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マネーボールの進化版。
年々技術の進化により蓄積されるデータが膨大になりお宝が潜んではいるが必ずしもそれが生かされているとは言えない。
折角分析してもそういった物を取り入れるのを嫌がるコーチや選手は多い。
それをピッツバーグ・パイレーツはよりよい人間関係を作ることでコーチや選手に浸透させたし、彼らからの提案を分析チームが取り入れたりと相互コミュニケーションがうまくいき、結果20年連続負け越したチームがポストシーズンへ行くまでになった。
勿論、分析の柱となった守備位置、ゴロを多くさせるツーシームの割合増加、キャッチャーのフレーミングという切り口も面白かったしそれを見つけるのもまた人間なんだよね。
サクセスストーリーなので野球好き以外の人でも楽しめると思う。
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マネーボールが好きな人は絶対読むべし。こちらの方がよりキワモノとして戦わざるをえなくなっており、面白い。日本ではなぜ(以下、いつも通りの愚痴)
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20年連続負け越しかつ金欠球団というとんでもないハンデを抱えたパイレーツが強豪球団に生まれ変わる物語。内容的には、10年前にヒットした「マネー・ボール」に近い。しかし、ここ数年のメジャーリーグにおけるデータ解析分野はブレイクスルーを迎えたようで、対象となるデータ量も分析の精度も昔とは比べ物にならないほど向上しているそうだ。それまで重視されてこなかった傾向を発見した野球データマニアや、高い数学的素養を持った人間がひっぱりだこになっているようだ。金欠球団のパイレーツが勝つ方法として、データ分析に注力したGMは有能だったと言うほかない。
さらに、本書の中に登場するパイレーツの分析担当ダンを通して、プレゼン力の大切さも感じた。貴重なデータがありながらそれが現場で活かされない原因としては、現場で実際に動くメンバーや監督ら意思決定者にその有用性や効果を分かりやすく伝えられないことがある。現場の人間に、従来と比べて何が良くなるのか、長年の慣習を変えるだけの価値があるのか、それを巧みに伝えられる人間が必要不可欠なのだ。そうした人間に恵まれたことがパイレーツにとって幸運だったと言えるだろう。
データを野球に活かす発想は昔からあったし、そうするべきだと主張する人達もいた。しかし結局実現しなかったのは、先進的なリーダーと、リーダーの考えを現場に浸透させられる人間がいなかったからだ。
同様のケースとして、企業の変革の遅れ、IT化の遅れなどがある。停滞していても、中々従来の仕事のやり方、スタイルを変えられない企業がある。昨今ビッグ・データブームと言われているが、せっかくのデータを行動に活かせていない企業もある。
ビッグデータや統計分析と聞くと、専門的でなんとも難しそうだ。第一にその重要性を理解できるリーダーが少ないこと、次いでそのデータの重要性を巧みに表現し周知させられる人材の不足。貴重なビッグ・データが活かされない原因はこの点にあると本書を通じて感じた。
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めちゃくちゃ面白い。メジャーリーグが全てだとは思わないけれど、日本の野球が見習うべき点は山ほどある。
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名著、原著が英語のインタビュー記事であんま読みやすくはないですが、野球×統計に愛のある人なら楽しめること請負です。本書をもとにマネーボール2を作ってほしい。
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パイレーツという20年連続負け越し球団が、セイバーメトリクス(野球における統計的手法)を取り入れて劇的に強くなった話。
具体的には、『マネーボール』が主に攻撃面でのセイバーメトリクスだったのに対し、これはさらに進化して守備・投球面でのセイバーメトリクスという感じ。
・投球ごとに守備シフトを変える。
・ピッチフレーミング(捕手が際どいコースをストライクにするための捕球技)の優れた捕手を起用する。
・守備シフトを生かすためにツーシーム・ファストボールなどのゴロ系を打たせる球を投手に多投させる。
『マネーボール』ほどわかりやすくないものの、逆に言えばそれだけセイバーメトリクスが進化してるということの証左かと。
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二十年間連続で負け越しが続いたピッツバーグ・パイレーツ。この本の舞台となった2013年のパイレーツは,
レギュラーシーズンの連続負け越し記録を止め、ポストシーズンへの進出を果たす。本の中に書かれたそのときの地元の盛り上がりは、1985年に阪神タイガースが21年ぶりにリーグ優勝し、初の日本一に輝いたときの大阪の乗りにも近いのかもしれない(いや、負けている気はしないが)。
そんなパイレーツ躍進の裏側にあった秘密をピッツバーグ・トリビューン・レビュー紙の番記者が追ったのが本書である。そこにあった秘密とは、データを元にしたデータを活用した極端な守備シフト・ストライクを取りやすい捕球をするキャッチャー・ゴロを打たせやすいツーシームの多用、といった金がかからないが他球団が気が付いていない有効な手法による現代式データ野球の徹底であった。他球団が気付いていないデータをチーム作りに活用して資金の少なさを克服した事例としては『マネー・ボール』に描かれたオークランド・アスレチックが有名だが、その2000年代初めの頃とは、得られるデータの質と量が桁違いになっている。技術の発展により、さらなる軍拡競争が進んでいたことがよくわかる。
一方、データが重視される中でも、解析結果を選手や監督に受け入れてもらうための視覚化ツールの工夫や、チームのまとめ役となる人物、ここではキャッチャーのマーティン、の存在の重要さにも言及している。このあたりの描き方は人への取材をベースとする記者らしい人情味があふれていい味が出ている。
データが大量に入手できるようになり、その重要性が広く認識されるにしたがい、他球団を出し抜くことは当然ながらどんどんと難しくなっている。パイレーツが多用した守備シフトも、カウント別やランナーの有無によって調整されるように進化しているらしい。もしかしたら、多くのデータ解析結果はいまや統計的に有意な差異はわずかかもしれない。それでもデータの中には宝が眠っているかもしれず、分析官は常にそれを探しているのである。「データサイエンティストが最もセクシーな職業」だと言われたことがあるが、少しだけそういうこともあるのかもなと感じることができる。野球好きにはぜひ読んでほしい本。
二十年連続の負け越しを止めてポストシーズンに進んだ2013年以降、2015年まで3年連続でポストシーズに進出中。この本を読んだ2016年夏、114試合を終えた時点でナショナルリーグ中地区3位だが勝ちが先行していて今年もワイルドカードの可能性はまだまだ十分。カブスが強い中地区だけれど、応援したくなった。
数年前からアピールによってビデオ審議がなされ、審判の判定が覆ることも多くなってきた。アウト・セーフやストライク・ボールの判定は機械がやるようになる日も近いのではと思う。ホームゲームが有利なのはデータによると球審の判定が観客に押されて影響を受けているからであるらしい。言ってみれば、それは不公平である。アメリカ人の思考回路からはそれは是正すべきことであると判断されるような気がする。案外、十年も経たないうちに意外と抵抗なく機械の目の審判が受け入れられる日が来るような気がする。
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二十年負け越しというアメリカ4大スポーツワースト記録を更新中のピッツバーグパイレーツが背水の陣をひいいて(オーナーは金を出さないが)、データに取り組み、ピッチフレーミング、投球法、守備シフトを組み合わせ最も予算の少ないチームながら、ついにポストシーズンに行く話。データは、Pitchfxなど新しいデータをもとに、今までにない観点から割安な選手を探し出す。投手、打者、カウントなどの組み合わせでどの方向に打球が行きやすいかを考えシフトを引く、またゴロを打たせて守備シフトをより生かすためツーシームファスとボールの比率を上げ、それをうまく投げられる投手を持ってくる。
また重要なのは、実際にやる選手、監督、コーチにそのデータの有用性を納得させやらせることであり、このために分析官を同行させ、ビジュアルの資料を作らせ、マイナーで実験し、初期に結果を出すことで説得力を出している。
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万年弱小球団のパイレーツがビッグデータの活用を機に躍進を遂げるサクセスストーリー。
具体的には打球方向データに基づいた大胆な内野守備シフト導入、詳細な全球投球データに基づいたピッチングフレーミングという捕球能力指標の発見など。
ビッグデータの時代と言われて久しいが、データはあくまでもそれ自体には価値がなく、ストーリーを語れる状態にまで分析、解釈し、それを分かりやすく伝えられて初めて価値が生まれる。
本書で語られている実例はまさにこのあるべきプロセスを踏まれている。
それまで誰も価値を見いださなかった指標を発見し、それを実際にフィールドで闘う監督や選手に伝えることができたパイレーツ。
日本の野球界はもちろんのこと、まだまだ言葉だけのビッグデータになっている日本のビジネスシーンでも参考にすべき名著。
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ゴロになった打球がヒットになるかどうかは投手には責任がない、だから守備シフトと守備力が重要。捕手のミットワークでストライクになる率が違い年間勝ち星で二桁の差が出ているなど、マネーゲームからなお進化し続けるデータ野球の進化。
そして脳味噌まで筋肉の野球選手にデータ分析結果を理解してもらうための、データ分析担当者のコミュニケーション能力の重要性。
データ分析の入門書として最適。
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「マネーボールの進化形」と言っても良いぐらい「マネーボール」的な作品。ただ大きく違うのは「マネーボール」が「新しい人達が古い人達をバッサリと切っている」のに対し、今回は「古い代表」である監督「クリント・ハードル」をメインキャラの1人にしている。単に「最新の統計とソフトを使って1位になった」という事よりも「様々なスキルを持ったチームをいかに運営するか?」という本になっていると思う。
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革新的な技術や考え方を立場の異なる人に理解させ実践させる。自分の現状にあてはめると相当難しいことを成し遂げていたことに感銘を受ける。池井戸作品のようにMLB制覇とならないところが、現実的で良い。
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20年連続負け越しのパイレーツにデータ野球が導入された。当初は極端な守備シフトに抵抗があったが、徐々に浸透し本領を発揮し始める。革新的な戦略は受け入れ難いだろうが、日本野球にも是非積極的に活用して欲しい(既に導入されていたり、、)映画『マネーボール』も関連した内容なのでおすすめ。
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とても面白いノンフィクション作品だった。
扱っている題材は野球。日本のプロ野球や高校野球ではなく、アメリカのメジャーリーグ。プロのスポーツチームとしてはアメリカ史上最も長い20年間の負け越しを続けていた、ピッツバーグ・パイレーツの2013年のシーズンを中心とした物語だ。
この年、パイレーツは21年ぶりの勝ち越しを決めただけではなく、ペナントレースで上位につけ、ポストシーズンの戦いに進出することが出来た。パイレーツは、予算規模の小さな球団であり、フリーエージェントでのお金のかかる補強は難しい。2013年シーズンのパイレーツの躍進は、したがって、大物選手の補強によるものではない。それは書名にもなっている、ビッグデータの活用によるもの、最近のバズワードで言えば、DXによるものであった。
選手の補強に大きなお金を使えないパイレーツは、専任のデータ分析官を雇い、ビッグデータを用いて、勝つための戦略を練り上げる。それは、守備を重視した戦略であり、守備シフト、ピッチフレーミング、ゴロを打たせるためのツーシーム・ファーストボールの多用という3つの戦術だ(それぞれについては、ここでは詳しくは説明しない)。そして、それらの戦術を実行できるような特徴を持っているが、移籍市場で大きな価値を認められていない選手を獲得すること、の4つで構成されていた。最後のひとつはスカウティングに関することであり、最初の3つの戦術を実行するための手段でもある。2013年のシーズン、これがうまく当たったのだ。
2013年のシーズンの話なので、今から8年も前の話である。その時点で、上記に書いた3つの戦術によって、失点を何点少なく出来る可能性があるか、そして、何勝上積みできる可能性があるかをデータ化し、戦術に落とし込むことが出来ていることに驚いた。このようなこと、すなわち、パイレーツがDXにより成績を大きく改善したことは、周知の事実となっているわけであり、今では、MLBの各チームはデータ分析に、もっと力を注いでいるはずであり、その結果として、もっと進化しているのだろう。翻って、日本のプロ野球はどうなっているのかを知りたいなと思った。
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野球のデータ、面白いですね。
でも、本の中でも繰り返し書かれているように、
実際は人間がやるもの。
そこをどう落とし込むか?
その物語、という感じでした。
私は「打順」なんですよね…、気になるのは。
守備位置なんかより、
もっと簡単に数字で決められると思うのですが。
いつまで、
「1番は足が速い」「4番はチームの顔」とか、
昭和かよ。ワケワカメやな、と思います!