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死刑執行人サンソンの著者が、フランス史で光の当たらない人物たちにあえて光を当てた一冊です。最初に著者が言っていたとおり、この本に登場する4人はあまりにも不器用で変人で、それでもどこか愛すべきところを持ったとても魅力的な人たちです。その中でもやっぱり六代目サンソンの話(『死刑執行人サンソン』は四代目)が一番面白かったかなーと思います。
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[ 内容 ]
フランスの歴史を注意深くひもとくと、正史にはめったに登場しない魅力的な奇人・変人に出会うことが出来る。
国王、国家、法制度等への反逆であったり、その逆に忠誠であったりと、その逸脱した人生は様々だが、彼らに共通しているのは、自分自身の生き方に徹した反骨の精神である。
そして、世間に逆らって自分を貫いた人間たちには、どこかしら時代を超えた普遍性が感じられる。
本書は、その中でも極めつきの、それでいて日本ではほとんど紹介されていない四人の人物、モンテスパン侯爵、ネー元帥、犯罪者詩人ラスネール、死刑執行人・六代目サンソンを取り上げる。
[ 目次 ]
第1章 モンテスパン侯爵(「公式寵姫」制度;戦場に届いた噂 ほか)
第2章 ネー元帥の悲劇(革命が栄光の道を開く;新国王との出会い ほか)
第3章 犯罪者詩人、ラスネール(パリ重罪裁判所法廷;詩人に生まれた少年 ほか)
第4章 六代目サンソン(十五歳のときに家業を知る;父との対話/死刑執行の前夜 ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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ルイ14世に嫁さん寝取られて歯向かったり、死刑上等で名前を売ったりとか、この本に出てくる人って今の時代からすると、大した変人ではない。
裏を返せば変わるのは「常識」だけで、人間は変わらないのかもしれない。
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フランスの正史にはめったに登場しない魅力的な奇人・変人のエピソードを集めた裏歴史の教科書★逸脱した人生は様々。共通しているのは、自分自身の生き方に徹した反骨の精神。自分の志を貫き通した強さが伺えたりするのですよ。
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タイトル買したんだよな、この本って。私が思い浮かべる反骨の人と
言えば、宮武外骨、桐生悠々なのだ。だから、このふたりに似たような
フランス版のミニ評伝なのだろうと思った。
読んだ結果…。本書で取り上げられている4人は、誰も反骨でも変人
でもなかったよ~。シクシク。
強いてあげれば最初に出て来るモンテスパン公爵だろうか。この時代の
貴族にしては異例の恋愛結婚で結ばれた美しい妻を、太陽王・ルイ14世
に寝取られた男。
この時代、人妻が国王の寵姫となることは珍しくない。夫は妻と引き換えに
宮廷や軍での出世を約束されるのだから。
でも、モンテスパン公爵はそれをよしとはしなかった。妻を取り戻そうとして
失敗すると、葬送の馬車を仕立てて領地へ戻り妻の葬儀までしちゃうのだ。
国王とナポレオンの間でふらふらと揺れ動いたネー元帥なんて、ただの
優柔不断だし、犯罪者であり獄中で文才を認められたラスネールに
至っては自分の不運をすべて世の中のせいにしているだけだもの。
最終章で取り上げられている、パリの公式処刑人・サンソンも反骨で括る
には大いに疑問だ。ただ、家業が処刑人という一家に生まれた6代目の
苦悩や死刑制度への懐疑的な思いは興味深かった。
タイトルにこだわらずに読めば、歴史に埋もれた人たちの生き方として
楽しめるかも。
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ラスネールは澁澤龍彦氏の小ロマン派の記述で知っていて、
もうちょっと詳しい事が知りたいなぁと、手に取った本。
いや、これは面白かった!
他にネー元帥やモンテスパン侯爵、六代目サンソンと、
反骨溢れる、信念を曲げられない不器用な生き方の
人物の生涯がわかりやすく綴られている。
この著者の他の著作も読みたくなってしまいました。