のbureaucraticな点に焦点を当て分析しており、なぜ組織は同じ失敗を犯してしまうのかということを再認識させてくれる。
ノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ海 戦、沖縄戦という6つの作戦を具体例として挙げて「失敗の本質」「失敗の教訓」について考察している。
これらの共通点は、情報軽視、補給軽視、参謀の独善、組織の下克上など様々。
「そこいらの経営学の本を読むくらいなら、まずはこれを読めよ」と言いたい、そんな本。
最初に断っておくと即効性は間違いなくない。
しかし、じわじわと自分の人生に浸透してくる素晴らしい遅効性をこの本は持っている。
何度も読んで血肉とすべし。
http://takathy.blogspot.com/2008/07/blog-post.html
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最初読んだときはどこかで読んだようなお約束の失敗パターンかと思ったがこちらが大元かな。
伝言ゲームも人数いくと質も落ちることも多々あるので基本のこの本に戻って今度は
インテリジェンスの観点から探ってみたい。絶対処分しない本。
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出版社/著者からの内容紹介
敗戦の原因は何か? 今次の日本軍の戦略、組織面の研究に新しい光をあて、日本の企業組織に貴重な示唆を与える一冊。
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太平洋戦争を戦った日本人と現代の国際社会で戦っている日本人の基本的な思考構造はかわっていないことがわかった。
当時から日本人は空気を大事にし、現場の自律対応は得意だが、大局的な戦略目標を持つことが苦手。ダブルループの学習ではなく、シングルループ的な学習等。
先の対戦でもそのような思考では生き残れないということがわかっているので、その教訓を今後活かしていきたい。
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古く悲しい印象。
いわば戦争研究からでた日本の敗戦の記録とその考察。
本というよりは論文に近い、それもあいまいな。
昔の事を蒸し返すのだから確かな言及はできなさそう。
日本が負けた原因はおそらく物量だろうけど、それ以外に関してもよくまとまっている章がある。
そして結構今の日本の組織ってこの当時から変わってないんだなって思って悲しくなった。
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客観的事実が容認されず、トップが絶対であるという組織の論理と精神的なもの(気合とか心構え)が絶対なのだという空気が支配するとき破滅に向かうことになる。
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本書は歴史の専門家と組織論、社会学の専門家6名がそれぞれの英知を結集し、組織論の側面から数々の無謀とも思える勝算の低い作戦がどのようにして策定、意思決定され、そして実施されていったかを検証したものである。ケーススタディとして、ノモンハン事件、ミッドウェー海戦、ガダルカナル、インパール、沖縄戦 の6つの事例を抽出し、それぞれから導き出される共通性と、その背後にある組織としての普遍的な行動原理をあぶりだし、一般化を試みている。日本国民のみならず周辺各国にあれだけの多大な犠牲を強いた戦争からなにかを学び生かしていくことは、後世に生き、平和を教授しているる我々にとって責務であろう。情緒的な人間関係が入り込んだ組織であったことにより軍事的合理性を最優先しない作戦立案、意思決定、人事評価、組織的学習の欠如などは、本書によって度々指摘されているものであるが、現代の実社会において日本企業の中でも未だに垣間見ることができる。環境が変化するに応じて、自身を自立的に変革し適応させていくことが組織には最も求められているものである。本書が最初に発行されたのは1984年でありバブル経済崩壊の前であるが、既に書中において戦後の成長期を経て移行期にある経済環境とそれに適合できていない企業経営について指摘がなされている。20年以上経って今尚、本書が指摘し問題提起した点が繰り返されている。経済は低迷しグローバル化という大きな変革の波に適応できていない企業が大多数存在し、地方自治は中央の補助金頼みであり、年金問題をはじめとした中央官僚が無策である状況を考えると、日本はあれだけの過酷な敗戦体験を生かしていないのではないかとすら思える。すべての日本人は先人の過ちから学び、それを生かしていく責任を有している。そうしなければ、最前線でその意味も知ることもなく命を捧げていった戦死者が報われない。事例として登場した、参謀本部、大本営、指揮官などの上層部の無能さに怒りが収まらないと同時に、これを反面教師とできない現代の指導者にもその矛先が向かわざるを得ない。
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日本軍がなぜ負けたかを組織論から、明解に解説した名著。
ノモンハン、ミッドウェー、ガダルカナル、インパール、レイテ、沖縄戦の戦闘を分析して、①戦略上の要因分析 と ②組織上の要因分析 から分析をしている。
①戦略上の要因分析では、戦略がなくなんとなくいきあたりばったりの戦略性のなさから、失敗につながったと分析している。
②組織上の要因分析では、空気が支配しているように、ロジックではなく、その場の雰囲気で組織が進んでいったことが明らかにされている。
日本文化の以心伝心の文化では、言葉に出してロジックで表現することがないために、いろいろな意味で今の日本社会の病理をも的確に言い表していると思う。
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2015年8月再読
大艦巨砲主義に固執しすぎた帝国海軍と、銃剣突撃主義に固執しすぎた帝国陸軍。
彼らは、適応しすぎて特殊化してしまった。これは新しいことを学習しようとしない硬直性を招いてしまった。
結果として、環境変化への対応を鈍らし、自滅してしまった。
つまり、日本軍の失敗の本質は、適応しすぎたことによって自己革新能力を失ってしまったこと。
2011年5月読了
旧日本軍の第二次大戦(大東亜戦争)における6つの局面での敗戦を組織論で分析し、日本の現代大企業のガラパゴス病、現実逃避・妄想癖に通ずるルーツと対策のための回答が示された名著。
紹介される6つの戦局は「ノモンハン事件」「ミッドウェー作戦」「ガダルカナル作戦」「インパール作戦」「レイテ海戦」そして「沖縄戦」。
全280ページのうち、6割以上が1章として上記作戦個別の経過と敗戦の分析にあてられ、のこり3割強が6つの作戦に共通する失敗要因と米軍との対比(2章)、そして失敗の本質に迫りつつ、今日の日本企業への課題の示唆(3章)となっています。
とくにかく衝撃的なのは、多様な参考文献によって裏打ちされた旧日本軍の体たらく。東京の大本営と現地の駐在軍の意思疎通のちぐはぐなこと、大本営の戦略がまったく末端に反映されず、現場の隊員が独自の判断で後手後手の個別対応に明け暮れる、などなど。
我が国はもともと戦略が伝わっていないか、そもそも無い、あったとしてもあいまいであり、何をすれば作戦完了なのか、どこまでやれば終戦なのかという線引きもあいまいで、おまけに精神論を振りかざすことによって無駄な戦死者を連ねてきたというわけです。
そしてこれらの要因(失敗の本質)として挙げられている「日本軍は環境に適応しすぎて失敗した」という考察が非常に興味深い。
過去の成功体験に固執し、組織はその成功体験の再現に向けて死力を尽くす。しかし一方で時代や環境は変るし、相手も対策を練ってきます。そういった変化に気づかぬまま、あるいは軽視したことによって、数々の大敗戦を喫したという分析がなされています。
こういった硬直性や現実を直視しない体質は、日本の現代企業に当てはめてもそのまま筋が通りそうです。
そして、これらの対応策への示唆としては、現実を直視し、組織が継続的に環境に適応していく「自己革新組織」へと変化していかなければならないと述べられています。
まさしく"Change or Die”です。Changeは一度キリではいけないのです。絶えず、Changeしていかなくてはなりません。
古い本ですが、2011年現在でも、いや、現在だからこそ参考にしたい、本当に素晴らしい著書と思います。
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旧日本軍の敗戦の原因の分析を今日の企業の経営につなげた経営学の本です。
【鹿児島大学】ペンネーム:library
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鹿大図書館に所蔵がある本です。
〔所蔵情報〕⇒ http://kusv2.lib.kagoshima-u.ac.jp/cgi-bin/opc/opaclinki.cgi?fword=21186149107
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学術的な本なので難しい部分はあったけど、組織論に少しでも関心のある人は読むべきだと思う。組織論のバイブル的な扱いも受けているし、日経でもこの本を解説するコーナーがある。
日本軍がなぜ大東亜戦争(第二次世界大戦)で敗北したのかを組織論的な観点から論じている。読み進めていると、「こりゃあ、酷いな」と日本軍の実態に驚くはずだ。陸軍では奇妙な人情主義がまかり通り、作戦で大失敗した指揮官が「かたき討ちさせてくれ」と懇願すれば、重要な作戦に再び起用する。海軍は日露戦争での日本海海戦の大勝利の経験が忘れられず、古くなってしまった決戦思想に執着する。
単に日本軍を批判する本ではない。日本軍の失敗から、組織のあり方を問い、組織運営の失敗による悲劇を繰り返さないための示唆に富んだ非常に良質な本だと思う。
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あまりに難解で、入ってこなかった。。。
文章の書き方が合わないのかな。
山本五十六のイメージが崩れたな。。。
組織運営が、幹部の感情で左右される。
それぞれの幹部のプライドが組織運営を阻害する。
極めて日本的と思えてしまう。
日本の組織の形は、このときからかと思ってしまう。
戒めになる。
まだ貯まっている他の書籍を読み終えたら、もう一度チャレンジしようか。
とりあえず、読むのにつかれた。。。
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太平洋戦争における日本軍という組織の問題点をターニングポイントとなった戦い毎に解析し、問題を振り返るもの。
全般に、ほぼ「組織内融和」、「二重目的」という2つの要因に集約している。
① 「組織内融和」とは、是非の判断を行う際、人間の感情(特に「面目」や「恥」)を使用して実施する「優先度判定」である、ととらえた。例えば、ある進軍の是非をとらえる際、「あいつは関係が深い後輩だから『無条件に』後押ししてやろう」とか、そういうものであろう。
それが組織を運営する上で問題だったか、というと、「根拠なく後押ししたらいけない」、ということなのだと思う。信頼関係が構築できていれば、後押しすることはよくある。
② 「二重目的」とは、例えば、ある戦いにおいて「空母を減らす」、「基地を奪還する」のいずれを優先するかを明確にせず、「空母をへらし、基地を奪還する」と併記することである。どちらかは一方を達成するためのプロセスだと思われるが、これも①の「組織内融和」の弊害だと思う。
本の中には、これにより「空母を攻める」武器にするのか、「基地を奪還する」武器にするのか、武器の選択が徹底せず、作成が失敗した、とあった。
「組織内融和」を重視するか否か、これがある組織や団体の方向性を決定すると思われる。「組織内融和」を排除せよ、という訳ではなく、重視する性質をもった組織と、重視してはいけない組織がある、ということなのでしょう。
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何度も挫折して、やっと読み終えた。
20代の頃は、読み始めても挫折していたが、50代になってなんとか一読出来た。
役所広司主演の山本五十六の映画や白洲二郎のNHKドラマを観て、時代背景などが歳を重ねるとともにわかって来たからであろう。
日本軍の失敗の本質は、特定の戦略原型に徹底的に適応し過ぎて学習棄却ができず自己革新能力を失ってしまった。
まさに、過去の成功体験を忘れられずに変革が出来ないでいる政治や官僚体制、大企業病の失われた20年の今の日本は、まさに第二の敗戦である
来週の選挙で日本を変えよう!
2012-12-9読了
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失敗は成功のもとである。そして同時に失敗は、更なるドツボへの始まりにすぎない場合もある。
本著では太平洋戦争で米国に破れた数々の局所戦(レイテ海戦、沖縄、ミッドウェー等)を振り返り、次に組織、戦略における日本軍の失敗について総括する。結局日本は局地戦での失敗を次にフィードバックする事なく、戦いに敗れてしまう。
30年も前の本のようで、パッと見難解そうな印象を与えるが読み物としても面白い。
失敗をとらえ、自己修復する力。組織でも個人でも、この能力の有無は大きい。