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題名に仕掛けがあった。
最後に気持ちよく拾ってもらえた。
桃子は友だちは絶対に作らないと今日も自分に宣言して、教室に向かう。
だけど、強引に連れて行かれた「うた部」の時間が心地よくて。先輩は友だちとは違うかな。友だちでなければ、許してくれるかな。
部活のみんなが詠んだ短歌がいいなあと。うっかり自分にも作れるのではないか。作ってみたいと思ったり。
ある女の子のブログが章の間に挟まれる。
回を重ねるごとに、ウニのようにトゲトゲになっていった内容が、少しずつトゲはあっても先が丸くなっていくことがわかった。
誰かに気持ちを聞いてもらうことを短歌を通して出来るようになって良かった。
この本は図書館で借りたのだが、誰かの貸し出しレシートが挟まっていた。
本のタイトルを楽しく眺めていたら、7年前に借りた自分の貸し出しレシートだった。多分。懐かしいタイトルばかりが並んでた。ビックリした。
読めずに返却したのを人に勧められたのだけど、思いがけず数年前の自分に会った気分。
なんか短歌がよめそうな気がしないでもない。
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堅苦しくない短歌もありなんだな、と思った。
そして、言葉の背景を知っているだけで、楽しみ方感じ方が広がるんだな、とも思った。
桃子が綾美に泣いて謝るところがすごい。
自分がひどいことをした相手に、真正面から謝るって、よほどの覚悟だろう。
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短歌というテーマと、いじめというテーマ、それぞれ独立して物語が成立するところ、あえてこれらを融合させようという試みが意欲的だと感じました。
個人的には、登場人物の言葉遣いがかなりカジュアルなため緊張感に欠ける点と、物語の展開が急すぎて心情を重ねづらい(もう少し出来事を減らして、心理描写を重点的にした方が、感情移入しやすい)ような印象を受けました。
ただ作中にはたくさん面白い短歌が載っており、短歌に興味を持つきっかけとして、いい一冊だと思います。
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言葉の可能性を信じることができる作品にしたい…と、作者は短歌を一から勉強してこの小説を書いたと知り驚いた。
いじめが原因で引きこもってしまった綾美、親友を裏切ってしまった桃子の気持ちがリアルに伝わってくる。
高校の"うた部"の仲間と短歌を通して繋がっていくうちに、物語は明るい方へ動き出す。
いと先輩や清らの恋バナがストレートにうたとして詠まれたり、短歌大会の題詠が「恋」とは、今どきの高校生らしいなと微笑ましく思えた。
傷つきながら、戸惑いながらもそれぞれが懸命に生きている姿に感動した。
表題の「うたうとは小さないのちひろいあげ」が
連歌の上の句であったことが終盤になって明かされる。
桃子の想いを受け止め、綾美が下の句「宇宙へ返す
ぬくもりをそえ」と詠んだ時、やっと二人の気持ちが通じ合った。
私は1人じゃないと信じて生きる!
作者が伝えたかった想いを、私も読み手の1人としてしっかり受け取りたいと思った。
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思春期の友達関係の微妙なところが、よく描かれていた。短歌を以前作っていたことがあるのでまた、作りたくなった。
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短歌っていいなあと改めて思った。
ブログでも自分の気持ちは記せるけれど、
限られた字数にギュッと凝縮させる。
しかも他人の批評を受けて直すことで、
自分の気持ちに他人が共感してくれるようになる。
高校の授業で、短歌作りをすると、
意外なほどに頑張る。
やっぱり人は誰かに何かを伝えたいんだなと思う。
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「桃子は高校1年生。中学時代に親友だった綾美も同じ高校に入学したが、まもなく不登校になった。それは中学時代に体験した壮絶ないじめが尾を引いているからだったらしい。
一方、人数不足の「うた部」(短歌)に思いがけなく入部することになった桃子は綾美に対して、中学時代に起きたある事件の負い目から、高校で友達は作らないという宣言までしてしまう。
本当にこのままで良いのか悩み続ける桃子に、ある同級生が声をかけてくる。
そしてある日の放課後、うた部で短歌甲子園に出場しようという話が持ち上がって…」
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短歌に最近興味を持ち、短歌を扱っている作品を知り手に取ってみました。
最初の方はブログが痛々しくて読むのがしんどかったのだが登場人物達の背景を知ると気持ち的に寄り添うことができ、最終的には綺麗な着地を見せる作品でした。
先生が出来すぎでもないところがバランス良き笑
2023.12.9
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