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東京への出張が入ったので、もう少し残っていた第3巻を急ぎ読み終えて、新幹線で読むべくこの最終巻を持って出る。
それにしてもこの厚さ、持って出るのにやや不便。最初が362頁、次が446頁と来て、第3巻が379頁と、その本ごとに起承転結をつけようとすればこういう区切り方になるのだろうけど、最後に642頁とは恐れ入る。
三国間の和睦会議は、ニザマ帝との会談をなぞるように、アルデシュの高官にも付け入る隙を与えず進み、この巻のメインディッシュは、マツリカの“言葉”を奪った傀儡師を追い詰める行軍譚となる。
北の雪深い山中に次々と繰り広げられる疫神や牛頭偶蹄の巨人との肉を切らせて骨を断つような戦いの凄まじいこと!
辿り着いた仇敵の企みを見切り、マツリカとキリヒトが一体となって、舞踏を舞うように軽々と躱して行く様の美しいこと!
全編を通じ『声はなくとも言葉はある』という作者の思いが貫かれて、この大部の世界観を十分堪能できた。
物語としては、その後の屋根の上からの脱出行や帰りの海路での出来事に頁を割き過ぎてメリハリを欠いたように思われるし、ミツクビが何ら戦うことなく逐電したまま話が終わるのはいささか呆気無しという気もするが、それを言うのは贅沢か。
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土・日を3巻にあててしまったので、600ページのボリュームを通勤時間を交えて読み進めるのは歯がゆく、休みとって読書に充てるかなどと冗談半分にも思った日もありました(笑)。
読後は終わってしまった余韻にひたりながら、自分も旅を終えた気分です。どこか人の感情を理解することに疎かったはずのマツリカが海に飛び込み、キリヒトとの別れを決意する彼女に成長を感じ、だから読み終わるのがもったいなかった。また彼らの物語に会える日を楽しみにもうしばらく余韻に浸りたいと思います。
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第4巻。
読み終えてみると長さは殆ど気にならなかった。スケールの大きさもなかなか見られない。
それにしても、メフィスト賞は懐が深いなぁ……。
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一ノ谷使節団、ニザマ帝、アルディシュ軍幹部による円卓会議で和睦に導いたマツリカは、「言葉」を取り戻すため双子座の館に乗り込む
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まだ肝心のミツクビたちは倒せていないので続きが気になって仕方ないです。マツリカの腕を封じた仲間が、中にいるのはわかっていましたが、犯人は意外でした。みんな満身創痍なのに生きる気力があって、私ももう少しこれくらい頑張れるようになりたいなと思わされました。
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夢中になって、何度か途中でやめることができずに朝まで読んで、やっと読み終わった!
とても長かったけれど、だからこそどっぷりとこの世界に浸れたと思う。
人と人、言葉と声、そして図書館。
たくさんのものがぎゅーっと詰まってて、なおかつどのキャラもとても魅力的で、この世界、そしてその中で生きる彼らをもっと見たくなった。
終わりが気になってやめられないのに、終わってしまうのがとても悲しい。
すごかったなぁ…何度も読みたいなぁ。次はじっくりゆっくり、味わうように読めそうで、それも楽しみ。
続編も読みたい!
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時間のつながり、高低差の上り下り、東西南北の広がり、それらの異同なにもかも「言葉」を頼りに世界と為して世界を変えんとするマツリカ様と人々の物語に、圧倒されました。
マツリカ様は図書館の魔女で、あるいは番人で、図書館そのものではあるけど、館長ではないのも読み終えてみれば腑に落ちて。あらゆる言葉を繋げるマツリカ様にとっては、言葉の上に立つものではないのだな、と。
さよならだけが人生だとは言いながら、再会の約束と共になんとも晴れやかな別れ続きで、終章では泣かされてばかりでした。
極上のファンタジー読み終えてしばらく興奮がおさまらなそうです。
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読み終わりたくない、と思いながら、泣きながらページを捲った。
ファンタジーは埋没感の大きいジャンルだけど、この物語はそれが加速度的に引き込まれてく。
マツリカやキリヒトたちと共に過ごして、言葉のもつ力というものを思い知った。運命なんてくそくらえだなあ。
何を選択していくか。自分の意志で選んでいくか。
世界は、変わるのだと。
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著者の本は初めて。文庫本4冊で2千ページ超える。第一巻でくじけそうになったが、ふと気づくと内容に魅了され、4巻まで来た際には、読みえる終えるのがとても惜しくなった。
ファンタジーというカテゴリーになってはいるが、そういったカテゴリーでくくれない凄い世界観がこの小説にはある。
小説に描かれる世界の最古の図書館がある一の谷の「高い塔」。高い塔は、マツリカという魔女に支配されている。魔女は年端もいかない娘、そして喋ることができない。知識は力なりという言葉があるが、正に知の集積された図書館から、政を彼女は行う。図書館にある本、当たり前だが全て言葉で書かれている。知識を得るためには、言葉を通じて、内容を理解、記憶・記録し、使うときには、言葉が使われる。マツリカは、声を発することができないが、様々な表現手段を使い、外交を行う、少しでもこの世界が平穏であるようにと願いながら。言葉とは何か、そして知識とは何か、この本は何度も問いかけてくる。又、知っているということの凄さと、知らないという事の怖さをも伝えてくる。戦争や死というものの悲惨さが描かれており、政がそういったものと切り離せない悲しさを感じるが、知識や言葉が、そういった事を無くしうる可能性、力を持っている事を言語学者である作者は伝えたかったのかなと感じた。
凄い小説に出会えてよかった思える一冊。これだから読書は楽しい。
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完結。近年稀にみる傑作だと思う。
あらすじ(背表紙より)
海峡地域の動乱を期するニザマ宰相ミツクビの策謀に対し、マツリカは三国和睦会議の実現に動く。列座するは、宦官宰相の専横を忍んできたニザマ帝、アルデシュ軍幕僚、一ノ谷の代表団。和議は成るのか。そして、マツリカの左手を縛めた傀儡師は追い詰められるのか?超大作完結編。第45回メフィスト賞受賞作。
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言葉の持つ力を信じたい、そう思えた本でした。
名前やふと口にした言葉に込められた意味の重さをもっと感じたり考えたりしてもいいなと思う。
マツリカとキリヒトが、再び手をつなぐ日を楽しみに待ちたい。
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とうとう最終巻、、、と思いきや、ぶ、分厚い。。そして一番読みごたえがあった。
全体的に、派手さはなく知略なファンタジー。双子座の件にはやられました、、、。
そして、つぎに繋がるべく余韻たっぷりなもんで、待てるか我慢比べが始まりそう。ニザマの世継話、楽しみ。
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クライマックス。そしてエピローグ。
喜怒哀楽が盛り沢山。
三国会談の円卓会議。
そして第一巻以来の戦闘。
衝撃の事実。
凱旋帰還。
そしてお別れ。
面白すぎました。壮大で緻密で濃厚で深淵で昂る。
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ソフトカバー本を図書館で借りて読みハマりました。ハマり過ぎました!文庫出たら揃えるんだ!と張り切ってましたヾ(*´∀`*)ノ 新作も今年中には出るようなので楽しみに待っています(*⌒▽⌒*)
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全巻読了。ああ終わってしまった。。
私の中では守り人シリーズを超えたと思う。
物語の最初から最後まで 膨大な数の伏線が
忘れ去られることなく一本の糸でつながれて。
ひとりひとりの顔や息遣いがわかるほどの
慎重で繊細な人物描写は 現実の自分を
すっかり忘れて没入してしまっていた。
言葉は道具ではない。
言葉は言葉そのものが 確かな存在である。
私の中に 言葉への新たな崇敬が宿った。
言葉が マツリカの言うとおりのものならば
人の名が その人の生まれ生きゆく道を
左右する力を持つのならば
私もまた 私というひとつの言葉なのだ。
それを人に伝えたいという
強い気持ちがあれば それは伝わるのだと
図書館の魔女は教えてくれた。
現実世界との絶妙な重なり具合も含めて
これだけ精密に設計されたファンタジーには
これまで出会ったことがない。秀逸。