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論語に出てくるの漢字一文字の解釈にまで内容は及んでおり、論語初心者の私には難しい本であった。
論語をよく読んだことがある人向けの本。
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昭和の碩学・安岡正篤先生が、『六中観』ということを語っていました。
六中観とは、 「忙中、閑有り」 「苦中、楽有り」 「死中、活有り」 「壺中、天有り」 「意中、人有り」 「腹中、書有り」 のことをいいます。このうち、「腹中、書有り」とは、自分に哲学・信念を持っておるということです。
私は六中観という言葉を、「論語に学ぶ」という本で知りました。かなり良い本だと思います。オススメです。161頁参照。
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「論語」を読みたくて、そのための準備段階として読んだ一冊。
安岡正篤さんの解釈が書かれている。
孔子の言葉はとても意味深で、
様々な捉え方があるようだ。
文字の一字ごとに意味があるので、
それを理解しようとするのは結構な手間がかかるみたい。
正直、一回の読了でどれだけ理解できたかは甚だ疑問。
それだけ勉強する価値があるってことだけど。
論語を知る足掛かりの一冊としては良かったかな。
また後日読み直したい。
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つくづく論語は読んでも読んでも本当に理解したとは言えない、一生かかって読んでも理解しきれないものだという事が良くわかった。もちろんだから読み続けようと、さらに決意を増した。論語に出てくる人物、例えば周公旦など孔子が理想とした指導者で論語にも何度も出てくるが、そういった人物の背景まで知って論語を読まなければ本当の理解は得られない。これはよく言われていることだが同じ内容の質問でも、孔子は弟子によって違う答え方をしている。弟子の一人一人の性格、人生まで知ってより深く論語の言葉は理解できる。
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孔子という人は周りにこんなにも優れた人達が集まっていて、その人達から師匠とあがめられて、なんて幸せな人だったんだろう。
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『論語』を読む楽しさが味わえる一冊。『論語』の副読本として絶対に外してはならない白眉だ、と個人的に思っている。著者は易学を始めとして中国思想に対する造詣が深かった安岡正篤(やすおかまさひろ)先生であり、その数ある著作の中でも特に存在意義の高い作品である。
現東京大学在学中から高い評価を受けながら、大学に籍を置く職業的学者としてではなく、人間学を追究の徒として研鑽を重ねられた安岡先生が、幅広い見識のもとに書かれた秀逸な作品。これを読んだうえで『論語』に立ち返れば、その本質といえる部分が見えてくるはず。
私のレビューでも、『論語』に関する本は多く取り上げているが、加地伸行先生の言にもあるように、未だ終点の見えていない研究である。当然、訳においても、すべてが納得できる作品には巡り会えていない。
そういった状況の中にあって、この『論語に学ぶ』から得るものは多く、読み返すたびに新鮮な気持ちになれるのだ。
『論語』にはいろんな解釈があっていい・・・といった考えを持つ人も多い。確かに漢文で書かれているから、その訳し方も多様であるし解釈にだってさまざまなニュアンスがある。しかし、その本質に触れずに解釈したものでは意味がない。これは『論語』にかぎったことではなく、すべての古典に通じて言えることだ。
昨今は『論語』や『方丈記』や『徒然草』を始めとする古典作品を題材にして、都合の良いように解釈した人生論やビジネス書が出回っているが、その中身のいい加減さと薄っぺらさにガッカリさせられるものが大半である。
同じ古典を読むのであれば、その本質に触れるところまで楽しみたいものだ。そういった意味で、理解の助けとなってくれる『論語に学ぶ』を推す。誤解を恐れずに付け加えると、ここに書かれていることのすべてが正しいということではない。それでも、間違っている部分も含めて、古典読解の方法というものを味わうことができるのだ。
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会社の第3回読書会の課題図書。
①(P139)人間はなまじっか学問や思索をすると、観念や理論に堕して、実践から遊離するものである。実践から遊離した道などというものはない。だからそれだけに絶えず開発してゆかねばならん。放って置くと、すぐ草ぼうぼうになって、荒れ果てて分からなくなってしまう。
この文章を読んで、かなりどきっとしました。本を読む・スクールでケーススタディを用いてディスカッションする、ということは「観念的・唯理的なもの(思考のみ)」であって、全く実践を伴っていません。従って、「道」とは言えない。今の自分はまさに「観念や理論に堕して、実践から遊離する」状態です・・・。学んだことを実践する場が、まさに今の職場であり、与えられた目の前の業務に活用しなければ意味がないですね・・・。
②(P161)六中観
「忙中、閑有り」「苦中、楽有り」
→忙しい時ほど、そして苦しい時ほど、なぜか充実した生活をおくれています。切羽詰っているため、常に効率良い時間管理を意識しているからでしょう。
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論語は、訳者によって印象が違う。安岡氏の論語は骨太。人間力を感じさせる。
ちなみに評者は、古本屋で「論語50円」で売っていたので衝動買い。白文で全く読めず、側にあった論語の訳書(1500円)をそのまま購入。セット商法にまんまとやられて悔しくなった記憶がある。
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論語の本は何冊か読んだが、本書が最も分かりやすかった記憶がある。
(2021.9.12)
【Amazon紹介文】
日本人の生き方の指針として、長く愛読されてきた不朽の古典『論語』。孔子の言行を比較的平易な言葉でまとめた『論語』は、多くの金言名言の出典ともなり、私たちの生活に息づいてきた。しかし、その思想を咀嚼し、人生のなかできちんと実践することは相当に難しい。
本書は、東洋学の泰斗として知られた著者が、『論語』を自らの生活に活かし、心を高める糧とする方途をわかりやすく説いた講話録。活学としての『論語』の読み方を絶妙なたとえ話とともに詳説した「論語読みの論語知らず」、人間の進歩向上の原理を説き明かす「中庸章句」、『論語』の多彩な群像に人の世の機微を見る「論語の人間像」、日本人に根ざした儒教的伝統を簡明に解説した「日本と儒教」の4篇を収録した。
社会状況がめまぐるしく変転し、多くの人々が人生や仕事に迷いを抱える現代日本。時を越えて読み継がれた味わい深い言葉に触れながら、生き方の知恵を学べる本。文庫オリジナル。
※2002年以降購入
売却済み
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論語を講釈ではなく、生きた学問である「活学」として捉えた書
論語読みの論語知らずとは、人を中傷するための言葉ではなく、自分自身に向けて学問をちゃんと身につけていないことだと指摘をしています。
安岡正篤という方は、儒学古典の人かとおもっていましたが、欧米からも仏教からも引用があり、現代人という印象を受けました。
3部にわかれていて、論語の概要、中庸の概要、論語の人物像になっています。
得てして、知らず知らずの論語の言葉をなんとなく知っているというものが結構でてきます。
気になったのは、以下です。
・人間というものは自分ではわかったような心算でも、なかなか本当の事がわからぬものである。
・利によって行へば怨多し:利を追うばかりでは人の恨みを買う。利の本は義、義がなければ、いくら儲かっても長続きしないのである。
・行いに敏ならんと欲す:頭で考えるだけではだめで、実行に移すこと。敏とは、頭をフルに使うこととある。
・未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん:生とものを知らないのに、死を知ってどうするのか。もっと自分の生そのものに徹せよ。
・巧言令色:口先がうまくて如何にも表面はよいが、中身がない
・人の己を知らざるを患へず、己、人を知らざるを患ふ:人が自分を知ってくれないということはどうでもいい。そもそも、自分が人を知らないことが問題である。
・中庸とは真ん中ということではない。「中」とは相対するものから次第に統一的なものに進歩していく働きのこと、「庸」とは、絶えず更新してゆく。続くという意味。「中庸」とは、すべての人が如何に変わらずに相待って和やかに、調和を保って、進歩向上していくことをあらわしている。
・六中観
忙中、閑有り
苦中、楽有り
死中、活有り
壺中、天有り 壺の中にもう一つの世界、別天地があるとこと
意中、人有り 心の中に人がある
腹中、書有り 腹の中に本をもっている
・君子多能を恥づ 器用貧乏とのこと、あれこれやることなしに、何か一つのことに打ち込んだほうがいい
・誠実、質朴といった内実が、外貌のあや、かざりに勝れば、粗野になり、負ければ、礼にはかなっても、誠実に欠ける。両者がうまく調和してこそうまくいく。
・知;賢人とは似たりよったりだが、愚:馬鹿にはそうそうなれぬもの。知より愚のほうがはるかに難しい。
・君子とは、2つの意味がある。一つは民衆に対して指導的立場にある人、今一つはその立場にふさわしい人格・教養を持った人。この二つをもっていることが君子である。
・あたかも愚物のごとし。孔子の優秀な弟子、顔回も曾子も、一見はいはいと愚者に見えるが実はそうではない。しかし、退いた後の行動をみれば大いに啓発するものがある。見た目で判断をしてはいけない。
目次
「論語に学ぶ」によせて 田中忠治
論語読みの論語知らず
其の一 本当に読みたい人のために
其の二 活学としての論語
中庸章句
一 序論 変わらざる進歩向上の原理
二 本論 人生に活かす中庸
論語の人間像
一 時代背景
二 此の時代の人物の種々相
三 孔子の人と為り
四 救い難き人物
五 この世の難しさ
六 斉の名宰相・晏子
七 子産と寗武子(ねいぶし)
八 周公旦と蘧伯玉(きょはくぎょく)
九 孔門十哲
日本と儒教
日本民族には創造力がないか
ISBN:9784569578132
出版社:PHP研究所
判型:文庫
ページ数:304ページ
定価:619円(本体)
発売日:2002年10月03日