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インターネット業界の定点観測的書籍。
トラヒック分析だけではなく、DNSやTLDなどのインターネットポリシーの話、映像・音楽・書籍などのコンテンツ、ゲーム、など幅広くカバーされている。
電子書籍は米国で20~30%であるのに対して、日本ではまだ10%らしい。一方、米国でも20~30%で停滞しているらしいので、リアルから電子への移行はメディアやプロダクトによっていろいろと差があるのかもしれない。
また、映像ビジネスについては米国の状況にも言及されている。
広告ビジネスについてもDSPやRTBも伸び悩んでいる。IoTやディープラーニングなど次の流れは来ているが、コンテンツに関してはひとつの踊場となっているような感じもある。
また、グローバル市場においては、トラヒックの伸びはあるものの市場の成熟化を見てか、M&Aが盛んだ。特に移動体事業者と固定系事業者のM&Aが目立つのが最近の特徴だ。米国でAT&TがDirecTVを買い、欧州もVodafoneが激しい動きを見せているが、この点ではまだ大きな動きがあるような気がするので、注目をしておきたい。
トラヒックは固定も移動体も映像ストリーミングがけん引し、モバイルトラヒックは2013年から2018年で11倍に(CAGR63%)になると見込まれている。固定の方も9倍近くになるということだ。他の2018年の予測として、モバイルデータの67.5%を映像ストリーミングが占めるようになるや、固定網のオフロード率が58%と想定されるなどといった数字は押えていた方がいいかもしれない。
スマートTVの章にて、Smart TV Boxのことが取り上げられていないのは少し残念。
HisenseやHairがAndroid TVに食指を動かしているという記述があるが、この真偽のほどは置いておいて、Samsung(Tizen)、LG(WebOS)、SONY(Android)、Panasonic(Firefox)と別れたスマートTV OSについては中国ベンダがどう動くのかが鍵になってくるのかもしれないな。
つい先日フレッツADSLの新規加入申し込みが終了したというニュースが流れた。移り変わりというのは激しいものだ。ということで、毎年押えておくべき内容。