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ウィルスは自己増殖しないので生命ではない、と言われているが、生命とは何かを改めてよく考えると、実はウィルスも生命ではないのか、と問いかける本。
蛾の幼虫に卵を産んで寄生する蜂(カリヤコマユバチ)の、寄生幼虫が寄主を巧に操るようすは、実はウィルスが関係しているとは、なんということか!
生命進化は伽藍(整理され主導された環境)かバザール(種々雑多なものが入り交じっている環境)かなんていうのも、興味深い内容であった。
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2019年6月13日 74冊目(6-4)
この度食あたりになったのをきっかけに。
原因となるウイルスや菌を特定することなく、対症療法となったが。
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帯に「成毛眞氏絶賛!」とある。見事に騙された。15ページに「その」が6ヶ、「それ」が4ヶ、「この」が1ヶ出てくる。15行に代名詞がてんこ盛りで講談社の編集者は無能と評価せざるを得ない。
https://sessendo.blogspot.com/2020/01/blog-post_45.html
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コロナウイルスの猛威に怯える今だからこそ、
あえて「ウイルスってそもそも何だっけ?」に
立ち戻ってみた。
ウイルスと共存し、ともに進化する動物など
生命とは?個とは?自明性を掘り崩される。
ベイエリンクや、バーバラ・マクリントックなど
優れた生物学者に共通する
どんなにとんでもない実験結果も常識で判断しない
姿勢なども示唆に富む。
また読みたい。
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新型コロナウィルスの感染騒ぎにつられて本書を読んだ。
肝心なウィルスの説明はなかなか難解だが、ウィルスとは何か、細菌との違いは何かが分かった気がする。特に私には序章と終章が大変味わい深かった。「ヒトとしての生」と「人としての生」なるほど。
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ウイルスとは何か、今まさに世の中を惨禍に巻き込んでいる新型コロナとは何か、なぜ生まれたのか、何者なのか、、よくわかる。
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昨今の状況から、ウィルスは人類にとって単なる敵と見てしまっていた。ところがそれはウィルスの1つの側面であり、胎盤の進化等人への恩恵もある事がわかった。また、最新の研究から生物と見做せるとの考えやその不思議な振舞いは興味深く思った。簡潔な良書。
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【「ウイルスは生きている」・・・と僕は思う】(文中より引用)
身近な存在でありながら一口では捉えがたい性質を持つウイルス。最新の研究を丁寧に紹介しながら、ウイルスとは、そして「生命」の定義とは何かについて思考を巡らせた作品。著者は、細胞構造機能学を専門とする中屋敷均。
知っているようで知らないウイルスに関する知識を得つつ、つくづく自然界って摩訶不思議だなと痛感させられる一冊。特に代謝に関する著者の俯瞰的な指摘には思わず唸らざるを得ませんでした。薄いですが一気読み間違いなしの作品です。
こういうご時世なので手にとってみましたが☆5つ
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面白かった。宇宙の始まりとは?と同じくらい、生物の始まりとは?って謎に満ちてるし生物と無生物の明確な区分ってあるの?って思った。生物種ヒトとしての私の体は単なる遺伝子の入れ物。でも人格を持つ人でもある。
胎児を攻撃しないように守る胎盤の働きを発現させるのが、過去に感染したウイルスの遺伝子によるもので、このウイルスがなければ、哺乳類は生まれなかった。
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面白い!
新型コロナウイルスがこうも人間を翻弄しているのはウイルス自身に何等かの意志があるのでは、という疑問から本書にたどり着いた。
ウイルスは生きているのか 生物か物質か
専門的な解説ではあるものの、分かりやすく、論点が整理されている。
少なからず、ウイルスは生きていると思った。
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専門的でありながら具体例が非常に分かりやすくて良い本。
自分が大学生の頃に読みたかった。
生物系の大学生、院生にぜひ読んで欲しい。
加えて話題のコロナウイルスについても
敵を知らず騒ぐのではなくまずは知ることも大切。
本書を読んで最も衝撃を受けたこと。
ウイルスは敵じゃないということ。
むしろ生物、そしてヒトの進化にも大きな影響を及ぼしている。
以下の具体例が特に素晴らしいと思った。
細胞は部屋、細胞膜が壁、タンパク質を作るリボソームは3Dプリンター、そして住人はDNA。
なんともわかりやすい。
守られた快適な部屋に住んで好きなもの作り放題の3Dプリンターを持ったDNAに対してウイルスはレインコートだけをまとった家なき子。
自己複製ができないから寄生して生きていくしかない。宿主を殺したら自分も死ぬ。
今回のコロナウイルスのように危険なウイルスというのは宿主との関係性がわからずに大暴れしている状態。
感染しても無症状の人がたくさんいるのはむしろウイルスとして正しい状態ということ。
むしろヘルペスウイルスなんかは人を守る働きまでしている。
また、インフルやコロナは手洗いの効果がある理由はエンベロープに包まれているからというのも初めて知った。脂質膜だから石鹸で溶ける。
つまり石鹸で洗わないと水でいくら洗っても意味がない。
ノロウイルスはエンベロープを持たないから手を洗っても意味がない。
へー!と思うことがたくさんで面白かった。
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めっちゃ面白い。地味な表紙に反して、惹き込まれた。
どこからどこまでが、生命か。
これは結局キメの問題なので、百人居たら百通りの線引きがある。
が、ウィルスが割と移ろいゆくもので、我々も結構自由にいろんな機能を持ってなかったり、他者に依存してたり。
そんな事例がてんこ盛りで、本当に興味深い。
(しかも、知らない事が多かった!ポップサイエンス系の本はかなり読んでるけど)
本棚でたまたま目について、コロナウイルスについての理解を深めようと手にとったけどこんなに面白いとは。
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人間は新型コロナを駆逐しようと躍起になりコントロールしようとしているが、新たな変異という「ジャンプ」を引き起こすだけで、もしかしたら余計なことをしているのかもしれない。
生命はゆらぎのようなもので独立している生物という物はない。混じり合って存在しているカオス。
これは仏教にも通じる概念だと思った。
だから他人を病原体とみなして攻撃したり恐怖に駆られて人の夢を奪う社会は、ひとときのゆらぎに生きている私たちにとって健全であるとはいえないですね。
生命を一段高いところから俯瞰して見せてくれる本。
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ウイルスの基本的な構造や性質を紹介すると同時に、ウイルスを含んだ新たな生命観について考察した本。
ウイルスは時に人類とは対立する存在となってしまいます。しかし、本書で紹介されている胎盤形成の例のように、長い目で見れば、ヒトを含む生命は多くのウイルスからの恩恵を受けて進化してきている事を理解しました。
生命はそれぞれ独立した存在ではなく、長い年月をかけて他の生物との合体や遺伝子の交換を経て進化し、育まれてきたことを教えてくれる良書でした。
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ウイルスは生きている。著者はそう考える。
ウイルスは代謝をしない(他にもいくつか定義がある)、だから生物ではない、とされてきた。
だが、では生命とは何か、と考えていくと、我々人間だって個体として成り立つ生物か疑問になってくる。僕らの腸内細菌が持つ遺伝子の数は、ヒトゲノムにある遺伝子の数の少なくとも100倍以上あるという。こうなると僕はヒトの遺伝子を残すための存在なのか、腸内細菌のために生きているのかわからなくなってくる。
「丸刈りのパラドクス」が本書のもつ疑問の根底にある。何を持って丸刈りとするか、たとえば1cm以下なら丸刈り、だとしても、じゃあ1.05cmなら丸刈りと呼ばれないかというと、社会通念上はそうでもない。5cmなら違うと思うが、1.5cmならどうなのか? ウイルスと一般の細胞性生物の違いは従来のようなシンプルなことではないらしい。新たな発見が次々にある。丸刈りのパラドクスのような境界領域のことも起きている。
それにしたってウイルスの存在は不思議極まりない。寄生バチが産みつけた寄主に感染したポリドナウイルスは、寄主の免疫反応を抑制する。異物たるハチの卵・幼虫が体の中にいても気にしない、というふうにするのだ。それだけでなく、変態を阻止し、繭にさせない効果も発揮している。
このウイルスは寄主の体の中で遺伝情報を持たない。ではどうやって増殖しているのか? 寄生バチのゲノムDNAからウイルスに供給されるタンパク質を使って寄生バチ細胞で増殖するのだ。つまり寄主側に行ったらあとは死ぬだけ。我々が思い込んでいるウイルスの役割とはまるで違うように見える。
さらにおもしろいことには、こういうポリドナウイルスに対して抵抗性を持つウイルスを、共生細菌経由で持つものもいるという。いったいどうしてそういう進化が起きるのか? やっぱりウイルスは、従来の枠組みで定義しきれるものでもない。ウイルスは生きている、のだと僕も思った。
いやまあ、とにかくエキサイティングな本であった。