投稿元:
レビューを見る
豊かな自然と宇宙港を擁した南の島・多根島に、1年間の『宇宙遊学生』としてやってきた、東京の小学6年生天羽駆。
多根島宇宙港で、日本宇宙機関の職員として勤務する、ロケットマニアの加勢遥遠。
主にこの2人の心情を軸に、春から夏の終わりまでを描く。
ロケット×自然×少年少女という川端さんの得意アイテム満載!
正直、ロケットについての説明は難しくてほとんどわからず、物語世界の酔いがさめるというか、早くストーリーに戻ってくれよ…と感じるところも多々あったが、それは目をつぶって。
季節もちょうど良いし、早く秋冬編を読みたい!
投稿元:
レビューを見る
宇宙遊学生の3人と、島の子、4人の小学5、6年生が、夏のロケット競技会に向けて自分たちの手でロケットを製作し、打ち上げる話・・・・ なのだけど、そんなに単純な話じゃない。遊学生それぞれに家庭の事情がある。島の歴史がある。そして、彼らに協力してくれる大人たちもただの「大人」の役割を果たす人たちではなく、それぞれに挫折を抱え、鬱屈した思いをもち、夢を見、情熱を傾ける。正直、宇宙に興味はないので、ロケット関連の部分は飛ばし読みだが、一年の滞在後に、彼らがそれぞれ摑むものに興味がある。
投稿元:
レビューを見る
豊かな自然と歴史遺産があり、現在は宇宙センターのある種子島をモデルに、そこに国内留学してきた小学生たちの物語。しかし、自然大好きな主人公駆と、宇宙オタクの周太を中心とし、それをめぐるいろいろな立ち位置のたくさんの大人たちを配したストーリーは、どうしても宇宙ネタ、自然ネタ、歴史・神話ネタとに分離してしまい、各章が別々の登場人物の視点から語られるという構成的問題もあって、全体のばらばら感が否めない。
投稿元:
レビューを見る
親元を離れ、1年間を南の島でホームステイをしながら生活をする子どもたちの成長の物語。自然あふれる南の島、しかもそこには最先端のロケット発射基地がある。このギャップの中で物語は展開していく。日本のどこかの島がモデルであろうとは推察できる。
自然描写とロケット技術に関する科学的表現が子どもたちの生活を介して融合し面白い物語になっている。「秋冬篇」もあるのでそちらも読んでみたい。
投稿元:
レビューを見る
都会の小学生がロケット打ち上げ設備がある多根島に宇宙遊学と称して、1年間の宇宙遊学にやってくる。主人公の天羽駆(あもうかける)は宇宙よりも生物に興味があったのだが、宇宙が好きすぎて人工衛星や探査機の軌道計算までしてしまう本郷周太、その他にフランス人の母を持つ藻奈美、地元で生まれ育った希美と行動しているうちに、当然ながら(自然にではあるが)宇宙遊学中のイベントとして、島の特産の黒糖飴を燃料にしたミニロケットを打ち上げたりする。
春夏編では、1年の遊学期間中の前半の物語。少年たちが自然を通して、空を見て宇宙にまで想いを馳せる姿は清々しい。自分も子供ころに宇宙遊学ができたら絶対に参加していたなあ。本作品はSFマガジンで連載されていたので、すでに既読ではあるが何度も読みたい作品である。続編の秋冬編を通して読むと、少年たちが成長していく姿を見守ることができる。宇宙好きならとても気持ちがよくなる作品である。