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とある家族の物語を、それぞれの視点から描いたもの。
1作目の長男史彰のパートだけはアンソロジーで読んだことのあるもの。
父滋が、人間として素晴しいことに大感動。
家族は大事だけど、でも、医者として患者の命をおろそかにはできないという、その姿勢。
なんていう素晴しい。
左遷された千葉についていった史彰もかっこいい。
父親が大好きなのね。もちろん、他の家族も。
妹麻莉香のパートで、その行為に大きな意味があったことが分かってとっても嬉しい。
なんだかんだで、彼らの気持ちは、決定的に離れたわけではない。最後の章のタイトルから伝わるように、一緒に暮らさないことが家族の分裂ではないのだから。
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だれもが家族を愛していて、家族とともに暮らす生活を大切に思っていて。
なのに、「普通の暮らし」ができなくなったとき、自分はどの道を選べばいいのか。その道を選ぶために選ばなかった道を捨ててしまえるのか。
多分、日本中にこの平山家のような家族がたくさんいるだろう。原因はいろいろだろうけど、別れて暮らす生活はやはり少しずつひずみが生まれたりもするし、一番弱いところ、幼い子のところで問題が蓄積されて大きくなっていったりする。
それをどうやって崩してならしてまた新しい形を育てていくか、が親の責任であり逃げてはいけないところなんだろう。
フミくんが母親や親せきからのプレッシャーに負けずに父親との暮らしを選んだ、そして見知らぬ土地での生活のなかでまっすぐに育って行った、その彼自身と彼の時間が愛おしくて。
一面からだけ観れば母親を一方的に責めたくなるのだけど母親が抱いていた問題が明らかになるにつれそっとかばってあげたくなる自分がいた。
この夏サイコーの家族の物語です。
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勤め先の大病院の不祥事隠蔽を批判し、銚子の病院に飛ばされた父。私立中学受験を断念し、父についてゆく僕。
裕福な家庭に育ち、白金での暮らしを捨てられない母。
母とともに東京に残った私立小学校に通う妹。
大学生になり、僕は千葉へ、妹は札幌へ・・・。
親子四人、それぞれの生活と思いを綴る、家族の物語。
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父親が勤め先の病院内で内部告発者となったことで父・息子と母・娘で離れ離れに暮らすことになった家族。その一人ひとりの視点で描かれる物語です。
みんなもう一度一緒に暮らしたいと強く願っている。けれども家族・親族の関係性の中でどうしてもそれができずにいる。登場人物たちは良くも悪くも「家族」というものの中にがっちり統合されていて、結局は身動きが取れなくなっている。そういうはなしで、すっかり弛緩しきった「家族」関係のなかにいる読者にはちょっと実感の湧きにくい話ではありましたが。
もう一度「ひとつ屋根の下」に収まってしまうわけでもなく、それぞれが自分なりの気づきや成長を経て、最終的にはある種の和解へ、そして旅立ちへと向かってゆく姿というのはまま面白く読めました。
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周囲からは、恵まれ幸せそのものに見えても、それぞれが抱えている気持ちがある。一緒に暮らしていなくても、この家族は間違いなく幸せなんだも思う。
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【収録作品】海に吠える/君は青い花/川と小石/寄り道タペストリー/ひとつ空の下
病院の問題を告発したことで僻地に飛ばされた父親。彼を責める妻の一族。妻と私立小学校に通う娘は残る。父を責める親戚に反発した長男は父親に付いていくことを選ぶが。
家族を愛しつつも信念を曲げられなかった父親、家族のために不正をのみこめなかった父親を責める親族の価値観から逃れられない母親。どちらの気持ちも身につまされるが、気持ちよくまとめられている。
「海に吠える」では、小6の長男の視点で新たな生活になじんでいく過程が描かれる。「君は青い花」では、父親と高嶺の花だった母親との出会い、「川と小石」では母親の葛藤、「寄り道タペストリー」では高2になった娘がある事件を通して父親の考えを理解するまでが描かれる。そして、「ひとつ空の下」で、四人四様の生き様が示される。
家族がいても、いつか一人になる。そのとき、納得して生きていくためには、自分に誠実であることが大切だ。
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父、母、兄、妹の4人それぞれが自分なりの解釈をしていた。家族であったとしても、時にはしっかり話し合い、お互いの考えを照らし合わせてみることも必要なのかも。
友人などから、家族のことを知らされたのはラッキーだったのかもね。
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父の左遷がきっかけで、家族に変化が生じ、自分と家族どちらが大事なのか、それぞれの家族の思いが揺れ動く。家族の気持ちにすれ違いが生じ、やがてそれが後にどうなるのか、バラバラになるのではと不憫な気持ちも感じながら読み進めていった。家族が離れ離れになってしまっても、様々な心情、喜怒哀楽、悩みを乗り越え、見えない絆で結ばれていると思う。家族のあり方は多種多様であり、正解はなく、幸せであればこれの一つの形だと感じる。銚子の風景と、そこに溶け込む家族の姿、懸命に生きる子供たちの様子が繊細に精巧に描かれているのが良い。
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父親の仕事の都合で東京白金の優雅な生活から、千葉の銚子の先のど田舎で暮らすことになった文彰。母と妹は一緒に来なかった。馴染めるか不安だった銚子の生活も、だんだん友達が出来て楽しめるようになってきたが、ある日同級生から衝撃的な話を聞かされる。
想像していたよりもほっこりと暖かく、優しい話だった。母の呪いは理解しずらいし、共感も出来ないけど呪縛から解けつつあるなら良かったなって思えた。ただ各人の話はもうちょっとしっかり読みたかった。話がとっ散らかっちゃうのかもしれないけど、妹の話も兄の大学生活も気になる。あと白金の生活とか四人でいる時の幸福さを書いた話も一編欲しかったなーそしたら最終話の結論もすっと入ったような気がする。
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以前アンソロジー『Wonderful Story』でこの作品の1話目『海に吠える』を読んだとき、とても感銘を受けました。その続きを読むことができるのは嬉しいことです。父親の左遷に反発した母親のせいで、バラバラに住むことになった家族。母の決断は単に都会のお嬢様の我が儘だと思っていたのに、実は家族の中で最も重い事情を抱えていた母。それを10年の時をかけて家族が理解をし、新しい家族の形を作ってゆく過程は感動的です。家族の形は様々なんだな。表紙のイラストとともに、素敵な作品でした。
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勤め先の大病院の不祥事隠蔽を批判し、犬吠の地方病院に飛ばされた父。製薬会社に関係の深い実家を気にして、父についていこうとしない母。都会暮らしが好きなのに、父をひとりにできなくて、ついていったぼく。お母さんを責めないで!と言いながら、密かに自分を責めていた妹。たとえ自分は離れても、いつまでもそこにあってほしい、ぼくたちの「家」。それは、わがままだろうか。家族でいるのが大変な時代の、親子四人の物語。
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もしも父が病院に楯突いて左遷されなかったとしたら、平山家は絵に描いたようなセレブな暮らしを続け、子どもたちも何も深く考えることなくぬくぬくと育っていったのだろう。それはそれで、それぞれ温厚な大人になってしあわせだったかもしれないとは思う。でもそうはならなかった。父とぼくは海風吹きすさぶ銚子へ引っ越し、母と妹は白金のマンションに残り、それぞれの思いを胸に抱えたまま離れて暮らすことになったのだった。離れてみなければ判らなかった家族のこと。調子に来なければ知ることもなかったあれこれ。そんなすべてが心と躰を育み、思い描きもしなかった未来へと繋がっていくのである。それぞれの場所で培った人間関係も宝物のようである。このままバラバラになってしまうかと思われた平山家だが、よっつ屋根の下でそれぞれ生きていくとしても、戻る場所はひとつだと思えたことで、さらに絆が深まったように思う。人を思いやる気持ちの大切さがじんわり伝わる一冊である。
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1話目は『Wonderful Story』で既読。
お父さんの転勤についてきた少年と
ついてこなかったお母さんと妹。
それぞれのお話。
お父さんについてこないお母さんってどうよ、
と最初思っていたけれど、
立場が変わればいろいろな事情があって、
その人にしかわからないこともあり、
心が縛り付けられてることもある。
そういうことを急がずにゆっくりと
家族それぞれが心の落としどころにおさめていく素敵な家族の形。
大崎さんうまいなぁ。
大好きな物語になりました。
そして、要所要所で登場する犬達もワンダフル!です。
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家族バラバラ が 不幸というわけじゃない。
行くことを選ぶ 行かないことを選ぶ
新しい土地に飛び込もうとしている人におすすめ
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短編連作。千葉。家族。病院での問題を無視できなかった父は千葉の犬吠埼に飛ばされた。母と妹は東京に残り、一人父についてきた史彰。頑なに千葉に来ようとしない母にも理由があることがわかっていくのだけど、これ短編連作だけど、短編じゃ勿体ないというか、長編にしたほうがよかったのでは。家族の中に流れるそれぞれの呪縛みたいなものが引き継がれたりせず、最後は幸せに気づいて、子どもたちがしっかり大人になっていって、押しつけがましくない、でも普遍的な家族の物語だった。
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勤め先の大病院の不祥事隠蔽を批判し、犬吠の地方病院に飛ばされた父。製薬会社に関係の深い実家を気にして、父についていこうとしない母。ぼくと妹は、それぞれ別のほうについていくことにした……。家族でいるのが大変な時代の、親子四人の物語。