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ぐいぐい読了。
空間理論諸々、文系一辺倒のわたしにはイメージとしてつかみにくいところがあったのが残念。
進化とともに倫理との闘いは避けて通れないんだなーと。
意識を置き換えるという話は、刑罰0だったかな?西条奈加の作品でもあったなぁ。
と、まとまりない感想。
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代車や携帯電話の代替え機のように、怪我や病気をした自分の体の代体を利用出来たとしたら?一見、便利な発想だと思ったが実際はものすごく怖いのではないか?
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久しぶりの山田氏。「百年法」の時はいまいちだったけれど、今回はいかったんじゃないでしょうか。
途中まではけっこうあるSFの感じだったのが、主人公がいいのかな。ラストのふたりの友情みたいなのもじんときました。人物に愛を感じるかなんですよね。
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大病や大怪我をした人間の意識を一時的に仮の器に移す技術が開発され、死は消滅に器は人間になる。一人の中に二人いる様子に違うのに疾患を連想する。文章はするする入るのに入り込めず表層をさらうような読み方になってしまった。終盤の張り詰めた盛り上がりは感じたからそれをもっと具体的に理解し受け取れたら良かった。
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人造人体 脳デバイス 人工ニューロン複合体
ビッグバン Φボット 検体 無効化ワクチン ナノロボット クリンガ エイプリル
Φ次元移動 模擬人格 安楽死処置
ブランク 回収 アクセス
転送 偽記憶 消滅 捕獲 神
もーーー!盛り沢山の未知の領域!
面白かった~~♪ ・・・意識を収納できる仮の肉体=代体。
有り得ない・・・有り得ない話だと分かっていても
この地球の何処かで、この実験が・・・こんな世界があるように思えてならない。
面白かったけど、
いつか、いつか、こんな事が起きる世の中になりそうで怖かった。
最後のガインには、ウルッと来ました。
偽の肉体、偽の意識。
エネルギーが切れるまで生き続ける意識。
人間のエゴが創り出す不老不死。
夢中で一気読み!でした
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現実に実現可能な範囲から少しだけ逸脱しているところがミステリーの要点になっており、現実とフィクションのバランスが絶妙な作品。
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長期入院を伴う大けがや病気の治療中、患者が社会生活を継続できるように開発された意識を収納できる仮の肉体、代体。意識は転送され人は代体を使って普通の社会生活を送ることができる…。人間の欲望は果てしなく、科学の進歩、いや科学を進歩させる欲望も果てがないのです。いつかこんな日が普通にくるのかもしれません。でもそんなことをすれば落とし穴がいくつもあるわけで、あってはならない事態が起きるのです。設定を作り出したのも凄いですが、これをこんな美しい物語に仕上げてしまった作者に脱帽です。迫力もあり、とても良かったです。
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今から10年後、医療技術が進んで、脳から意識だけを取り出すことができるようになった。病んだ、壊れた肉体から一時離れることができるという、身近な誰でも持つような思いが理解できるようなSF小説。
この作者には「百年法」という前作があって、これは長いのでこちらから先に読んだ。作風をちょっと覗いてみるつもりだったが、荒唐無稽とも言い切れない、少し身近に引き寄せて現実に照らしてみるとこのSFの面白さがわかった。
意識を取り出せるということになったらメリットはなんだ。
それから話が始まる。意識という定義しづらいものを扱っているので、一応脳の中にある組織体の働きをひっくるめた「もの」という風に読むしかない。
私は医学的に脳や意識のメカニズムはよくわからないので、意識体という「もの」があると想像すればなんだか後の流れについていきやすかった。
脳のすべてをコピーできるナノロボットが開発され、それを注射して代わりの体に入れる。
受け入れ先は人工的に作った体を用意する。
大雑把なところ、そういうことに付随して、人々が右往左往するストーリーだ。
人間はみんな死ぬ。でもすべての人が死に時だと納得して消えていくのではない。多分死にたくないと思いながら受け入れて死んでいくのだろう。
私は幸い今は切羽詰まって自分の死を目前にしていないので自分が死に時にどう思うのかまだ想像できない。究極の運命というものは判らないながら。
それでも。現実を享受していて、あるいは生きる苦しみの裏にある生きる楽しみの真っただ中にいる人間もいることだろう。
目的達成途中で光が見えている人、それぞれに死に時でないと感じている人は、突然の死から逃れるために代体を恵みだと思うだろう、いかに高価なものであっても利用できるなら利用したい。長く生きてほしい人たちもいるのだから。
そういった人たちの物語が様々に絡み合い、その研究で大きな利益を得るための組織ができる。
不法な利益を見張る政府機関ができる。
代体利用者を募り、代体を売る会社の営業マンがいる。
基本的には、損壊の激しい肉体を修復して、一度写した意識を戻す。30日以内にという制限がある。
その期限に肉体が生きていなければ死を受け入れなくてはならない。
そこで葛藤が起きる。
しかし命や意識というものの扱いは難しく、その上で生き続けようとする人たちの中には意識と肉体の同化の中でほころびが出る。自分とは何だろう、命とは意識とは、意識を埋め込まれ記憶を操作された人たちは、他人の気配を纏いながら生きていく、考えさせられるところもある。
技術の進歩に連れて人間の欲望は膨らんでいくが。一概にそれが醜いといえないのが読みどころで、古来から生きることについて様々な考証がされてきた。哲学といってもいい。
有限の生命の中で生きている身にとって興味深く面白かった。
そして非常に面白い医療科学の進歩が、何か今にも実現しそうな筆で書かれていると、この作者のテーマにする命というものが作り物でなく、その思いがしみてくるシーンもある。
平常心に戻ってみればまずあり得ないだろうという正直な感想とともに、こういった世界に遊んで、命というものを見直してみることもいい機会だった。
最後はごく人間的な締めくくりで、ここまでの登場人物の騒ぎが一瞬で鎮まった思いがした。
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脳の電気信号や感情の分泌物の研究が進んだら、あり得そうで、すごく楽しめた。科学的によく研究されていて、理屈が面白い。身体はとことん鍛えたり食事を変えれば変化させられるけど、違うからだに入ったら、気持ちが変わるなのかな?
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『百年法』『ギフテッド』に続き、山田宗樹さんの作品3冊目読了。
百年法と同様緻密な設定で今回も驚かされた。
難しい理論についてはさっぱりわからなかったけど、八田さんとガインの友情には感動した。
SF小説だけど、愛情あふれる物語。
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きたきたきたー! 『百年法』の高揚感、再び!!
SFちっくで、将来あり得そうな技術がある世界感を舞台に倫理を問うストーリー。
前半はワクワクしながら読みんだ。が、最近、長編を読んでなかったので、後半ダレてしまった…_(┐「ε∥)_
主人公とガインの友情は、ちょっとご都合すぎだし。前半活躍した御所は、後半になるとなんか脇役になってるし。斉藤くんが頑張ってるけど。
せっかく女性代体という新技術も出てきたわけだし、もう少しそのへんもねぇ…絡んできたら面白かったかなぁ、と。
もっとゆっくり読めば読み解けたか? いや、『百年法』同様、スピードに乗って駆け抜ける方が合ってるエンターテイメントだと思う。
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一時的に肉体から意識を移す“代体”という技術のある世界で起こる不可解で壮大な事件を描くSF小説です。
傷病による治療中に“代体”を利用することが普及し始めている社会で、それを扱う会社の一つに勤務する八田輝明を中心に物語は進みます。
人間の意識や魂と呼べるものを肉体から抜き取り違法でありながらも技術的に不死が可能となっている世界観、実際に起こり得る未来の姿なのでしょう。
それに伴う倫理について読者は葛藤することになりますが、物語は予想を超える展開に…。
400頁以上あるのですが夢中にさせられ、読了後には気持ちの良い満足感が残りました。
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凄い本です。テーマも、ストーリーも、見せ方も!個人的には、今年の半年ちょいの間で読んだ本の中ではベストです。ブクログでレビューを拝見して読了。選書眼凄い…もう感謝しかないです。
敢えて言えば素っ気ないタイトルだけが中身の面白さを感覚的に伝えるものではないのが残念ですが(笑、かと言って代案が思いつく訳でもなし。
「代体」は、病気治療中等でも患者が社会生活を継続できるよう開発された、意識を収容できる仮の肉体だそうで。車の修理中に提供される代車の人間バージョンですね。
そんな技術が実用化された近未来。ちょっとお金はかかるけど、意識を代体に転送して…ができる世の中。
その利用シーンが冒頭にあまりにもスムーズに提示されるので、「意識」と「身体」が離れることについて、読んでいて思慮が足りなかったと言うか…その後の本著の展開で著者が余すことなくこのテーマを描き切ってくれたので、うわーってなりました(^^;
代体が登場した日本における「死」の定義は、実に日本的で有り得そうな話で、「肉体の死」な訳です。仮に意識だけが抜けてしまったとして…?
その見せ方は見事だったし、展開の回しにおいても登場人物の使い方が丁寧と言うか…(全員ではないですが)終盤までちゃんと役割が振られていて、著者の手腕を感じました。
しかし、仮に今後の未来でヒトの意識を移動する技術ができたとして、そのやり方が本著のような「カット&ペースト」になるんでしょうか。普通に考えたら、コピペできますよね…(それが面倒な問題を引き起こすのは必然ですが)。
酷く卑近な話をすると、異動しちゃう超デキる上司の人格をコピーして残しておきたい…とかできちゃう訳ですよね(笑
そして、こういうケースで人権ってどうなるの?と、本著をキッカケに色々なコトを考えてしまいます。
そう思わせてくれる良著。疾走感も、読後感も、すっごい良かったです。SFやアクション物を読みたい方にはぜひ。
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今から5年前に出た作品、何とも面白かった!
代車ならぬ代体とは!
近未来のSF小説だけど、重病や重傷になった場合にその身体から意識だけ取り出して代体なる器に移し代体有効期間中は代体で普通に生活、その間に本体を修復して再度 意識を移送し本体に戻すという高級ビジネスが興隆しているという時代設定。
死の線引き 医療の進化 ビジネスとしての医療 政官学の絡み合い 更にはコロナ禍を彷彿とさせるリスクとの攻防などと、登場人物が多数だけど苦にならないのは話の運びが巧みでどんどん読み進めてしまうからだろう。
こういうの男子は大好きです♪
とても科学的な部分と 如何にも情緒的な部分が上手にミックスされていて楽しめる本でした。
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100年法に続く、実際にありそうな近未来の世界とそれに伴って起きる倫理的な問題について、本当にどうしてこんな設定考えつくんだろうと驚かされる。
途中まではぐんぐん話に引き込まれて一気に読んだけど、終盤カインが八田と接触し始めたあたりから急に失速した…
脳を猛スピードで回遊すると…とか言いたいことはわかるけど、実際それを体験している八田の感想や体感していることがうまく伝わってこないし、最後あんまり納得いかない終わりだな…と思った。