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ワインとは?植物としてのブドウ品種・それがどうやってワインになるのか?味の違い、香りの違いはどこから?発酵法のあれこれなど、ワインのガイドブックとしてコンパクトによくまとまっています。(ただし、個別のシャトーやワインの品評はありません)
コニャックの原料になるワインはブドウの糖分が不足しているのでワイン単体としては味が落ちるが蒸留するとそれがプラスに働く、など初めてのお話も。
ワインの話とは言え文系の私がブルーバックスを手に取ることになるとは思いませんでした。
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ワインを科学の視点から解説。
ワインの製造・熟成過程の話が特に面白く、こんなに手間ひまかけて作られているものだとは驚き。
例えば瓶詰め。そんなの詰めて終わりじゃん、と思っていたけれど
まず「瓶詰めだけで一冊の本が書けるけど」から始まって瓶詰めの注意点、対策が述べられる。
おぉ、マニアッック。この細部を掘り下げた感じがたまらない。
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ワインが熟成する過程の概要を知ることができたけど、化学式がたくさん出てきたり、説明が長かったりで、わかりにくい印象だった。 家庭科(栄養学)程度の知識で読めそうかなと軽い気持ちで読んでみたけど、理系素養ゼロの私には難しかった。
ワインの香りには「アロマ」と「ブーケ」の二種類があることや、温度管理のTipsなどを知ることができたのは収穫。
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図書館で借りた。
世間で言われているワインの常識が科学的に正しいかどうかを解説したり、歴史や発酵や熟成で何が起きているかを説明している。
赤ワインと白ワインの違いはただブドウの種類が違うだけかと思っていたら作り方が全然違った。世間で言われている知識をそのまま適用するだけでは、その目的としていたことを実現できないことも分かった。なぜそのようなノウハウが生まれたのかを理解することはワイン自体を理解することにもつながると思える内容だった。
これを読んでようやく甘口と辛口が何を指すものなのかが分かったような気がする。
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微生物学・生化学の復習をしているようだった。文系の人にとっては馴染のない単語や知識が多くあり、とっつき難い本であるかもしれないが、私はむしろ導入からとても入りやすかった。科学的に色々な方向からワインの性質(ブドウの性質、ワイン造り、健康作用)を分かりやすく理論立って書いており、とても楽しめて知識も得られたと思う。
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題名の通り科学の視点で書かれている。何個かの疑問点は解決できた。読んでもふーんって感じのものも多い。亜硫酸塩の役目がハッキリしたことは収穫。
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最近、国立科学博物館で始まった「ワイン展」に行く前と後に読んだ。本書と同展の展示は良い意味で重複する部分が多く、予習・復習に活用できた。逆にいえば、ワイン展の図録を購入しようかと現場で真剣に悩んだが、本書を通読することで、基本的な歴史と自然科学分野の知識は十ニ分に得られる。ただ、もちろん同展は歴史とアート、そして体験型展示も含めた総合的な視点が特徴であり、本書の主な目的と異なることはいうまでもない。
本書では、ワインのことを説明するために、ビール、焼酎、ブランデー、ウィスキー、日本酒等、その他の酒についても紹介されている。ワインという一つの酒を説明するために「比較」の軸を設定して、成分や製法を解説している。分析方法は分野を問わず似ていることがあると感じた。この比較は多くの場面で用いられ、ワイン栽培にむく気候を説明する場合でも、雨量や日照量、温度といった指標で差がみられた。
最もおもしろかったのは、数量化Ⅲ類でブドウの品種を分析している図表である(p.46)。第1軸を西洋系―東洋系としているが、第2軸はV.labruscaの軸で散布図を描いている。その結果、見事に遺伝子レベルで欧州系、米国系、東洋系が明確に区分されていた。
とはいえ、ワインはどこまでいっても嗜好品のお酒であり、固いことを言わずに、その時々でおいしく飲めばよいということが、著者の基本的な姿勢である。もう少し基礎的なことを理解したら楽しみたい。
関連記事
http://www.pharmacol.or.jp/fpj/topic/topic116f.htm
https://www.researchgate.net/publication/237091588_SSR_Genotyping_of_Wild_Grape_Species_and_Grape_Cultivars_of_Vitis_vinifera_and_V_vinifera_V_labrusca
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こらオモロイです。何故にワインは美味しいのか?という事を、ホワッと思うのではなく、トコトンまで科学的に追及しまくった一冊ですね。ワインを詳しく知りたい、しかもマジメにちゃんと知りたい、という人には、大変に面白い内容だと思われます。めちゃんこガチなので、すんごい意味不明の化学式とか、バンバン出てきますので、全然理解できない箇所も沢山たくさん、でした。
1999年に発行されて、2016年で11刷、きっと、ずっと読み続けられている名著、ということのできる一冊なのでしょうね。文中のところどころに、1999年以降の話題も書かれている箇所がありますので、追記や改定などもされているのでしょう。ちゃんとしてますなあ、素敵ですね。
お酒と言いましたら、やっぱりビールが一番好きなのですが、こういう本を読みますとね、ワインでも焼酎でも日本酒でもウイスキーでも、それぞれのお酒にそれぞれのロマンがあり、自然の恩恵という不思議なものがあり、アルコールってすげえぜ、って思うのですよね。「酔う」ということの神秘を感じますね。人間は不思議です。お酒って、謎ですなあ。
今後も、どれだけ世の中が進んでも、お酒と酔っ払いは、
人類の歴史から消えることは無いのだろう、とかね、そんな壮大なことまで考えるのでした。はあ、もっとワインを飲みたいものだなあ。うむうむ、良い本でした。
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2016/12/03-2016/12/09
星3.7
(この本は、ブクログさんの献本企画で頂きました。)
https://hon.booklog.jp/present/cheese-wine-20161117
多少煽り気味な部分はあるものの、全体的に科学の部分とワイン文化的な部分が上手く組み合わされた読みやすい文章でした。
1999年初版の本ですが、古い印象は受けませんでした。
ワインの瓶を横に倒してコルクを濡らす理由と、発酵の話が興味深かったです。
小さい辞書的に使うこともできる書籍でした。電子書籍にして検索性を上げたものがあると便利そうです。
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これまたブクログさんからの頂き物。ワインについて、その性質や製造法から楽しみ方まで科学的アプローチから説明されており、様々な「間違った常識」を正しています。私も亜硫酸添加を誤解していましたが、ビールのホップと一緒だと考えると分かりやすいですね。ワインに敷居の高さを感じてる人は「おわりに」を読むだけでも価値ありです。
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一般的に言われることがウソであることを知る。とは言えそれもにわかに信じ難く、正解はないという感じ。化学面は理系として面白かった。
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理系ワインラバーへ(文系でもいける!)
ワイン愛飲家ですが、とっつきにくかった造り方について系統的にわかりやすく解説されており、非常に面白かったです。
保存方法や瓶内熟成などについては、古い本ということもありますし、科学的に疑問を感じてしまうところもありました。
後半、活性酸素やアルコールの分解など難解になりますが、興味がある方には掘り下げていく良いきっかけになると思います。
私個人としては、ポリフェノールについて、特にワインとチョコの効果について、探求したいと思っています。
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自分が好きな味はわかるけど、それをどう表現して、どのワインを選ぶのかに悩んでました。その参考にすごくなりました。
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先日「日本酒の科学」を読んだときに、「どうして日本では(酒が)弥生時代以降に入った米で作られて、しかも製造法もかなり難しい日本酒が発達したのか? (ワインが発達しなかったのか?)」と書いたら、kuwatakaさんから「(本書に)日本でワインが大量に出来ない理由が解説されていたように思います」とコメントを頂いた。それで紐解いた。よって、そのことのみに絞ってレビューします。清水健一さんの本来の主張については「科学者が書いたワインの秘密」を2016年にレビューしたので、そちらを参考に。
結論から言えば、「縄文時代に誕生していたと考えられる我が国のワインですが、欧州の場合と異なり、その後は穀物酒に圧倒されて独自のワインが形成されず、明治時代の文明開花と共に、海外から新たにワインが入ってきたのが実情のようです」となる。と、書けば身も蓋もないので、もう少し詳しく展開する。
・世界初のワイン造りは、1万〜8000年前の新石器時代、シリアのダマスカス近郊で発見された、果汁絞り器とブドウの種で類推される。イランでは保存液の添加も行われていた。
・BC17-16世紀、ギリシャに伝播。濾過技術の発達で、透明な液になる。水割りとか果汁やハチミツを加えてカクテルとして飲用されていた。
・ローマ時代は搾汁機の発明、高品質ワインの製法、加熱殺菌、濃縮方法、低温発酵法、樫樽を使用する発酵、熟成法などの現代ワイン製造技術の基礎が出来上がった。
←当たり前なのだが、「果汁をほっておけばワインができる」だけでは、ワイン飲酒文化は定着しない。供給できるだけの技術とそれに見合う需要がいったのである。
・日本の最初のワインの証拠は、縄文中期(BC30)の長野県井戸尻遺跡、山梨県釈迦堂遺跡の有孔鍔付土器。蓋に穴があり、中にヤマブドウの種が残っていた。発酵させてワインを作っていたことは明らか。
・液体発酵文化を培った欧州に対して中国は固体発酵、日本の清酒は半個体発酵と、歴史的な違いがあり、液体発酵は育ちにくかった。
・明治時代になって、政府の支援のもとに、欧米から葡萄品種が導入されて、試験栽培されたが、乾燥地を原産とする欧州系のワイン品種は、我が国の高温多湿な気候や排水性の悪い土壌のためにことごとく失敗した。
・以後我が国のワイン醸造には、800〜1300年前に山梨に導入された欧州系東洋種(欧州の品種とは1万年前から違ってきている)の甲州が使われた。また、キャンベル、デラウエア、コンコードなどの米国系品種や我が国で交配されたマスカットベリーAなどが、長い間原料として用いられてきた。
←そうか!それで甲州やベリーAが有名なんだ。
日本の気候と土壌では、そもそも葡萄はなりにくかったのか!それだけで、ワインが発達しなかった理由にガッテンがいく。
以上、ワインが発達しなかった理由にかなりガッテンがいきました。私は、日本酒の発達は独自の宗教的な理由があるのでは?と疑っていたが、基本は安定的に供給できる材料は米だけだった、というのが真実のようだ。
序でに、ワインの健康効果について。
日本酒が百薬の長というのは前回よくわかった��、日本酒になかった効果が2点ワインにあった。
①人間の血液はややアルカリ性に偏っている。ところが偏食すると血液が酸性に傾く。それを直そうと身体が働くといろいろストレスが溜まり、病気の引き金になる。ワインは、そもそもは酸性なのだが、ミネラル分であるカリウム含有が高いので体内で塩基性(アルカリ性)になる。世界の主要な酒の中で、アルカリ食品に属するのはワインだけ。
②有名になったが、赤ワインのポリフェノールは抗酸化作用が高く、心臓病、癌の発病率が低くなる。
←いずれにせよ、適量を飲むことが大切ですね。