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〈2016年8月5日読了〉
少し期間がたちましたが、読了。iPS細胞の山中伸弥先生の数少ない「自伝」。本書は、研究職をさせていただいている私にとって、とても沢山の教訓にとむ物であった。
山中先生のこれまでの人生は、一言で言うと「紆余曲折」であったといえる。しかし、途中の何一つ、無駄ではなかったことも事実。「焦る気持ちを抑えて慎重に、確実に課題を乗り越える(P17)」という言葉には重みがある。
若い頃、臨床医であった山中先生は、手先が器用ではなく「ジャマナカ」と呼ばれていた。ただ、確かに手術時間がかかりすぎることは患者にとって負担であり、「どこに置かれるか」ということが大切であることも再確認した。
しかし、「しょうもないことに心底興奮できた(P41)」というところを見るとやはり山中先生は研究者である。いわく、「一 科学は驚きに満ちている 二 予想外のことが起こるので新薬等をいきなり患者に使用しない 三 先生のいうことをあまり信じてはいけない」この三つの教訓は、どの学問にもある程度当てはまることではないだろうか。その他、ロバート・メリー教授の「研究者として成功する秘訣はVW(Vision & Workhard)」という一言も心に刻みたい。
その他、若き日の山中先生が、ノーベル賞受賞者の利根川教授に「研究の継続性が大事ですか?」と質問したときのお答え、「誰がそんなんいうたんや、面白かったら自由にやったらええやないか」との言葉も印象に残った。なるほど、やはり研究者は多様性なのか。
私の専門外であるが、iPS細胞発見の軌跡や、専門的な内容も大変わかりやすく書かれており(例;説明書に付箋をはる話)理解できた。
世紀の大発見はなぜ成し遂げられたか。おそらく「熱意」だろう。この熱意は「公益」にある程度関連づけられていなければならない。山中教授は「この研究が成し遂げられなければ患者は救われない」「医師である以上人を救うのが使命だ」という大変強い熱意によって研究を成し遂げられた。
大変すばらしい一冊であった。何度も繰り返して世みたい。
(追伸)iPS細胞の頭文字が小文字なのは、当時流行していたiPodをまねたのだそう。面白いエピソードだ。どちらも、歴史に残るだろう。
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◆きっかけ
テレビで芦田愛菜ちゃんが感銘を受けた本として紹介していて。9歳の時に読んで勇気づけられたそう。2017/5/22
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芦田愛菜ちゃんが読んだそうなので、読んでみた。
IPS細胞とは何か。発見までどんなことがあったのかがわかりやすく描かれていた。
個人的な発見だったのは、研究者のやっていることって僕たちサラリーマンと同じなんだと思った。
まず大きな目標を立てて、それに達成するまでの細かい目標を決めるとか。KGIとKPI。戦略と戦術。
仮説を立てて、それが正しかったのかどうか、実験で検証するとか。PDCA。
最初は研究室に入ると、自分のやりたいことではなくて、上の人間の仮説を信じて実験して、目的を達成しようとする。
それも縦リンクの戦略の落とし方とも似てる。
大きな目標を達成するために、仮説を立てて実験する。
これは、共通
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学術的な話がメイン。
参考になったのが、目標を定めてハードワークをすること。
あと、山中先生は神のように完璧な人かと思っていたが、人生の節目節目をハッタリで乗り切ったりしているところに親近感を持てた。
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私はテレビをあまり見ないので、山中先生がどのようにしてiPS細胞発見に至ったか、全く知らなかったが、そのことがある程度分かった。
それ以外には特記すべきことはなかったように感じた。
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iPS細胞のことは少し難しかったが、山中先生が苦労して研究を続けてきたことがわかった。
山中先生が研究をマラソンに例えていることは、目標に向かって努力している人全員に通じることだなぁと思った。
ノーベル賞を受賞した山中伸弥先生がiPS細胞の研究過程と人生について振り返る。不器用でジャマナカと呼ばれていた臨床医時代からアメリカと日本で研究を続けた苦難の時代を語る。iPS細胞が生まれるまでの軌跡の物語。
山中先生の研究内容が難しいのでついて行くのに必死な所もあったが、iPS細胞の研究過程を知ることが出来た。研究を、自身が行うマラソンに例え、実際にどちらも進歩させていることに感銘を受けた。
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iPS細胞でノーベル賞を取った山中先生の自書。
難しい話しなので、ざっくりとしか理解はできませんでしたが、例え話でわかりやすく説明してくれていました。
本人は簡単に語っているように感じるのですが、人の3倍研究をしたなどかなり努力をしているのがわかります。
難病にかかっている人には今、一番の希望であると思います。リハビリテーションに関わるものとしては、どうしても治せないもどかしさを感じることがあります。臨床応用はまだ先になると思いますが、今後の動向を追っていきたいと感じました。
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大ファンの山中教授の自伝と、iPS細胞についてのお話。
回り道はいろいろしてきたけれど、それでもとにかくひたすら信じる道を歩んできた半生。有能な部下と共に地道に苦しい研究を続けてきた結果、やっと発見できたiPS細胞。
まわりにどう言われても、自分を信じること、地道に続けること、それらの大切さについて改めて考えるきっかけになった。
iPS細胞についての章は分かりやすい例えを使って説明されていたものの、それでもやっぱり、ちょっと難しかったかな。奇しくもこの本を読み終えた頃に、心臓疾患にiPS細胞を利用する研究がおこなわれるというニュースが飛び込んできた。この細胞が、難病に悩む多くの人達の笑顔を取り戻してくれることを願ってやまない。
iPS細胞の名前の由来、これを知って吹いた(笑)いかにも山中教授らしいというかなんというか(^^)
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もっと難しい内容なのかと思っていたが、とてもわかりやすく書かれていて、読みやすい一冊だった(もちろん、専門的な話を全て理解できたわけではないけど)。今の山中先生ができるまでの経緯や考え、決断など、こんなことがあって今に至るんだなぁと、聞いてみたかった内容が書かれていて、おもしろかった。
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山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた。山中伸弥先生と緑慎也先生の著書。山中先生、山中博士の凄いところは、科学者、研究者としてあれだけ特別な能力と素晴らしい実績をお持ちで、権威あるノーベル賞を受賞したのに、慢心したり上から目線で高慢に物事を語ったりする態度が皆無で、本当に謙虚な言動をされていること。凡人ならきっと調子に乗って自信過剰で高慢な態度をとってしまうもの。山中博士は優れた科学者、研究者であると同時に、人格者であるからこそ、これほどの実績をあげられたのかなと思います。
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山中先生の反省や、研究に対する思いが分かりやすく読める。
何か大きなことをやり遂げる人は、誰しもが行動が伴っているのだと感じた。
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iPS細胞ってどんな力があるのか、それを作る過程でどんな苦労をしてきたのか知りたくて読んだ。
iPS細胞とES細胞はかなり似ているが、作る過程の難易度が違う。
iPS細胞には体のすべての機関の設計図のようなものが入っていてだからどんな場所の細胞にもなれる。
心臓を作り出したりするのはまだまだ先の話。
臓器を作り出すなどの治療だけでなく、病気が起きる過程を体外で観察することもできるため製薬開発にも役立つ。
研究にはお金がいるんだなあと思った
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iPS細胞の発見に至った山中先生の話。
実際に何度か講演を聞いたことがあり、その時の印象と同じだった。
「自分は運が良かったんだ」と謙遜しながらも、陰ですごい努力をされている。
さまざまな苦難があり、それでも負けずに進んだからこそ今がある。
そんな山中先生がグラッドストーン研究所に留学中に心に響いた言葉が以下。
「人生で大切なのはVWだ」
Vはvision
Wはwork hard
一生懸命やるだけでも、長期的なビジョンを掲げるだけでも足りない。
両方があってはじめて形になるのだと感じた。
果たして自分はwork hardできているのだろうか…
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iPS細胞とはどんなものか?どうやって発見されたのか?山中伸弥先生とはどんな人なのか?ということがたっぷりわかる本。すぐ読めて中身は充実。
それにしても日本では未だにiPS細胞を使った治療法が増えていかないねぇ。新しい科学的なものが出てきても、規制の壁や既得権益者たちの壁があってね。
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芦田愛菜ちゃんが、なんと小学生の頃に読んで、心が震えたという本。
2012年に、ノーベル生理学・医学賞をとった山中伸弥さんの自伝と、インタビュー。
とても難解なことを、とっても分かりやすいたとえで説明してくれているので、興味を持って読むことができました。
皮膚や血液から採取した体細胞に、4つの遺伝子を加えて初期化したものがiPS細胞。細胞はどんどん分化していくものだけど、逆に時間を巻き戻して分化する前のまっさらの状態に戻せるとは…驚きました。
細胞の核には、あらゆる組織を作るための設計図が入っていて、転写因子となる遺伝子で刺激を与えると、どんな組織にも分化させることができる。それを示したものとして、「触角に目ができているハエ」の写真が載っていて、衝撃的でした。目に脚を生やすこともできるそうです!(これは山中教授の研究ではない)
研究のことだけではなく、人生観についてもたくさん触れられていて、挫折しそうになった時の考え方、行動の仕方も参考になりました。
研究者というと、堅物なイメージがあったけど、ユーモアもありスポーツマンでもあり、そして謙虚。柔軟さをすごく感じました。
「人間万事塞翁が馬」人生の幸不幸は予測できない。ほんとうにそうだよということを、この本で教えてもらった気がするので、私もそう信じていきたいと思います。