投稿元:
レビューを見る
終わり方が中途半端。
いまひとつ話に入り込めませんでした。
リズムが悪いのか、展開が遅いのか。。
ずっーと一定のペースのまま大して盛り上がりませずに、そのまま終わった感じがしました。
うーん。
どーなんだろうこの小説。
投稿元:
レビューを見る
今年最初の本。ひさしぶりに充実した読後感がありました。
現代の裏社会をを渡っていく事を通して、自分の居場所探しをしているようにも読めました。生きる希望がわいてくる物語でした。
投稿元:
レビューを見る
これを物語と言って良いのだろうか。
あらすじ(背表紙より)
背任の疑いをかけられた大手銀行員・藤原道長は、妻と娘を置いて失踪した。人目を避けた所持金ゼロの逃亡は、ネットカフェから段ボールハウス、路上を巡り、道長は空腹と孤独を抱え、格差の底へと堕ちてゆく。一方、横領の真の首謀者たる銀行幹部たちは、事件の露見を怖れ、冷酷な刺客を放つ―。逆転の時は訪れるのか。東京の裏地図を舞台に巨額資金を巡る攻防戦の幕が開く!
投稿元:
レビューを見る
映画でも逃亡ものが好きなので読んでみたけど、想像していたものとは違っていた。
主人公にとっては逃亡よりも離脱だったんだな、だから逃亡ものに期待していた切迫感とか緊迫感がなかった。
そして、何故か食べ物の描写が多かった。
ニッチを探していようと、生きることに食べることは必要不可欠だからですかね?
下町グルメ情報が面白かった。ホワイト餃子は知っていたけどファイト餃子なんて知らなかったよ。
投稿元:
レビューを見る
自分は本当はどのようなところに居場所があるのだろうか。一旦、今の場所を去らなければならなくなった主人公が、新しい居場所としてそれを探していく物語です。金銭的な制約があるため、ホームレスに近づく方法でしか、それを探すことができないのですが、その方法と考え方には学べるところが多かったです。今の職場などでの今の仕事を離れると、自分はどうなってしまうのか、そのシミュレーションとして共感できました。
物語としても面白く、非常に考えさせられるところもあり、読んでよかったと思います。
投稿元:
レビューを見る
とても具体的で、体験記のごとく読んだ。場所といい、状況といい、小説というよりノンフィクション。その点で面白い小説。前半から唐突に逃走の道へと入るのだが、その経緯と、ラストでの展開が少々寸詰まりに思えたのがちょっと残念。
投稿元:
レビューを見る
今まで読んだ事の無い感じの構成。人からの推薦で読んだが、自分だったら手に取らなかったであろう。手に取ったしても、途中で挫折したかもしれない。
最後は結末が見えてしまったが、この作品は映像にしたら面白いかも?
投稿元:
レビューを見る
ニッチって何回言うねん感は否めない
緻密さ?こだわり?の反面、やたらざっくりしている部分もあり、バランス感にやや違和感があるが、これも味かな?
投稿元:
レビューを見る
160308読了。
『カオスの娘』に引き続き、私にとっては逃亡する中年男性の話、第2弾です。
心配性の妻、聡明な娘、そしてこの一大事に信念をもって自分を貫く主人公・藤原道長。
流転の逃亡の中で、あっけなく上野公園を去ってしまうこと、源倫子に出会ってお菓子の家に滞在することがなによりスパイシーで、佳境は走るように読み進められました。
最後の「出口」の救いは痛快です。
途中、娘が父を追う姿が描かれていましたが、もっと突っ込んでいって物理的な効果を出してほしかったです。
今回も、大学校内の描写で“野宿”が出てきて個人的にはにやり。
現在の写し見のような銀行員・藤原の大胆な物語が、社会に訴えるものはとても大きいと思います。
エンターテイメントとして最高だし、“自分のいる日常世界って、下から覗きこむとこんなにヤバいんだ”と気づくことができる良作だと感じました。
島田さん、今度はなに読もうかな。
投稿元:
レビューを見る
こんな家庭、いいな!
『我が家は旅の終点ではない。なぜなら、これから妻と娘を追いかけなければならないし、ニッチ探しに終わりはないからだ。一人の死に損ないが性懲りもなく、また生き延びてゆく。そうした営みを積み重ねてゆくことで、人類はちゃっかり進化しているのである。』
投稿元:
レビューを見る
161101読了。馴染みの地域が描かれていて、懐かしさに後押しされつつ、シーンをリアルに思い浮かべながらあっという間に読み終えた。
投稿元:
レビューを見る
島田雅彦というと、私が現役の高校生だったころから、国語便覧に載っている偉いセンセイである。
読まねばならぬ・・・はずなのだが、なぜか食指が動かず、今まできてしまった。
初島田である。
銀行員藤原道長が、支店長の悪を暴き、せめて差し違えることができれば、と、これまでの生活から「離脱」する。
娘の彰子、妻の香子(紫式部の本名ともいわれる)、そして彼の逃亡生活を助ける熟女源倫子、といった名前を見ていくと、何か現代の貴種流離譚なのかと思ってしまうが、そう読むと、波乱万丈なシーンさえ安心して読めることになるが、一方で特権意識に満ちた、かなり胸糞悪い話になってしまう。
これは却下。
意外とグルメ小説とも読めてしまうが、やはり東京という年を神話化していく小説なのかな、と思ってもみる。
東京西部の多摩川、多摩丘陵辺りは、私にも少しなじみのある土地だけに、ちょっと懐かしい気分さえした。
投稿元:
レビューを見る
銀行員が正義のためにホームレスに落ちる。ホームレスの暮らしは面白かったが、ストーリーの結末はちょっと簡単すぎる。
投稿元:
レビューを見る
妻子持ちの銀行員が突然失踪した。しかも背任と横領の嫌疑がかかっている。真面目で誠実な人柄ゆえ、そんな犯罪に手を染めることは考えられないが、実際に融資するはずの金が全く関係ない中小企業に融資されていた。
実は銀行が加担する悪事を暴露するための爆弾が炸裂するまでの時間稼ぎとして自ら失踪したのであった。
路上暮らしの先輩達に助けられ、確信犯的な認知症の女性に助けられて今か今かと刻を待っていたが、ついに悪事を潰された人物の刺客に囚われ絶体絶命のピンチに陥る。危機を脱し、家族の元へ帰れるのか…。
島田雅彦の本だなという感じ。難しいこと考えてるなと思いきや俗なことだったり。
主人公の銀行員のキャラがけっこうおもしろい。銀行員だし哲学者や文豪のフレーズを引用するあたりが真面目で固そうな印象を与えるが、意外と娘と硬い絆で結ばれていたり、饒舌だったりとぼけたところもあったり。
路上暮らしの理由がわかった時からサスペンス的になっていくのもおもしろかった。
投稿元:
レビューを見る
逃亡劇なのだが、都内に出てくる実際の場所、というかニッチは、さながらもやもやスポットか。某番組よろしく、当然商品化されているのだけど。
しかし、逃亡初日の豪遊は何なのか。おかげで足のつかない(お金をかけない)生活を不可避的に迫られるのだけど、後悔先に立たず。どうにも楽観的というか、行き当たりばったりというか、悔やんでばかりのそんな愛すべき逃亡者の姿に思わず笑ってしまう。
ニッチとは隙間である。同時に誰かが住む場所でもある。それしそれは空間とも言えない。
ニッチを求めてさまよい歩く藤原道長は、都内の様々なニッチを目にする。しかし、現代に隙間などは存在するのだろうか? 猛烈な資本主義の嵐の中で、何もかもが商品化される現代において隙間という隙間が収奪されてきた。彼の追手は街中のあらゆるところに据え付けられた監視カメラに映る、細切れの姿から足取りを追う。
ところがそれも完璧ではない。監視カメラには捉えられない逃亡者のニッチは、例えば源倫子のキャンディハウスであったり、多摩川河川敷の老子の庵である。
ニッチを求めることは家を失うことではない。誰しもが収奪されない場所を必要とする。自分にはあるのか心もとないが、それこそが抵抗の拠点ともなる。