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読んでいる途中から何か変だと感じるようになるのだけど、最後まで読むと納得です。仕掛けがいっぱいで面白かった。純文学とミステリーが融合した感じで読みやすかった。
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やっぱり凄いと思わせる発想力を中村さんに感じるのは「土の中の子供」以来・あれは芥川賞を獲ったんだね~ライターの僕はある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は二人の女性を焼き殺した罪で死刑判決を受けていた。だが,動機は不可解。事件の関係者も全員どこか歪んでいる。人形師?姉?被害者?この異様さは何なのか。僕が真相に辿り着けないのは必然だった。なぜなら,この事件,最初は盲目の女性は事故で死に,二度目は元夫が復讐しようとし,写真家の弟と男を食い摘んでは死に至らしめていた姉に,姉の被害者の一人である弁護士が共謀したモノだった。二度目の被害者は借金を抱えた風俗嬢ではなく,それとすり替えられた姉だったのだ~大したモンだ・1977年生まれだって。単行本は2013年に出ていて,あとがきを付けなかったらしく,文庫化されて書いているんだけど,M・MもJ・Iも何のこっちゃか?
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初の中村文則作品、面白かったー
何回か読み直したい感じ。
スラスラ読んでいってたのにズドンとひっくり返される瞬間がいいなーと思った。
少し置いて再読予定。
人形師の話や写真家の話、くるくる返してたいしたことないものにしてしまうのも面白くて、最初の理解を覆して一筋縄ではいかなくさせるのが上手い。
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いつも思う。お決まりの台詞。
「そんなこと(復讐)したって、あの人は喜ばないよ」
ほんとに?絶対?
わたしなら「さんきゅっ!あいしてるぜベイベ」くらい思うだろうと思う。
ただ、「そんなことで手を汚させてごめん」とも思うだろう。
なんつーか、そういうこと。
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かなり歪んだ性格で偏愛とか変質者的な人物たちが織り成す、摩訶不思議なおはなしである。猟奇的殺人事件の犯人に面会するライターも普通じゃない、登場人物すべてが軽くいっちゃってるってある意味凄い(笑
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中村文則氏の作品は初読み。前評判もあったけど結構読みやすいです。でも心理戦に持ち込まれたら危険な相手かなと。ある種の凶器とか毒を感じさせるかっこよさがあります。
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【ネタバレ】
本の編集を頼まれた主人公と木原崎姉弟の物語、、と思いきや、という展開。
自分も含め、狂気を誰しもが持っている。この筆者はそれを形にする。そんな感覚がある。
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思ったほど暗くなく、でも淡々と狂っている感じは底辺にずっと流れ続けているよう。
単行本では書かなかったというあとがきがあることで混乱した。
たぶん素直に読んだままで合っているとは思うけど...。
ミステリーのトリックには重点を置いていなくて、ひたすら狂ってしまった人間の話が展開されるというところが中村さんらしいと言えるのかな。
面白かった。
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ライターの「僕」が、猟奇殺人事件の犯人に面会に行くところから始まる物語。
女性2人が焼き殺された猟奇殺人事件の裏にある真実とは―?!
冒頭で真相を知ろうとする「僕」に対して
犯人の「覚悟は、……ある?」という問いかけは
自分にも向けられているようでぞっとしました。
犯人はもちろんのこと、犯人の姉や事件の関係者など
取材する相手からは例外なく狂気や違和感が感じられ
読んでいて決して心地よくはないのですが、
事件の終着点が気になってページを捲る手が止まりません。
時折挟まれる犯人からの手紙を通じて
だんだんと犯人の心情も明らかになっていくのですが
途中の手紙の最後の「きみは誰だ?」という言葉から
だんだんと物語は姿を変えていき、
二転三転し、全く意外なところにたどり着きました。
まるごと騙されて、感嘆。
伏線もみごとに回収されててスッキリ。
(実際には物語が物語なのでスッキリ感はないけれど・・・)
じめじめとずっとセピア色の雨が降り続いてるような憂鬱感。
「狂気の沙汰」という言葉がとてもお似合いですが
途中からそんな狂気にどんどん浸食されていくようで
そんな狂気がもしかしたら自分の近くにも、
もしかしたら私にも潜んでいるかもという不安感が後を引きました。
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僕が本当にきみと別れてしまったのは、去年の冬だ。木原坂朱里を初めて抱いたあの夜。人間をやめ、化物になろうと決意した夜。…きみの彼氏が、化物であってはならない。そうだろう?去年の冬、きみと別れ、僕は化物になることに決めた。
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前に土の中の子供読んで、ちょっと苦手かなと思ったのだけれど、やっぱり少し苦手かも。
なんか精神的にやられる。
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ライターの「僕」は2人の女性を焼き殺した死刑囚・木原坂雄大の本を書くために、拘置所にいる本人を訪ねる。
――覚悟は、……ある?
――僕の中の何かが、きみの中に入ってしまうかもしれない。
いくつかの賞を受賞する程のカメラマンだった木原坂雄大は、なぜ殺人を犯したのか。事件や関係者に多くの異様さを感じる「僕」は、彼の姉である木原坂朱里と接触する。不思議な魅力を持つ朱里の挑発に抗えなくなる「僕」、そして彼女は「僕」に小さくつぶやく。
「……私を助けて」
物語は木原坂雄大の手紙を「資料」として挟み込みながら、事件の真相へと迫っていく。その真相が明らかにされた時、読者が手にするこの小説そのものが、本当の姿を現すことになる…。
芥川賞受賞作家であり『教団X』の著者である中村文則氏による13冊目の本。単行本刊行時に「ラスト1行」が話題となった巧妙な仕掛け満載のミステリー小説。
ラストの仕掛けは衝撃的で、絶対に予測不可能な展開と言って良いと思う。物語が巧妙に絡まり、もつれ、真実が隠されており、それゆえ読み始めはよくわからず何度も読み返してしまった。しかし後半からの伏線回収は流石。読者の期待や予測を巧く刺激しながらクライマックスへと導いていく。
ただ本書が話題となったのはその謎解きの内容ではない。ラスト1行が明らかにする真実、それが恐らくこれまで誰もやったことのないミステリーの仕掛けだったからだ。小説冒頭の献辞を使ったトリックであり、読者がそのトリックに気がついた瞬間、やっとこの小説が完成する。小説内の事件は元恋人を殺された編集者の男による復讐であり、本書はその編集者と「僕」二人の共同作業で事件の真相を小説の形で明記し、殺された元恋人と拘置所で死刑を待つ男の二人に贈った、愛と憎悪の一冊であるのだ。そのことに気がついた時、私は「何てものを読まされていたんだ…」という思いになった。
タイトルもよくよく考えてみると興味深い。「去年の冬、きみと別れ」これと同じ表記が小説内に一カ所だけある。
「去年の冬、きみと別れ、僕は化物になることに決めた。」
編集者の崩壊の瞬間、そして今は亡き元恋人J・Iへのメッセージが、タイトルにも込められているのだ。そのタイトルからも、死刑囚M・Mへの憎悪よりもJ・Iへの愛が強いことが読み取れる。
登場人物全員が歪んでいる。そしてその全員が心のとこかで助けを求め泣いている。最後の編集者の言葉は、歪んだ彼ら全員の想いそのものだろう。
「……だけど、時々思い出してくれ。……人生を完全に間違えてしまった我々のことを。本当は、そのように生きていきたかった我々のことを」
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米国ウォール・ストリート・ジャーナル紙によって毎年発表される「いま読むべき本」ベスト10。2012年は小説部門で、2013年はミステリー部門で選出された、栄えある日本人作家が中村文則。どの作品も相当暗く、決して好きだとは言えないのに、ついつい手に取ってしまう作家です。本作も例に漏れず暗い。だけどすこぶる面白い。
ライターの「僕」が面会したのは、女性2人を殺害した罪で死刑判決を受けている被告。その殺害方法は信じがたいほど残忍。「あなたについて書くことに決めた」と告げる僕に、被告は「覚悟はあるか」と問う。被告と直接会うことにおののきを感じ、手紙のやりとりを始める僕。と同時に被告の姉や知人への取材を開始する。しかし、殺人の動機はわからず、関係者はどこか歪んだ人間ばかりで……。
200頁足らずとずいぶん薄い本なのに、読み応え十分。この暗さは嫌いだと思っていても引きずられるように読むはめになり、ちりばめられた叙述トリックにも途中まで気づかず。仕掛けが非常に面白く、あとがきを読む頃には「おみそれしました」と言いたくなります。1冊の本ができあがる過程を見せられているかのようでもありました。2度読みたくなる本です。
映画の感想はこちら→https://blog.goo.ne.jp/minoes3128/e/59d7c05851518c774e8981af831b0602
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映画化と聞いて家に持ってたので読破。
中村文則の作品の魅力は鬱々とした心理描写だと思うのですが、この作品は妙に軽い印象。
最後のどんでん返しを狙いにいってる感がある。両者とも狂ってるわな。後、伏線回収が説明ぽくなっちゃって、そこもあんまり好きじゃないかな。
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じめっとしたミステリー。
読みやすいのに不快感がすごいなあと。性の描写が気持ち悪いなあと思ったら「教団X」の著者だった。
この人の本は「教団X」で懲りて2度と読むのをやめようと思ってたのに、著者名覚えてないから買っちゃってたのね…という何とも言い難い気持ちに。
でもミステリーとしては動機もトリックもよかった。