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胃が痛くなってやられた。役割というか、個性?、やっぱり役割か、役割に閉じ込められてんのな。あなた妻ね、主婦ね、飼い主ね、誰々ね、って感じで窮屈に閉じ込められててそれで共食いになっていなくなるか、そんなんから解放されてけるかって話。こわい。
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夫と二人で暮らす主人公は、二人の顔がだんだん似てきていることに気付くのだが……。
何気ない二人の結婚生活の描写は、自分の生活と重なる部分もあり、身近に感じながら読めました。
夫の脱力系の生活には、自分も少し親近感を感じてしまったので、きっと夫の顔に自分も似てしまうのではと思わされてしまいました。
題名に「譚」がついている意味が結末でわかりましたが、いい意味で期待を裏切られました。
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夫婦が顔が似てきてしまい、自分の顔がどんなだったか、夫の顔が歪んできてどの位置に鼻や目があったかわからなくなる話。
一見、世にも奇妙な話のようだが、たしかにそうかもしれん。
自分は経験がない及び感じた事がないので、友人カップルの事を思い起こすと、付き合っている相手にどんどんと嗜好や趣味が似てきて、毎回、彼が変わると驚く。派手好きな彼のときはカラフルな装い、モノトーンな彼の時は白黒の装い、また、心持ちや好きな歌まで変わる。侵食されている。彼側を知らないので、彼も侵食されてるのかもしれない。
この小説もお互いを食べあい「蛇ボール」という
言葉に置き換え「侵食」を表現している。
一見、SF小説のようで、これは、よくある話を題材にしていて、とてもユニーク。
最後は、アッサリしてるけど、それがいい。綺麗だから。
去年の芥川賞、「火花」より、好きだ。
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文藝春秋にて表題作のみ読了。
異類婚と言ってもつうのような哀しみもなく変化と言ってもザムザのような苦悩もない、ただあっけらかーんと流れていくホームドラマ然とした物語。
そしてモチーフとしてはまるでらしくないのだがそこはさすがの本谷ちゃん、ただの夫婦善哉では終わらせていないところが素晴らしい。
例えばそれは蛇ボールであったり偏執狂と化した夫が繰り出す揚げ物のマシンガンであったりでその夫婦という奇妙な番いのメタファーに嫌な汗をかいた方々も多いのではないか。
個人的に言えば「自分を好きになる方法」あたりのストレートさで芥川賞に風穴を開けて欲しかったがこれもまた面白いので良しとしておこう
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ぞわぞわする描写は相変わらず素晴らしいです。救いも情もないような変貌やら結末やらに呑まれるわけですが、テンポや設定は前の作品のほうが好きかもなぁ。
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芥川賞の本とかほとんど読んだことがなかったけど、これはちょっとしたプチ会談みたいで面白いよと勧められ読んだ。
うむ。
これは確かにプチ会談だ。
どっぷりホラーな感じではなく、日本昔話的雰囲気を持ちつつ日常の不思議話を語られる感じがいい。
特に最初の短編の異類婚姻譚。
人と人でないものが結婚すると言う意味を異類婚姻譚と言うのを初めて知ったけど、
読み進めていくうちにあれ?
これ人間??
みたいな。でもまーいっかーとなんとなく流れるほんわかテイストが良い。
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読了
夫婦とは不思議なものである。日々淡々と時間は流れる。ドラマチックなことが起こるわけでもない。蛇ボールの様なこともあるかもしれない。ふと自分たち夫婦のことを考えた。
夫は果たして何を考えているだろうか…
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う~ん ホラーファンタジーとでも言うのか、
日常悪夢とでもいうのか
独特の世界観が 煙のようにまとわりついて、読み手をからめとっていく 柔らかい不思議な文章力を感じました。
私はアライさん・キタエさんの夫婦が好きだなぁ。
でも そう思っていたら 「藁の夫」でう~ん 幸せに胡坐かいていると、(旦那の中からなんかでてくるぞ~)と変な怖さを感じてしまった。
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芥川賞受賞会見での本谷有希子さんが美人…という不埒な理由で手に取ったこの本(笑)
夫婦生活における人間の心理、闇にスポットを当てるような作品集。
読みながら、背筋がゾッとするような瞬間がたくさんあった(笑)
「夫婦のあり方」について再考する良い機会にはなったように思う。
個人的には「異類婚姻譚」、「藁の夫」が印象に残った。
〈異類婚姻譚〉
結婚した相手の感覚・考え方が自分の中に入ってきて、お互いが似てくる。
しかも自分ではそれに気が付かず、もとからそうであったかのように錯覚してしまう。
気が付けば、自らの個性が失われている。
普通にありそうで、それ故にとても怖い話。
主人公は「無責任な夫」を変えようと努力するのだが、最終的には引っ張られる形で堕落してしまう。
それと対比する形で登場する、キタエさん夫婦。
確固とした自己を確立しているキタエさんの夫が、とてもカッコ良い。
夫婦それぞれがしっかりとアンデンティーを確立している形が理想だと漠然と考えた。
じゃあ、自分はどうなんだろう?とも考えてみる…
〈藁の夫〉
本音を隠し表面を取り繕おうとするも、その感情が結局出てしまっている夫。
そしてその感情に気付かないフリをしながら、自らを「幸せ」と思い込むように努力する主人公。
やり場のない怒りから「藁を燃やすシーン」を思い浮かべることもある。
怖い話だと思いながら、一方で自分にも思い浮かぶ要素が全く無いわけではなく…何となく他人事とは思えない話だった。
同じような思いを、自分の奥さんにはさせてはいけないとも感じた。
もっと素直に感情を伝えられる夫婦に…と自分も願っているのかもしれない。
<印象に残った言葉>
・ 二匹の蛇がね、相手のしっぽをお互い、共食いしていくんです。どんどんどんどん、同じだけ食べていって、最後、頭と頭だけのボールみたいになって、そのあと、どっちも食べられてきれいにいなくなるんです。なんか結婚って、私の中でああいうイメージかもしれない。(ハコネ P51)
・俺もサンちゃんも大事なことに向き合いたくなんかないの。だから俺、サンちゃんといると楽なんだから。(旦那 P101)
・まあ、世の中には似たような夫婦がゴマンといるしね。そうだね。それもいいかもね。(アライ主人 P104)
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これまでの本谷作品からは一転して静かな私小説風の一風変わった作品。何気ない夫婦の日常の現実と非現実が交錯しつつ除々に非現実に侵食されていく様が描かれる村上春樹的な世界。次回はどういう方向に行くのか楽しみ。
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物語の最後までは了解しやすい世界。最後の部分で読者の感性が求められるのかな。
作家がどういうモチベーションで作品を作るのか,作品を通して何を表現したいのか。明確なものがあるかもしれないし,ないかもしれないな。
表題作他,3編。
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なぜ芥川賞に選ばれたのか疑問。自分が読んだ本谷有希子作品のなかではダントツに最下位。ぬるい毒の足元にも及ばないと思う。なんでこの作品?審査員の人に問うてみたい。
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本谷有希子さんの作品は恐らくほぼすべて読んでいるけど、これはなんだか新しいジャンルのような気がします。
成熟しすぎた自我のうにうに系の話ではない。でもやっぱり本谷有希子さんらしさは残っていて、依存、その中での共存とかはテーマだったりする。
夫婦。人間が親でも家族でもない他人と家族になる時。自分の中で壊れていくものと、産まれていくものがある。それを拒もうとすると多大なエネルギーが必要だったりして、楽じゃない。かといって、どこまでも拒まずに受け入れ続けていくと、知らない自分に行きついてしまいそうで怖い。
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本谷さん、芥川賞受賞おめでとうございます!
読みやすく、面白かった。
異類婚姻譚??なにそれ?本谷造語?と思いきや、かえるの王さまとかそういうハナシのことを言うんですね。
結婚前のため、いいタイミングで読んだんじゃないかと。このハナシはやっぱり異類婚姻譚なんだけど、このハナシを薄めた状況はわたしたちの周りでゴロゴロと転がってる。
前撮りでヘアメイクさんにお二人似てらっしゃいます〜と言われたのを思い出してちょっとコワい。
結婚によって、わたしと彼がお互いを食い合う、蛇ボールでさいごには元のわたしも彼いなくなってしまう。
うーん、考えさせられました。
他の短編の中では犬たちが一番不思議面白かった。
犬たちに名前をつけるトコロ、
『お持ち帰り』キャンキャン!!キャン!
とても愉快でした。
トモ子関係はちょっとくどい感じもしました。
装丁の可愛さ二重丸!!!!
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「異類婚姻譚」夫妻の顔がだんだん似ていく。これが文字通りとなると少しホラー染みた怖さを感じる。サンちゃんと旦那のやりとりが何とも不思議、そして夫の無気力さに溢れている様子は何を象徴しているのだろうか。また、顔が似てくるということの意味が何なのか?理解しづらかったが、何かあり得そうな説得性がある、どこか考えさせる気になる作品だ。
「藁の夫」は平安に満ちた新婚の2人だったが、極めて短時間の状況変化を通して人間の本性の怖さが的確に表現されている。