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書き出しが有名
2022/03/13 02:03
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
そして、死刑まで○日、というのもドキドキ感。お話は、主人公の不倫相手と友だちが頑張り……ハッピーエンドになるのですが、肝心の幻の女、がねえ。ここは、もう少しひねりが欲しかったところです
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サスペンス名作。1942年に書かれてるなんて驚き。そのくらい巧みな構成です。古典の部類ですね。
トリュフォーが映画化した「黒衣の花嫁」のほか
「暗くなるまでこの恋を」の原作、暗闇へのワルツも読みたい。
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「幻の女」はおよそ80年前に出版されたミステリー小説だ。しかし今読んでも全く色あせていない。
冤罪をきせられたスコットの無実を証明するため、アリバイを実証してくれる見知らぬ女性を探す。しかし、バーやレストラン、タクシー、劇場・・・スコットは女性と同伴だったにもかかわらず、誰もがそんな女性は知らないと言う。
一体誰が嘘をついているのか本当のことを言っているのか。実際にその女性は存在したのか・・・。
スコットの冤罪を晴らすために親友のロンバートとスコットの恋人キャロルは奔走するが、なかなか決め手に辿り着かない。
スコットは死刑をまぬがれるのか・・・。
久しぶりに読み応えのあるミステリーに出会った。
お見事としか言いようがない。
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古典中の古典であるが、どんな内容か知らなかったので、新訳版が出たと聞いたので読んでみた。死刑執行の日が刻一刻と迫る中、ある女が鍵を握っているというので、事件の新たな展開が見えるかと死刑執行の日が来るのと合わせて先が気になってしまい、ハラハラドキドキしながら読みすすめていった。幻の女とは一体どのような人物なのか、目的は何か、どこで登場するのか、てかがりとなる証言があるのか、警察に何か動きがあったのか、真相究明が掴めないまま、執行して良いのか、最後まで気になる。ラストは衝撃が大きく、改めて名作だと感じる作品。
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翻訳ミステリー小説の名訳と言われる『夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。』で始まる、これを読まずして・・・という超有名なこの小説。これが1942年作ってことがミステリーや。
結末のかなり強引な感じは否めないが、まあ、何といいますか、映画ですよ、映画、これは映画ですやん。(映画化されてますね。1943年)
個人的には翻訳小説は表現が面倒臭くて苦手ですが、やはり名作と言われる物は今読んでも楽しめるのも事実。
ネタバレしますと、この幻の女とは・・・・・
おっと、誰か来たようだ。
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不朽の名作と名高い作品のようだけど、
存在を知ったのは恥ずかしながらつい最近で
新訳版が出たということで手にとってみた。
読んでみると、さすがの名作で引きこまれて
すぐに読んでしまった。
1942年の作品ということだけど、
今まで自分が読んできたり見てきた
いろんな小説や映画の中に
本作のエッセンスを感じ取ることができた。
そのくらいいろんなところに影響を及ぼしている
名作だということに今更気がついた。
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面白かった。
冒頭のあまりに有名らしい(自分は知らなかった)書き出しを読んでこれはどんなジャンルでもいいから読んでみたいと思い読み始めた。
ジャンルはミステリーとかサスペンスになるのか。
普段そこまで多く読まないジャンルなので最初は少し読み止まってしまうことがあったが、中盤からの先が全く読めない展開からは一気に読み切ってしまった。
衝撃の結末もおおいに楽しめたがこの本の一番の魅力は序文からあるようにセンスの固まりのような文章にあると思う。
ところどころでものすごい描写がでてくることと世界観全体がモノクロで夢見心地な感じがする。ところどころで出てくる乗物(電車、自動車、エレベーター)の描写などは読んでいてぞくぞくした。
舞台は1940年代のニューヨークだがなぜか最初はもっと昔のロンドンだと思って読んでいた。
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妻との喧嘩からむしゃくしゃして行きずりの女性とデートし、家に帰ってきたら死体の妻が待っていて、妻殺しの嫌疑から死刑執行を受けてしまった男のアリバイを証明できるのは名前も知らないその女性だけ・・・という設定が名探偵の不在と共に個人的には素晴らしいと思う。
妻殺しの犯人も重要だが、「女性をどう発見するか?」に重きを置かれており、デート中の描写が伏線となってくる。
そして名探偵の不在から、女性が判明する(若しくはしない)のは死刑の執行後になってしまうのではないか??という結末が見えない緊迫感が良い。
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1942年発行、最初の邦訳は1955年という、古典的なミステリの新訳。
著者は、コーネル・ウールリッチ、ジョージ・ハプリィの別名義も持ち、本作以外に『黒衣の花嫁』、『死者との結婚』などでも知られる。映像化された作品も多い。
男がいらいらしながら夜の街を足早に行く。不仲の妻を宥めようと外出に誘ったが、こっぴどくはねつけられたのだ。腹立ち紛れに入ったバーで、派手な帽子の女と隣り合わせる。男はふと思い立ち、その日、妻といくはずだったショーに女を誘う。一夜限り。下心はなし。互いの連絡先も名前も聞かない。ただ食事をして、ショーを見て、グラスを傾け、「おやすみなさい」と別れよう。妻への当てつけと憂さ晴らしのつもりだった。女は承諾する。それなりに楽しい時間を過ごし、帰宅してみると、妻は殺されており、彼は容疑者だった。
彼の無実を証明できるのは、あの女だけ。しかし、その行方は杳として知れなかった。
出だしがなかなかの名文である。訳者あとがきに原文が引かれている。
The night was young, and so was he. But the night was sweet, and he was sour.
新訳ということで、あとがきには歴代の訳を紹介する解説が記載されている。
まだ宵のうち、これからデートを楽しもうとする街の華やぎの中を、男は苦虫を噛みつぶしたように刺々しく歩く。冒頭で読者を作品世界にぎゅっと引き込む巧みな描写である。
冒頭に限らず、情景描写、心理描写に気が利いている印象深い箇所が多い。帽子ばかりが目を引くが、容貌は取り立てて取り柄のない女。伝票に記された番号、「13」。エキゾチックでエキセントリックな歌手。
絶望的な状況に陥った男だが、刑事も男が真犯人なのか疑いを持ち始めていた。
けれど、このままだと男は死刑に処される。カウントダウンが進む中、男の恋人と友人が捜査に協力する。
「幻の女」はどこだ。しかし、女に手が届きそうになると、するりと手がかりは逃げ去っていく。このあたりの展開も計算されスリリングで、終盤に向かってサスペンスが増していく。
手詰まりかと見せておいて、最後に意外な結末が待つ。
難を言えば、個々の描写は小粋だが、性格描写が今ひとつに感じる。容疑者の男には妻以外の恋人がいる。妻の機嫌を取って、離婚話を進めようとしていたのがその夜の計画だったのだ。ここで、妻が非常に邪悪であるとか、男が妻と結婚してしまうどうしようもない理由があったとか、それなりの「よんどころのない事情」が絡むならばともかく、そういうわけでもない。恋人はただ美しくて優しい女性で、彼はただ真実の愛が妻との間にはないことを悟ったのだ、といわれても、今ひとつ、男やその恋人に肩入れはできない。個人的にはそのあたりが少し「薄い」感じがした。
ともあれ、全般にはらはらさせられるページターナーとは言えるだろう。
余韻を残す「幻の女」も印象深い。
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ミステリーの古典とも言える「幻の女」。
今回、新訳が出たということで読んでみようと思った。
夫婦の間も冷え、夫は妻へ離婚の話をするが相手にされない。恋人の勧めもあり妻とゆっくり話すために観劇と食事に誘う一笑される。腹を立てながらも、自分で決めた最初に出会った女性と一晩を過ごすことにする。変わった帽子を被る女性に声をかけ、自宅に戻ると妻は死んでいた。
突然殺人犯にされ、死刑執行を待つ身となった男は、昔の友人に捜査を依頼する。その頃、事件担当だった刑事も違和感を感じ事件を単独捜査しはじめる。
単純な物語で、意外とも感じたけれど、これがちっとも単純じゅんじゃなく、何故か帽子の女のことを憶えているひとが全くおらず、まさに幻の女。
死刑執行までの日数を章に表し、読者をさり気なく焦らせながら、物語は進んでいく。
一体、幻の女とは誰なのか。妻を殺したのは誰なのか。
無駄がなく、とてもよく出来た作品だと思う。
1942年刊行で、作品の端々からも戦争の香りをかすかに感じられる。
どうでもいいけれど、海外では死刑囚との面会で死刑囚監房に入れるようだ。
作品では刑事も友人も死刑囚である男に触れんばかりな状況で会話をしている。こういった設定にとても驚く。
日本では面会室で強化ガラスかなにか越しでしか会えないし、それも未決死刑囚だけだったと思う。
死刑囚が煙草を吸いながら面会人と話す姿というのは、随分自由だ。
有名な書き出しである
夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。
この書き出しだけで既に名作の薫りがする。
単なるミステリーに終わらせず、文学作品でもあるかのように始まる叙情的な文章はとても美しい。
さっさと事件起きて犯人さがしさせろとがっついていた若いわたしには、この作品の持つ余裕というか最早格調の高さを感じさせる書き出しを味わうことは出来なかっただろう。今読むことが出来て良かった。
最後まで堪能出来る素晴らしい一冊だった。
悩みながら翻訳した黒原敏行さんもお見事。
この作品を読んだら、他の古典も読みたくなるじゃないかあ。
もうこれ以上《次に読もう棚》に入らない。だから追加で《次の次に読もう箱》を作成。早速つまずいて蹴っ飛ばしていた夫に、蹴らないでと無茶な言いがかりをつけながら。
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夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。
最初の一行に、衝撃を受けました。 カッコイイ。
というか、「あ、これって決まり文句?名文句?としてどこかで聞いたことがある…これが出処だったのか!」と思いました。
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1942年、アメリカ小説。
いわゆる「海外ミステリーの古典」です。
レイモンド・チャンドラーさんが「大いなる眠り」を出したのが1939だそうなので。文体としてはチャンドラーなどの影響下、というか同世代と考えていいのでしょうか。
一人称ではなくて三人称なんですけれど、乾いて洒落て気の利いた文体で世界観に持っていってくれています。
#
ウィリアム・アイリッシュさんの作。
ぢぁあこの人はアイルランド人なのかというとよく知らないのですが、アイリッシュはペンネームで。コーネル・ウールリッチという本名でも色々書いている人だそうです。
「黒衣の花嫁」も書いてはる、ということを初めて知りました。トリュフォーさんの監督した映画の原作ですね。
#
ずっと昔。多分30年くらい前から本屋さんで背表紙は見ていた本。
今回、なんとなく、とうとう読んでみました。
40年代、ニューヨーク。夜。
若い男が、バーで初対面の女性に声をかける。
女は奇抜な帽子が目立つ、妙齢のたたずまい。
二人は名乗ることもなく、食事をして軽演劇を楽しんで、名乗ることもなく別れる。。。
若い男は、若い妻と大喧嘩して飛び出してきた勤め人だった。
妻との中は冷えて、今は別に恋人がいる。
すべて正直に話したが、妻は意地悪く離婚に応じてくれないのだ。
憂鬱な気分で帰宅した男だったが、待っていたのは。 自分のネクタイで絞め殺された妻の遺体と、彼を犯人と信じて疑わない警察だった…。
逮捕された男は、
「奇抜な帽子の女、あの女が僕のアリバイを証明してくれる」。
だが、その女は幻のように消えてしまった。
その女と彼を見たはずの店員たちも、「そんな女は知らない」と口を揃える。
死刑が確定した男。
絶望に陥る彼を、友人と、恋人、ふたりが励ます。
「死刑執行のその日まで、絶対に、幻の女を探し出してみせる」
#
なかなか、面白かったです。
ミステリーっていうのは。
(何だか偉そうで恐縮なんですが) だいたいが、謎がありまして。そうぢゃないとちょっと盛り上がらない。
で、その謎は最後には解けることになるんですけど。
謎の解け具合とか、真相のトリックとか、そういうことのリアリティだとか信憑性とか説得性とかっていうのは、実はまあ、それほど重要ではないと思うんです。
(だからと言って、「宇宙人でした」「超能力者でした」みたいなことでも、それはそれでちょっとまあ、どうなんだろう、とは思いますが。でも持って行き方が面白ければ、ありですね)
大事なのは、そのミステリアスな、謎���いた感じの、ちょっと不安でふわふわして、足元がしっかりしていない、サスペンスな味わいっていうか。
前半から中盤にかけて、その謎や問題で、どういう世界観を見せてくれるのかなあ?
みたいなことが、キモなのではないでしょうか。
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という訳で。
「幻の女」も、最終盤、謎解きに関して言うと、「ああ、なるほどね」と思いつつ、「それぁちょっとひどいなあ」なんてニヤッとしちゃったりもするんです。
でも、中盤過ぎまで、終盤までの、なんというか。都市の闇、夜な味わい。ダーク。犯罪。わくわくする欲望と、ゾクゾクする恐怖。そして飽きさせない展開。
そんなところで、十分に楽しませてもらいました。
そして、原文がそうなんでしょうが、文章素敵ですねえ。
やっぱり、それも冒頭が、ノック・アウトでした。
ネットで見たら昭和の英文翻訳家の人が「どれだけの人が衝撃を受けただろう」とおっしゃってるそうです。
歌謡曲の「恋人よ我に帰れ」に似たような一文があるそうで、そこから着想した一文だそうですけど。
僕も、何も知らずに読み始め、冒頭、「おおおおお」と、目を丸くしました(笑)
名文、っていうのは、力がありますね。意味を超えて。いや、名文そのものに表現としての意味が、あるんですね。
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以下、ネタバレ備忘録
●苦労して何人かの証言者が見つかる。「何者かに脅されて、あの女を見なかったと警察に言え、と言われました」
●だがその証言者たちは、次々と殺されてしまう。
●実は、奔走していた友人が、犯人だった。主人公の妻と、不倫関係。痴情もつれて、殺し。証人も自分で見つけては殺していた。
●最後、警察と恋人が、真相を見抜いて逮捕。めでたし。
●奇抜な帽子の女は、なんと精神病院の入院患者でした…。
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前々から(それもかなり前から)気になっていながら未読だったこちらを読みました。
珍しく1日で一気に。
それだけの名作です。
さすが古今東西のミステリー・オールタイムベストのような企画があると必ず上位にランクインしている作品だけありました。
1942年刊。すでに「古典」の部類と思いますが、色褪せませんね。大いに楽しませてもらいました。
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犯人もそんな感じなのかなと思ってしまったし、女の人もそんなオチ?というようなちょっとがっかりが強かった。
期待値が高すぎたのか、読んでいる途中ワクワクからえ?終わり?感が強かった。
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妻殺しの嫌疑を掛けられた男。
無実を証明するためには、
ある晩6時間だけ共に過ごした女を
証人として見つけ出すしかない。
だが彼らと接触した人々は皆、
その晩男は一人きりだった証言する。
男の無実を証明するため、
彼を信じる者達が幻の女を探し回る。
ストーリーはよく知られている。
幻の女は本当に実在するのか、
実在するなら、何故人々は
「見ていない」と証言するのか。
妻を殺した真犯人は一体誰で、
目的は何だったのか。
謎だらけ。
新訳だけあって読み易い。
ハードボイルド調の洒落た文章が
物語の雰囲気を高めていてた。
死刑の期日が刻一刻と迫って来る中、
光明が見えた途端に消えてゆく歯痒さに
無実の罪を着せられた男と同じ
焦燥を感じ、頁を捲る手が止まらない。
そして待ち受けていた、驚愕の真実。
エグいくらいに面白かった…
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ザ・どんでん返し。予想出来なかった、面白かった!読み始めると止まらなかった。これが1942年の作品だなんて…何年経っても色褪せない名作。