紙の本
恋そのもの
2024/03/16 14:46
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投稿者:kisuke - この投稿者のレビュー一覧を見る
「薔薇の雨」の年下男性との濃密な恋愛小説が実に良い。何度読んでもラストの主人公の本心に気持ちを揺さぶられます。
「お手紙ください」の、ちょっと意外な展開も好きです。
時代も価値観もだいぶ違ってきているけど、変わらないものがあるな、と共感できます。
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出会いの場面で女が男に好印象を持った理由がとっても素敵。
『気持ちのはたらきと、コトバがたやすく出る、その間のエンジンがよく手入れされていて、油もさされており、快調に運転している、という感じだった。思った事を、すぐ口にのぼせるという作業は、あんがいむつかしいらしく、その間をつなぐエンジンが錆びついている人間が多いのだ。』
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素晴らしい恋愛小説。
この中の「良妻の害」が面白い、笑ってしまうくらい面白い。
そして、最後はすかっとします。
なかなか見つからないぐらい素晴らしい本。
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お聖さんの作品にはものすごくドラマティックな展開はない。ありふれた男女のありふれた関係。なのにこんなに妙味があって面白い。
作品中の男女の会話ににまぁっとする。コブつき再婚も、16も年下の男との別れる別れないのやりとりも、献身的な主婦の反乱も、そこに悲壮感はなくて適度な緩さと年季の入った掛け合いがある。
デコラージュ風の装丁も可愛いし、古い作品と食わず嫌いせず、うら若き乙女の皆さま(自称 可)にもぜひ読んでみてほしい一冊。
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平成22年に発行された短編集で、これまでに読んだことの
ある作品もあった。新調されたカバー装画がいい。
聖子さんの小説はいずれも逸脱だといつも思うのだけど、
本書の中では「良妻の害について」が傑作!
日頃うっぷんの溜まった主婦の方にぜひおススメ。
読んだだけでもスカッとしますよ。それにとてもオモシロイし。
です、ます調の文体が効いてる。さすが!!
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表題作が1番良い。おとことおんな(「男と女」ではないのだ)のしっとりとした恋模様、大人になったらもっと理解できるのだろうか。
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好きな本で、久しぶりに再読。田辺聖子さんの本は、なぜこんなに心にすっと入ってくるのでしょう。素敵で、知的で、細やかな心の機微、子供っぽくない大人の恋をさらりと書き。きっとまた読むと思います。
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最近色気について考えている。
自分はまぁ、こんなもんだろうと思っていて、相手にも過度な期待はしない、でも、スレた諦めではなくって、ひょっとしたらという期待もあるにはあって、それを愉しんでいる、、そんな感じが色気を生み出すのかなぁ。
「君や来し」を読んでいてそう思った。