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待ちに待った著者の最新作(出版社の戦略か、テレビドラマのヒットに合わせたかのようなタイミングの刊行がちょっと気になるが<笑>)。
相変わらずの池井戸潤節、けっして読者を裏切らない爽やかな読後感は健在。
『2』は、なんとロケットエンジンの部品+人間の命を救う医療機器という、意表を突く開発計画がテーマ。先頃「バックトゥザフィーチャー」の中での空想が、30年後の現在で現実になっていると話題になったが、この作品での心臓の人工弁も実現化するだろうか。
続編は往々にして初回作品を越えられない傾向があるといわれるが、今作はその常識を覆す出来ばえといっていいかも。
佃社長の小気味いいセリフが読者を魅了する。
「今時誠実さとか、ひたむきさなんていったら古い人間って笑われるかもしれないけど、結局のところ、最後の拠り所はそこしかねえんだよ」
「仕事に夢がなくなってしまったら、ただの金儲けです。それじゃあつまらない。違いますか」
このところ世を騒がせている『くいデータ流用・偽装事件』あるいは『東芝事件』などの関係者に、池井戸作品を読むことをお勧めしたいと思いますが。
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前作のように社内と家庭にもトラブルを抱え、四面楚歌状態からの逆転劇という話からすると、今回は、一致団結した社内からなので、敵役も通り一遍で、どうなるのかという予定調和的な先の展開が単純で読めてしまったのが残念ではあるが、話は十分に面白い。敵役の登場人物達があまりにステレオタイプで、その動機とそこに至る背景をもう少し深堀してもらった方が深みが出たかもしれない。
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読み始めて一気読み。ロケットのバルブで一躍有名になった中小企業の佃製作所。今度は心臓弁(バルブ)の作成。
そこにはだかるサヤマ製作所。ことごとく、佃と同じものをぶつけて、NASA品質とうたったが。
最後はやはり正義は勝つということでちょっと話が出来すぎた感じで読み物としては面白かったが敵が自分でボロを出して自滅したようで話としてはあまりにあっけない。
まあ、丸く収まってめでたしめでたしだが、ルーズベルトゲームの様な緊迫感が最後までは無かったので、今回は星3つ。
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有名人の“理想の上司ランキング”というのをメディアでたまに目にするが、小説版があれば、佃社長は間違いなく多くの支持を集めるだろう。
分かりやす過ぎる位、分かりやすい展開、ストーリーなのだが、魅力的な社員達にグイグイと引き込まれていく。
大企業社員と中小企業社員の力関係、振る舞いが、あまりデフォルメされていないように感じてしまうあたりが今の日本社会の大問題だとつくづく思う。
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ロケットエンジンから医療機器開発へ。佃製作所の新たな挑戦を描いた下町ロケットシリーズ第2弾。期待を裏切らない展開と、期待以上のエネルギーをもらいました。流石です。
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ドラマで、ガウディ計画編が始まる前によみきろうかと悩んでましたが、読んじゃいました。途中で止まることができずに・・・笑
やはり、佃さんはいいですね~。こんな経営者いいなと思う。夢がおえる会社っていいですね~。
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ドラマを見ていて続きが気になって、発売翌日に買っちゃいました。
地道に諦めずに正々堂々とする事が、最後に勝つ。ということ。
立花とアキちゃんは誰が演じるのか、今田の演技力はどうか楽しみです。
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宇宙ロケットのバルブから、医療用の人工心臓弁の開発に移った佃製作所の奮闘を著した一冊です。ロケットのバルブと違って、訴訟の恐れもある人工心臓弁の開発を、同業他社とどう闘い、乗り越えていくのかが読みどころです。
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期待を裏切らない内容だった。佃はとても懐ろが深い社長だ。こういう人がいて、あの組織があるのかなあ。上司とは、リーダーとは、という視点でも楽しめた。
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最近、あちこちの書店で平台を占領しているのが、池井戸潤さんの最新作「下町ロケット2 ガウディ計画」という一冊。直木賞受賞作である「下町ロケット」の続編だが、今回も中小企業の底力と信念を持つことの素晴らしさを教えてくれる一冊だった。
《あらすじ》
大田区にある従業員200名ほどの中小企業である佃製作所。小さいながらも最先端のロケット部品を製造しているという、非常に技術力の高い会社だ。国産ロケットのバルブ製造に関しては特許も取得しており、職人気質の社員達が誇り高い仕事をしている。
ある日、大手メーカーの日本クラインから、極めて小さなバルブの試作品製造依頼が舞い込む。今まで付き合いのなかった会社だが、商品化後の量産もほのめかされたことから製作を引き受けることになる。しかし、試作品の製作は難航を極めただけではなく、ついには一方的に他の会社に量産部分を奪われてしまう。
気を取り直してロケットエンジンのバルブ開発に取り組む佃製作所に、今度は以前佃製作所の社員だった真野から新たな依頼が届く。
真野が持参した指輪大の大きさをした部品は、重い心臓病患者にとっては治療のための画期的な心臓弁として効果が期待できるものだった。しかし、そのためには莫大な開発費と数年という開発期間が必要であり、さらには万が一の場合の補償問題など課題は山積していた。
それでも事業の将来性や社会的な意義を考えた佃は、無理を承知で新たな心臓弁の開発にチャレンジする。数々の課題をクリアすべく取り組む佃と会社の技術者たち。しかし、開発が進んでいくうちに目の前に立ちふさがってきたのは、ロケット開発の時と同様に巨大企業の一方的な社内倫理観と、医療現場の理不尽な常識だった。
「佃品質、佃プライド」を掲げる佃製作所は、モノづくりの基本に立ち帰り世の中の理不尽さに真っ向から立ち向かっていく。
池井戸潤さんの直木賞作品である「下町ロケット」を読んだのは、もう何年前だったろうか。一気に読み進めながら、中小企業を取り巻く社会の厳しさや大企業の理不尽さなどに腹を立てつつ、ラストでは目頭が熱くなるのを押さえきれなかったことを思い出す。
その後、「半沢直樹シリーズ」で一世を風靡することになる池井戸さんだが、今回の続編は今までのシリーズと同様かそれ以上にすばらししストーリー展開と内容だった。仕事に対する真摯な姿勢と職人としてのプライド、そして正しいことを正しい方法でやりとげる真摯な姿勢と情熱。働くということの原点を教えてくれる一冊だ。
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『下町ロケット』の続編ですが…、
TBSドラマのための書き下ろしですね。
佃製作所が挑戦する次のフロンティアは、
大宇宙(宇宙)から小宇宙(人体)へ…。
しかし、
スピリットも、基礎技術も変わらない…。
続編としては、とてもよい展開でした…。
お話としては、
特段の意外性はなく、王道でしたね…。
でも…、小手先に奇を衒ってなく、
むしろ、よかったと思います。
とても、面白かったです!
池井戸さんは、
半沢直樹や花咲舞など、ドラマの印象で、
金融小説のイメージも強くなってますが、
真骨頂は、企業小説だな~、と改めて…。
更なる続編にも、ぜひ期待したいですね。
個人的には、核となるパートナーとして、
福井県の機織り屋を選んでくれたことも、
同郷として、とても誇らしかったです!
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下町ロケット2 ~ガウディ計画~
2015/11/5 著:池井戸 潤
著者は1998年「果つる底なき」で第44回江戸川乱歩賞を受賞。2010年「鉄の骨」で第31回吉川英治文学新人賞、2011年「下町ロケット」で第145回直木賞を受賞。
従業員200人程の中小企業である「佃製作所」、前作において同社は中小企業でありながら、高い技術が求められる宇宙産業への参入に成功し大企業へロケットの部品の供給を行っていた。
本作では、社長である佃航平の夢、佃製作所の夢であったロケットという宇宙産業から人体という医療業界へと舞台を移すことになる。
前作同様、色々な困難が現れる中、佃航平、佃製作所の行く末やいかに!?
シリーズものは難しい。そして1がとてつもなく評価された作品であればそれは尚更ハードルは高くなる。しかし、本書についてはそんな高い高い高~いハードルをピョンと序盤で越える程の強さがある。
企業が方向性として大きな選択を行う際に
必ず採算・カネの問題が生じる。
前作はその採算+夢がその方向性を後押しし
本作では、採算+人の命が影響してくる。
失った命という過去だけではなく、救いたいという将来の命
それがうまく絡み合い、彼・彼女の気持ちに火をつけることになる。
大企業であっても中小企業であっても
環境や資金力等の差はあれど
やはり最後は「ヒト」
本作には多くの登場人物が存在するが
どの人も主役級の働きをしており、様々な角度からその
活躍を巧く捉えている。
働くモチベーション、生きるモチベーションについて
お金だけではなく、もっと壮大な何かに気付かせてくれた。
読み始めたら止まらない
明日から頑張ろう・・。
そんな不思議な力を持った一冊。
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2015年11月13日読了。
何のために仕事をするのか、働いている限りついて回る課題であるが、佃製作所の社員から改めて学ぶことができた。
ドラマ放映中のジャストな発刊で、当然、それをねらってのことではあるが、配役を思い浮かべながら、最後まで楽しく興味深く読み終えることができた。
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下町ロケットの続編。
佃製作所がひょんなことから心臓の人工弁の開発に関わることになるが、さまざまな困難がふりかかる。
利権や名声だけを追い求める敵役と、佃社長以下「誰のために」を最優先にものづくりに取り組む佃製作所の面々の姿が感動的だった。
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佃製作所の底力を見せられた。コツコツと誠実に物事に取り組む姿勢は必ず報われる、勧善懲悪のストーリーは読んでいてやっぱり気持ちいい。
ロケットのバルブ製造にまたもやライバルが現れたり、新たな人工弁の開発・ガウディ計画に加わったりと相変わらずの佃製作所。ただ、金儲けのためにではなく、それを待つ人々のため、自分たちの持っている技術力を使う、一つクリアするとまた新たな夢に向かい進んでいくところがいい。社風も佃の人柄に依るものなのか、チームで助け合っていくところが、ライバル会社のサヤマ製作所とは違うところ。サヤマに転職した中里も佃の良さがちゃんと理解できていたら…と思った。