投稿元:
レビューを見る
横山さんの短編集。ホームページ担当の警部など、いろいろな職業人のエピソード。どれも‘情念’こもってます。図書館予約数は13(2010/02/27現在)です。
投稿元:
レビューを見る
その名前を見ただけで、安心できる作家さんは何名もいるけれど、
横山さんも明らかに私の中ではセーフゾーン。
長編・短篇・連作いずれにおいても、100%外れがないというのが嬉しい!
看守眼、というタイトルで最初に思ったのは、看守の人が主人公で、その職業を通じて
さまざまな囚人と交流し、その人柄に触れ、人や罪を描いてゆくのかな?
なんて感じ。
ところが、展開はまったく違う。主人公も警察関係者の他にも調停員やライターなど、さまざま。
最後に本音が浮かんだり、さびしくなったりどっと疲れたり・・
本は薄いのになんとも重厚な濃密な作品集。
香納諒一に並び、この人も短篇の名手であることに疑いはない。
前者がダンディーな都会派だとしたら、こちらは重厚な年輪を感じさせる市井の名手か?
投稿元:
レビューを見る
母が読んでたので。
看守眼で1冊かと思いきや、6本の短編集。
どの話もテンポがよく、すらすら読める。
誰もが心の底にもっているような、ドロドロした感情の描写が上手いなあと感じた。その分読了後もあまりスッキリしないが(笑)
現実に近い本格派小説かと思っていたが、意外とご都合主義な展開が多くて少し拍子抜け。これは好みの問題だが。
投稿元:
レビューを見る
まさかの短編集に驚きつつ、それぞれの内容はしっかりしていたので満足。
ただ、無理矢理繋げた感が漂う話もあり、やや不完全燃焼。
投稿元:
レビューを見る
警察官の出てこない事件モノ。短編集だが一つずつの物語の裏側に人生を送ってきた人物像が浮き出ていて面白い。人生に汚点なしの人間なんていない。と改めて気づかせてくれる。
投稿元:
レビューを見る
人として誰もが持つ欲や負の感情を描き出す筆致が相変わらずすごい。
それが出ているか出ていないかで、収録されている作品の出来がだいぶ違う。
「すげえ」と思うものもあるし、「どうしてこうなった」と思うものもある。
「動機」の頃あたりに比べると構成がストレートで、驚きに欠けているのが寂しい点ではあるかな。でも面白いんだけど。
投稿元:
レビューを見る
2009年9月24日読了。表題作「看守眼」のほか、「自伝」「口癖」「午前五時の侵入者」「静かな家」「秘書課の男」の6篇。「真相」や「深追い」と同様、必ずしも警察内部の人間が主人公ではなく市井の人々にも焦点を当てている。横山作品は女性が主人公のものが比較的少なく、そのひとつである「口癖」が同じ女性として面白かった。手に汗にぎる、という緊迫感はなく、しみじみと味わう作品集。読後しばらくして、表題作の「看守眼」を原作とし、「陰の季節」シリーズとしてドラマ化された「失踪」を見る機会があった。原作には登場しない二渡警視を主人公に据え、原作では未解決に終わった事件を解決させ、事件当事者の心理にまで迫ることでドラマに深みが出ていた。横山作品のドラマ化はどれも質が高く、すでに原作を読んだ作品もまた再読したくなる。
投稿元:
レビューを見る
短編集。
今回はどちらかと言えば、中年男の葛藤といったところか。
どれも舞台が違い、楽しめた。
横山秀夫、いつも裏切られず、読み応えがある作家さん。
投稿元:
レビューを見る
短編六編収録。
横山さんらしく心理描写がしっかりしていて、特にミスを隠ぺいしようと新聞記者が奔走する『静かな家』は読んでて、他人事とは思えませんでした(笑)
他の作品もなかなか読みごたえのある良作ぞろいです。
投稿元:
レビューを見る
2014.8.24読了
人の持つ闇の考えみたいなものを改めて感じた。どれも比較的読後感が良いのが救い。
投稿元:
レビューを見る
刑事になるという夢破れ、留置管理係として職業人生を閉じようとしている、近藤。彼が証拠不十分で釈放された男を追う理由とは(表題作)。自叙伝執筆を請け負ったライター。家裁調停委員を務める主婦。県警ホームページを管理する警部。地方紙整理部に身を置く元記者。県知事の知恵袋を自任する秘書。あなたの隣人たちの暮らしに楔のごとく打ち込まれた、謎。渾身のミステリ短篇集。
投稿元:
レビューを見る
いつか刑事になる日を夢見ながら、留置管理係として過ごした近藤。まもなく定年を迎える彼は、証拠不十分で釈放された容疑者の男を執拗に追う。マスコミを賑わした「死体なき殺人事件」の真相を見抜いたのは、長年培った「看守の勘」だった。(『看守眼』)ほか、短篇の名手の本領発揮、人生の一瞬を切り取る渾身の小説集。
投稿元:
レビューを見る
刑事になりたかった看守が未解決事件を追う
看守として犯罪者を見続けていたからこそ顔つきで犯罪者か否かわかる…ギラギラする的に
短編集だと、一瞬の煌めきというか、トリックのキラリズムが欲しいところなんだけど、この作品集はいま一つ
動機の方が完成度は高かったかな
投稿元:
レビューを見る
先生は『半落ち』『クライマーズハイ』等で特に有名ですが読んだことは無いし、映画も見たことはないし、これからもその予定は無いのですが、そんな有名な先生とは知らずに適当に書店で手に取った『看守眼』がとても面白かったので、今『深追い』という本を読んでいます。
この二冊はどちらもミステリィ短編集です。くどいようですが先生の本は読んだことがないのでどのような作風なのかも一切存じ上げないので、もしかしたら先生の真骨頂は長編にあられるのかもしれないのですが、この二冊を読んで(まだ一冊は途中ですが)思うのはこの人間くさすぎる登場人物が長編にわたって活躍できるのだろうか、と疑いたくなる程キャラクターが身近であったり、自分の知っているもう一人の自分だったり、とにかく人間臭い、泥臭い。
そしてその自分のネガティブな部分と簡単に向き合えるこのツールの麻薬のような本に出会ってしまったので、もう長編は読めません。長編なんて鬱になっちゃう。
けれど先生はそういった、長く読めば軽く鬱になりそうなほど人間の影だったり、人々があえて気付かない様にして過ごしているネガティブな感情を、それでいてさらっと描写されている。というよりそこにはほとんど触れていなくて、ただ読み取れる世界観の中にうまく埋没させてあるのですけれども、それがまたなんとも居心地の悪さをを与えているのです。
例えば嫉妬だったり、恋慕だったり、保身だったり。
それでも読んだ後はいつも爽やかです。なぜか。
もちろんこれは個人の感想ですので、根がポジティブなあなたが読めばまた違った感想を抱くかもしれないし、完全無欠の天才数学者が活躍するようなサスペンスが好きな人にはどうもしっくりこないかもしれない。
そんなみもふたも無い感想で終わりますが、ちょっと気が向いたら読んでみて下さい。
僕はなんか勇気づけられました。
こんなんでもいいんだって。
あ、あとミステリィ好きにもオススメです。
上から目線ですがサスペンスとしても良くできていると思います。
誤解を恐れずすっごい判りやすく言うと、宮部みゆき先生の短編集のリアル版です。
これを読んでリアルを感じれたら僕と近しい人です。
何故こんなに少ない描写で人間のリアルさとミステリィと両方を描けるのか不思議ですすごい人がいたもんだと感服しています。
投稿元:
レビューを見る
面白い。目の付け所がいい。特に看守眼。短い物語に、それぞれの主人公の思いや人生が凝縮されている。珠玉の短篇集である。