紙の本
文体とテーマとの幸福な出会い
2001/12/06 02:37
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投稿者:(ナツ) - この投稿者のレビュー一覧を見る
実を言うと、私は桜井亜美の殺伐とした文体があまり好きではなく、どうしても彼女の小説を読み通せなかった。しかし、私はこの作品を一気に読んだ。そうせざるをえないような力が、この作品にはみなぎっていたのである。
本書は、かの酒鬼薔薇聖斗事件を題材にしている。桜井亜美はこの作品で、酒鬼薔薇少年の内的世界を(むろん、フィクションとしてであるが)想像力を駆使して大胆に構成してみせた。これは、まさに離れ業である。本書が成功作たりえた一番の理由は、おそらく、自分にとってだけの神を戴いて猟奇殺人を犯した少年の内面という(一歩間違えば単なる際物で終わってしまいかねない、ある種危険な)テーマと、桜井亜美の文体との幸福な結びつきによるものではあるまいか。
桜井亜美がこの作品で示した新境地を私は忘れないだろう。そして私は今、彼女が再びこの作品のような傑作を書く日を心から待ち望んでいるのである。
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酒鬼薔薇事件を題材にした小説。桜井亜美の中で一番いい。自我がしっかりしている場合のみ中高生にお勧めしたい。
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あの酒鬼薔薇聖斗事件をモチーフとした桜井氏の中で異色の1作。
桜井氏独特の雰囲気は薄いのでここから彼女の作品に入ると違和感を覚えるかも。
お話自体は、うん。酒鬼薔薇聖斗って感じ。
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サカキバラ事件のノンフィクション風フィクションノベル。
桜井亜美がなんで?って思ったけど、読んで納得。バモイオドキ神が結構いい感じw
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酒鬼薔薇事件を題材に扱った本です。
異色作だと言われていますが、すんなり読めます。
少年の空虚な心のうちが自分と共感しうるかもしれません。
心にあいた穴を黒い泥が飲み込むのは悲しいことですね。
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14歳の少年が起こした酒鬼薔薇事件を題材にした異色の作品。
この事件について今も真相はハッキリとわからない部分が多いけれど、こういうコトだったのかなぁ・・・と想像してしまいマシタ。
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ある実在の事件を元に書かれたお話。とにかく桜井亜美さんの才に圧巻されました!桜井さんの多数ある本の中で、これだけは恋愛小説ではないので異例で、また問題作とも言われている。
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表紙がキレイだったから読んだんだけど、ビックリ!私が小6のときだったかな、世間を怖がらせた酒鬼薔薇聖斗をモデルにした話。怖い。たった14歳の少年ができることなんだっていう現実。こういう本ってノンフィクションに思っちゃうケド違うんだよね。
文自体は比喩が多くって読みづらかった。
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十三歳のカズキは、妄想の世界にいる唯一の親友BJとしか会話ができなかった。学校でイジメられ、家では母親に殴られ、同級生の少女に性的興奮を感じて悩むカズキに、BJは「世界を破壊しろ!」と言い続ける。そして十四歳になった時、彼は儀式を開始した。「そうです。僕が、酒鬼薔薇聖斗です」悲惨な事件の光と影を照らし出す、衝撃の問題作。
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少年Aの話。
この人の話は答えが書いていなくて、気持ちが悪い。
だけど、いろいろ考えさせられる。
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好き放題書いてますね…。こういう商売が私はもともと好きではないようです。
桐野夏生のグロテスクも形式は似てますが、あれは物語の掘り起こしという点でこの作品とは異なるのではないかと。
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人の心がどうやってこわれていってしまうのか。辛くて悲しい話だった。ただ、作者の他の作品の作風も含めて考えるとあの事件を面白がって書いているようにも思えてしまうのも否めない。
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この本に描かれた中の犯罪(?)あたしは知らなかったので実話じゃないだろうなって思ってたけど実話だったんだね!ビックリしちゃった。作者さんがこんなに面白くかかれていらっしゃったので、小説の中の物語かとおもってました。衝撃を受けました。
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酒鬼薔薇聖斗を題材にした小説で、
亜美の中でもちょっと異色な衝撃作。
少年時代って家庭がすごく大きいんだと思う。
大袈裟に言って子供にとって家は世界、親は神。
自分を形成する過程でそれはある意味脅威になるのかも。
少年犯罪についてすごく考えさせられる作品です。
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今でも衝撃が拭い去れない「酒鬼薔薇」事件。あのころ、地震やサリン事件なんかもありましたね。
フィクションとしては素晴らしいのですが、何分モチーフとした事件がショッキングだったので・・・