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第一部、完。
ということで、終わってみると、意外と最初に予想していたほどじゃんじゃんバリバリみんな死んじゃうよ!って感じではなかったなあ、と思う。みんなわりと踏みとどまってますし。しかしこの後どうなるのかはわからない。個人的には‟石灰岩ノ肌(ライムスキン)”さんが死んじゃったらテンションが下がりそうだ。
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割と面白かったけど、ラストにそんなシーンを入れちゃったら蛇足じゃないかと思ってた。
けれども、著者インタビューを聞いてようやく理解した(つもりになった)気がする。
http://sokoani.com/archives/8983.html
インタビュー内で、これは物語が終わった後の蛇足のお話で、蛇足に蛇足を重ねていく構造になっているというような話をしていて、ヴィレムの物語自体も、終わったけど当然さらに蛇足が続きますよってことなんだね。
うーん、バッドエンド感。でも、そう思うとしっくりくる。この後またみんな可哀想な目にあうんだろうね。
ところでこれ、上でURLを貼ったそこあにでの他の回である4巻発売後インタビューを聞いて、SF展開なのかと思って読み始めたんだよね。
そっち方面はあまり語られなかったけど、外伝で星神についてのお話も書いてくれたら読みたいなぁ。
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はたしてこれはハッピーエンドなのかバッドエンドなのか……ここまで来るとよく分かりませんが(苦笑)、とにかく第1部は完ということで。
アニメ化のほうは未読の人でも楽しめる内容になっているといいなぁ。
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3巻ラストから4巻序盤にかけてヒロインのクトリがあんなことになって、更に4巻ラストでは主人公のヴィレムまで悲惨な目に。
それでも物語はまだ続いて。この巻では一体何が描かれるのかと思っていたが、そういうことなのか……
本来は約500年前に悔いを残したままで終わっていたはずのヴィレムの人生をきちんと終わらせるための物語だったと今更ながらに理解。だからといってヴィレムの選んだ道が正しいとは到底思えないのだけど。
3巻で描かれたクトリの覚悟と同じように誰かを幸せにしたいと心から思って、大切な誰かのために命を張ろうと覚悟して。リーリァもクトリもヴィレムも結局は同じ道を選んでしまったんだね
サイドストーリーの形で少しずつ明かされてきた正規勇者リーリァの成し遂げたこと。悲劇的な運命を背負った彼女が願ったことは本当に儚くそしてありふれた願いだったのだけど叶うことはなく。それでもヴィレムのためだけに星神討伐を行った覚悟はあまりに輝いて見える
彼女がエルクの前で見せつけた姿が回り回って黄金妖精の在り方に繋がって、それが滅びかけた世界を守るための力となって、更にはヴィレムに再び生きる気持ちを取り戻させるためのきっかけとなった。そういった意味ではリーリァは何の冗談でもなく、好きな人の為に世界を救ったと言える行為だったのだろうね
前巻で獣になってしまったヴィレム。まさかのまさかでニルスが生きてた、というか彼が星神であると知らされる展開には驚かされたが、それと同じくらい彼によってヴィレムが理性を取り戻す展開は驚かされた
でもこれって、3巻のクトリのように時限爆弾の付いた一時的な安寧だと思うと……
この巻でのヴィレムの在り方は何から何までいつかのクトリを思い起こすようなものばかりだ
まあ、そんな内容でも癒やし要素というか、笑える部分とか有るんだけどね。ラーントルクのポンコツっぷりとか
ヴィレムに対抗して年下組の機嫌を取ろうとして失敗するのはまだしも、少し目を離したら迷子になりそうなラキシュとティアットに注意した矢先に自分が迷子になるとか流石にドン引きですよ……
まあ、そのポンコツっぷりによってスウォンから黄金妖精の真実を聞き出すに至るのだから結果オーライなのか……?
終盤の少しずつ終わりに近づいていくような展開は押しつぶされるような気持ちになってしまった
妖精倉庫の解体論、獣の脅威が無くなったことに依る内紛、そして町に解き放たれた獣……
獣自体は数が少なかったことと、エルピスが使用した兵器が嫌な意味で優秀だったことでこれまでの獣のように大変な被害は生じなかった。だけど、そこから求められるのは妖精が再び必要なのだと世間に思わせる状態
手っ取り早く、しかもヴィレムの大切な人達を幸福にしたいという願いを両立させる奇跡の方法
誰かを守れなかった自分だからこそ、誰かを守ろうとする妖精たちの支えになりたいと思う。その感情はとても優しくてとても悲しい
そして行われるのは命をかけた茶番。もう獣になりかけのヴィレムはどうやって救えない。そしてヴィレムの言う通り、ここで獣と化したヴィレムを倒せばより多くを守る道が開かれる
だからアイセアもラーントルクも全力でかつての勇者ヴィレムにぶつかる。でも二人の力じゃギリギリ届かないかと思われた力量差がティアットとラキシュという新世代によって埋められる描写にはつい目頭が熱く……
しかもあの謝ってばかりのラキシュがセニオリスを継承するとはなぁ……。あのセニオリスの使用条件を読む限り、あの場でラキシュは誰よりも状況を理解して、誰よりも覚悟して、そしてヴィレムに刃を向けたのか
最後の最期、ヴィレムはあの時のクトリと同じ言葉を発して事切れる。
約500年前に石化した際は約束を守れなくて済まないと悔みの言葉で終わってしまった。それが今回は大切な人に向けて感謝の言葉を贈って終わった。ということは、ヴィレムは誰にも否定できないほどに幸福になれたということなのだろうね
そういった、辛いけれど確かに幸福だと思えるような終わり方であったから、ラストの描写にはおったまげたけど。
なんて心憎い終わり方をしてくれるんだろうね、この作品は。早く続編を読みたくて仕方ないじゃないか
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最後の最後まで〈想い〉が美しく、だからこそ痛かった話でした。終わる世界と残酷な運命の渦の中で、それでも人を想い続けた少女たちと青年の物語だったと思います。
絶望的な展開だった前巻から物語前半は、比較的穏やかな小康状態が続く。ヴィレムやネフレンといった地上に残された組や、ナイグラートやラーントルク、そして新たに〈兵器〉としての素質が芽生え始めたラキシュやティアットたちのその後が描かれます。
一方で不穏な雰囲気もちらほら。世界全体がこれまでよりも平穏な雰囲気が出てきたことによる、妖精倉庫の解体論や、妖精不要論。そして国同士の軋轢。
「獣」という共通の敵がいたからこそ守られていた、平和が少しずつ乱れていきそして……
権力者や、強国による闘争。このあたりのきな臭さというのは、悔しいけどよくできている。登場人物それぞれの想いの美しさや切なさ、そして一生懸命さがある一方で、こういう強国や権力者の論理が、それを振り回すのを見ているのは、なかなか辛いものがある。
妖精たちの母親的存在であるナイグラート。宿命により、多感な少女の時期に、兵器として死地に向かう妖精たちを想い。だからこそ、妖精たちを兵器としてしか扱わない国や軍部に対し怒りをぶつける。この辺の描写も切ない。
そして物語のクライマックス。ヴィレムが仕掛けたある思惑と、それに応える妖精たちの決戦。
『本気で強く望む未来を持ちながら、その未来が決して手に入らないのだと受け入れた者だけが、この剣を手に、別の未来に手を伸ばすことができるのだ』
変な日本語になるけど三巻のクトリであったり、この巻であったり、この剣の設定が心憎く、そして本当に憎かった。クトリの常識を超えた力の発現であったり、大切な人を守るため、勇者を目指していたヴィレムが最後の最後にたどり着いた皮肉な、どうしようもない最適解であったり。最後まで優しく美しく、そして残酷な決意と悟りの物語だったのだなあと思います。
元々アニメきっかけで手に取った作品で、アニメで描かれていたのは三巻まで。そしてそのアニメ、および三巻の盛り上がりというか、感情のふり幅がとにかく大きかったので、その後の四・五巻はどうなるか、と思ったのですが、四・五を通して、ある意味エピローグというか、
一~三巻までがクトリとヴィレムのW主人公で、四・五がヴィレムの物語の終着点、という印象でした。この世界の謎の一端に触れつつ、この作品らしい、キレイなまとまり方だったと思います。
アニメ後の展開だけ追えればいいかな、と軽く考えていましたが、意味深なラストシーンはさておいても、普通に第二部以降の展開も気になってきました。また追いかけるシリーズが増える……
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五巻でいろいろな世界の仕組みもわかった。 終盤にクトリがキーとして出てくるのはずるく、ニヤニヤしてしまった。 このタイトル、秀逸よな。