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この人の研究についても触れるという明日の日本史研の講演会に備えて読んだ。(でもこの本は実は講演会の内容とはあんまり関係ないのかも・・・。)宮本常一と関わりが深いのだなあ。明日の講演会をきっかけに彼ら二人の本を違う視点から読めるようになれば良いなと思う。
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http://bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=1594486
講談社学術文庫
チュウセイサイコウ
中世再考
著者: 網野善彦
発行年月日:2000/11/10
サイズ:A6判
ページ数:270
シリーズ通巻番号:1448
ISBN:4-06-159448-6
定価(税込):861円
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網野先生による日本の中世の本。といっても武士の話題ではなく、中世の民衆の生活ぶりについて、少ない史料から構築することを試行している。当然ながらハッキリした分かりやすい結論が書かれているわけではなく、内容も正直いって素人には難しいところが多い。雰囲気だけでも楽しめればいいかな、という感じの本。
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封建制度の中では自由がなかったように語られるが、中世には移動の自由や年貢等の交渉の自由があったそうだ。また、本来、「自由」の語義は「専恣横暴な振舞」でマイナスな意味であったが、戦国時代から「他に拘束されない」というプラスの意味が含まれるようになったということを知った。また、中世の庶民は年貢が苦しく貧乏で苦しい生活だったイメージを持っていたが、中層でも資産を持っているという。漁村でも、今では想像しにくいが、海洋交通で遠くの場所と直接つながっており、貿易・貨幣経済が広範囲に広がっていたことが面白い。村の成り立ちを考える際には、西国の横のつながり、東国の縦のつながりという対比は興味深い。確かに、西国は同じ規模の家々が多くつながりが深いように思う。例えば、戦国時代の一基を考えると、中部地方から西国が多かったのではないか(山城、長島、加賀等)。一方、東国では、武士による支配層と庶民の関係、鎌倉時代に成立した御恩と奉公の関係が領地支配にも影響したのではないかと思った。
中世を様々な角度から述べたこの本は、一冊で多様な見方を知ることができて面白かった。