投稿元:
レビューを見る
東京會舘をめぐる、時代をかけての連作短編集。
冒頭から登場する作家さんは男性だけど、これはきっと辻村さん本人なのね、と思いながら読む。
1章~3章、大正~昭和初期で、戦争の色が濃い。
4章は接収され“アメリカンクラブ・オブ・トーキョー”となっていた時代のバーの名カクテル誕生秘話w
5章は「しあわせな味の記憶」・・・これも秘話ですねーw
これには思わず涙が・・・下巻がますます楽しみに!
ツレと東京で食事をした後に、お散歩してる時たまに通って、なんだろう?きらびやかね?パーティーでもやってるみたいね、とか言いながら見あげたりしてたけど、こんな歴史的な場所だったのね!と慄く・・・これは中に入ってみないと!という思いが募る・・・でも今は休館中なのよね~~、残念!!w
投稿元:
レビューを見る
東京會舘の100年近い歴史における群像連作小説。
上巻は大正12年(1923年)から昭和39年(1964年)の間を五つのエピソードで繋げていて、登場人物が重複することで連作性が強く出ています。
また、歴史的事実を描くのではなく、それに関連した人の物語を描くことで、時代や會舘の歴史を紡いでいるように思いました。
各作品の主人公も、小説家、ボーイ、花嫁、バーテンダー、パティシエと、會舘の内外からの視点で飽きさせません。
ちなみに、東京會舘と関連のある、帝国劇場の観劇(森繁の屋根の上のバイオリン弾き、しかも500回記念公演)、帝国ホテルの挙式(大学の友人で職場の同僚の結婚式)、パレスホテルの宿泊(妻と)はしてましたが、なぜか東京會舘には行ったことがありませんでした。
というこで、下巻が楽しみです。
投稿元:
レビューを見る
第一印象は…「辻村深月っぽくないな」という印象。
連作短編で前話の人物が出てきたりはするけど、他作家の作品でもこういうことはよくあるし、これまでの辻村作品にあったような、複数の話に関わる人物が話の大局に関わってくる感もなく。
淡々と、東京會舘にまつわるエピソードをフィクションを絡めつつ紹介している作品という印象が強くありました。年齢が高めの読者だったらノスタルジーに浸れるのかなー、と思いながら、歴史的な重みが作家の個性を前に出させないほどの重圧に繋がっているのかなー、と思った次第。
個人的に惹かれたところは、酒飲みの私的には今井清氏が登場する話。バー通いしている人にとっては伝説的な人だと思うのですよ。その人が登場する話を読んで「アガる」ことを避けられる訳がありません。
こうした印象が下巻でどのように変化するかが、恐ろしくも楽しい今現在です。
投稿元:
レビューを見る
私にとっての東京會舘は、主人が東京出張のお土産で買ってくるシナモンケース。一度だけ自分で買いに行ったけど、田舎者の私は気後れしてそそくさと帰ってきた記憶しかない。この本を読んでからだったらもっと違ったかも。
投稿元:
レビューを見る
プティガトーが食べたい!
検索したらちゃんと存在してるし、オンラインでも買えるので嬉しい。
近いうち買う!
投稿元:
レビューを見る
大正12年から昭和39年までの東京会館にまつわる連作短編集。中でも、4章グッドモーニング・フィズ、5章の幸せな味の記憶がとても良かった。下巻も読むのが楽しみ‼️
投稿元:
レビューを見る
大正11年創業の国際的社交場・東京會舘。芥川賞・直木賞の受賞会見が行われる場所でもあるとのことだけれど、正直初耳。この歴史ある建物が見てきた人間模様が時代順に語られていく。GHQの将校クラブだった時期のバーテンダーのエピソードが面白かったかな。モーニング・フィズ(會舘フィズ)の味が気になる。
投稿元:
レビューを見る
クライスラーの演奏会 大正十二年
最後のお客様 昭和十五年
灯火管制の下で 昭和十九年
グットモーニング、フィズ 昭和二十四年
しあわせな味の記憶 昭和三十九年
投稿元:
レビューを見る
東京會舘を舞台にした、時代背景なども交えながら、そこで働く人々、お客様とのエピソードなどの物語。時代の混乱期にも、働くスタッフ一同が東京會舘の伝統などを守っていく情熱、それらを脈々と受け継いでいく姿、スタッフの思いが今に至るまで、絶えず継がれていると感じる。東京會舘の歴史、目まぐるしく変化していく時代の中で、沢山のお客様に心地よい時間を過ごすおもてなしを大切していることが、事細かな物語から伝わっていると思う。お菓子作りの章で、東京會舘を多くの人に知るきっかけを与えた勝目の存在は大きい。下巻も楽しみ。
投稿元:
レビューを見る
面白かったー(≧∇≦)特に最後の製菓の職人さんの話はぐっときた…ええ話や。・゜・(ノД`)・゜・。みたいな気持ちでいっぱい。下巻も楽しみ。
投稿元:
レビューを見る
大正11年、丸の内に落成した国際社交場・東京会舘。
海外ヴァイオリニストのコンサート、
灯火管制下の結婚式、未知のカクテルを編み出す
バーテンダー…。会舘の人々が織り成すドラマ。
投稿元:
レビューを見る
とっても面白かったです!!
辻村さんの作品にミステリーを求めている人には向かないかもしれないけど、1つ1つのお話が丁寧で引き込まれます!!
東京會舘の歴史がたくさんの人々と一緒に紡がれて行く様子が素晴らしかった。
前の人の話が次の話に出て来たりして歴史の流れが感じられました(^ ^)
投稿元:
レビューを見る
地方に暮らす私には馴染みのない東京會舘ですが、『ツナグ』の辻村さんの作品だったので読んでみた。
特別な登場人物や出来事はないけど、夢半ばで実家に呼び戻された青年が夢を取り戻したり、激動の時代を経た東京會舘で働く人々が優しい視線で描かれていた。特に5話目の、愛され続ける土産用菓子を作った製菓部長とその人を説得し裏で支え続けた事業部長の話は、お互い強い信念を持ち仕事に取り組む二人、その思いが東京會舘に人を繋いでいるのが素敵だった。
投稿元:
レビューを見る
とりあえず上巻読了。
☆は二と三の間かな。
第四章「グッドモーニング、フィズ」と第五章「しあわせな味の記憶」がよかった。
投稿元:
レビューを見る
東京會舘を舞台とした連作小説。上巻は「旧館」。大正から昭和にかけての物語。レトロな雰囲気に浸って読みたい一冊です。
戦時中などの殺伐とした時代を描きながらも、この東京會舘だけはどこかしら時流から切り離されているような独特の世界観を感じました。何に支配されようとも、東京會舘はそれ独自の「館」としてあり続けただけなのではないかと。むしろ各話の主人公よりも東京會舘が主役かもなあ。もちろん、人々の物語がストーリーとしてはメインなのですが。
東京會舘を訪れる人たちよりもむしろ、東京會舘で働く人たちが素晴らしくてカッコよくて印象的でした。とくに「しあわせな味の記憶」に感動させられて。美味しそう、というのにもとても惹かれてしまいました(苦笑)。