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番組で押川さんを知り、読んでみた本
いくつかのケースを読んで精神疾患患者との関わりの難しさが伝わってきました。
さらに法改正について、またスペシャリスト集団設立を通して今後の精神疾患患者の救済までの取組み
行政が行っているとばかり思っていたことは
ほとんど成されておらずグレーゾーンと呼ばれる
本当の意味での救済が必要な患者や家族たちの苦悩が
昨今よく報道されている事件に直結していると実感できる1冊でした。
押川さんの行動が行政を動かし
本当に救済が必要な人たちを救うことで
みんなが安心して暮らせる社会になることを願います
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世の中にはこんなにも不労所得で暮らす家があるのか。
エリート一家に生まれた、絶対働きたくない長男は面白かった。病気のほうが生きやすいこともあるのだ。箒木さんの閉鎖病棟という小説を思い出した。外で生きるのが善、という思想と全く相容れない者。
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事件を起こし続ける子どものケアに疲弊した親への取材ドキュメンタリかと思っていたのだけどちょっと違ってた。
精神障害者移送サービス、という会社と、本気塾という自立更生支援施設を立ち上げた著者による、ノンフィクション。
病識のない患者を説得して病院に連れて行き、その後のケアも行っているという。
追い詰められた親の必死のSOSを、今の日本の医療では救いきれない現実。
なにが、どこに、一番の問題があるのだろうか。
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タイトルも衝撃的だが、救われない内容で辛い。両親が子供への関心が薄いとか、注いでいる愛情が少ないとか、いずれにしても親に原因があるケースが大半のよう。パーフェクトな親にはなれないけど、矛盾とかないようにはしたい。
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精神を病んでいるのに自覚のない子供を抱えた親たち。
しかし、なぜそうなったのか。
そして、これからどうしたら良いのか。
現日本の抱える法整備や施設の受け入れ状態等々の問題点が書かれている。
知らないことも多々あった。
とても難しい問題。
2018.3.4
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ここまでの親子関係になってしまう前に、なんとかならなかったのか。幼児教育に関わる身として、乳幼児の親子関係の重要性を痛感する
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精神障害者移送サービスの会社を運営している著者のノンフィクション。
著者が作中「精神障害を抱える子供の親は、意外と高学歴、高所得者が多い」といった事を書いているが、このサービスを利用しようという人は高所得でないと利用できないからではないのか。(もちろんそれなりの費用がかかるのは百も承知だが)
こういう仕事があるよー、こんなひどい状況の人が世の中にはたくさんいますよー、と。それ以上でもそれ以下でもない。無駄に不安を煽るだけのような内容でした。まさに救いを求めている人が読むべきではない。高所得者は例外なのかな。……わからん。
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私は、著者がこんなにも「精神病院に入れなければ!」「もっと長く入れなければ!」となっているのは、精神病院を素朴に万能視しているからなのかと思ってた。
でも、精神病院でこういう人たちを治療することに限界があることや諸外国と比べても日本の精神病院に問題があることもちゃんと知っていて、それでも精神病院に望んでいるというのが意外だった。
著者は、家族側に立てば、この社会の中でこんな風になっている人たちを収容するのは精神病院でしょう(少なくとも現状では。)という結論なのかな。
あと、著者は、精神障害者についての偏見や差別の助長の問題についても少し書いてるけど、著者こそ、ツイッターでの精神障害者の事件のピックアップの仕方とか自身が関わっている漫画の内容とか、この問題のその部分をそういう風に見せるの世間に向けて良い効果になると思うんですか?とか思ったりもするけど。
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タイトルの通り。
ほぼ救いが無く、これでもか、と現在の制度と周りの目線を淡々と説明してくる。読んでいると若干気落ちしてくる位。
「救いは無いのかよ!」と言いたくなるが、救いが無いような状況だから「子供を殺してください」と親が言う訳で……。
自分が事実に直面した時に「もしかしたら明日はもっといい日かも」と解決を先延ばしにするより、直視したほうがいいと考えさせられる一冊。
心にゆとりがあるときにぜひ。
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タイトルを見ると、あれ?児童虐待の本かな?と思いますが、逆です。各種パーソナリティー障害や育つ環境によって、自己愛が肥大しすぎて、家族に暴力暴言を吐き、支配下に置いてしまうような「大人になった」幼児たちのドキュメンタリーとその解決策について言及しています。
自分の社会性のなさ、実力のなさ、人間関係での躓きを親のせいにして、親に金銭的な意味で際限なくたかり、殺すか・殺されるかという状態になっている家族があるそうです。そういった家族から、精神科への移送を請け負っているのが、この著者。当然ながら、毎回修羅場。詳細書きませんが、凄まじいです。精神科に入院させても、長くて3か月程度で退院してくるので、その間に人格がまともになり、経済的にも社会的にも自立が可能になる…わけもなく、再度家族には重い負担、というか命の危険が差し迫ります。
このような大人の家庭内暴力はいまだスポットライトが当たってない現実。児童虐待やDVは社会的認知も進んできており、シェルターなども出来ているようなので、今後はこのような家庭内暴力についても、医療・司法・そして社会的なセーフガードが必要になると思います。
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もともと警備会社を経営していたという著者。
従業員の精神疾患から、精神障害者を医療に繋げるという移送サービスを始めたのだそうだ。
前半が著者が実際に対応した実例が紹介され、後半を5章ほどに分けてケーススタディを交えながら、精神障害者とその家庭における実態、苦難、また社会が抱える問題点などを考察していく。
著者も言うように、ご家族がこの問題に真摯に向き合う覚悟ができていているならば、なんとか事態を前にすすめることはできる。ただ、本人の抱える問題を、家族の在り方がより悪いほうへと増幅させているケースも少なからずあるようで、このあたりが精神障害というものの置かれている状況の困難さであるとも言えるだろう。社会の制度しかり。世の中の意識しかり。
単なる無責任な一読者の立場から言わせてもらえば、著者がかかわったケースのその後がどのように変化したか、現在はどうしているのか、などが知りたかったとは思うが、大人の事情もあって難しいのでしょうね。
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民間の精神障害者移送サービス業を営む著者による本
扱った事例の描写は詳細で生々しい。薬物中毒や人格障害を嫌がる精神医療の現場や長期入院を前提とした入院加療が受けられなくなっている現状などについても概ね正確。
内容的には養育を含めた親の態度に対する批判が多く、やや公平を欠くように思う
この手のサービスと言えば患者を病院に搬送するだけで数十万円と単位の高額を要求されるとイメージがあったが著者の会社は500万円なんだそうだ。他に方法はないかを考えたり、人権を守りながら後後のフォローまでするとなるとそれぐらいの金額を要するのだろうか
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新聞の書評がきっかけで購入した。
この本に登場する精神疾患の子供を抱える家には傾向がある。資産家で裕福か、父親がエリートかのいずれかである。
亡くなった父親が資産家で、母親は働く必要がなかったという家庭で育った子は引きこもりになった。また、父親がエリートで自分の価値観を押し付けるような家庭では、自己肯定感を持てない子が育った。
恵まれた環境は人をダメにするのか。
TSUTAYA社長の増田氏は恵まれない環境に育った。食うに困るというわけではなかったが、一族の中では、肩身の狭い思いをした。また、事故が原因でいじめられた。この経験から培われたハングリー精神が増田氏の根底にあることは間違いない。
しかし、子供は機械ではない。こう育てればこう育つという絶対法則がある訳ではない。
子供が持って生まれた個性と、育った環境の2つが重なって、子供の人格形成が成される。
したがって、親の価値観や教育が子供に与える影響は半分であるが、子供の問題の後ろには、必ずと言っていいほど、親の問題がある。
2014年4月から、改正精神保健福祉法が施行された。この改正は、「保護者から地域へ」という思想が元になっている。
さらに、医療保護入院制度の見直しにより、長くても3ヶ月の入院になった。
その結果、治療が必要な患者が退院し、地域で面倒を見ることが求められる。
重度の精神疾患を抱えた隣人が事件を起こす可能性がある。
現に2015年3月に、精神疾患を抱えた人間が5人を殺す事件が起きてしまった。ペルー人が起こした事件もあった。
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これはもう、なんちゅうか、重すぎて・・・いったいどうしたものやら?という感じ。
家庭環境で病が発症したり、重症化したり、ということもあって悲惨極まる。
また、家族の努力によって、普通の暮らしに戻れる人もいる。かと思うと、親が放棄して、兄弟姉妹に負担がのしかかる場合もある。
病院も人道的な対応をしてくれなかったり、関わっていないと知ることなく過ごしてしまうだろうことが、これでもかというように書かれていて、いっそう暗い気分になる。
著者のやっていることは、ホントにすごいことなのだなぁと思いを馳せる。
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日本人らしい奥ゆかしさがなくなってきたと感じる昨今である。些細なことで激昂し、訴えてやると声高に脅して拳を振り上げる… 家庭環境によるところも多いのではと感じることがある。本書で扱われるのは単なるクレーマーではなく精神疾患から問題を引き起こす人々だが、根底に繋がりがあるように思う。家族は随分犠牲になっているが、その家族の有り様が、益々彼らを追い詰めていることも多いようだ。「医療機関と司法の間」このどっちつかずの状態が更に問題を悪化させている。ストレス社会の今後の精神医療体系を、今こそ見直すべきなのだろう。