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他の津原さんの作品とは趣きが異なる内容で、
ほのぼの感がある平和なお話(人死んでたりしますが・・)でしたが
とっても面白かったです。
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「奇譚集」や「蘆屋家の崩壊」みたいな幻想小説の色がかすかに見えるのだが、ほっと心温まる部分もあり、ひとつひとつ楽しんでじっくり読んだ。
店主の澪と職人2人の間の距離に、お互いを思いやる「本当の大人のあり方」が感じられて心地よかった。続編希望。
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リストラに遭った30代後半独身の主人公が祖父母の営んでいた零細人形店を継ぎ、人形とそれにまつわる謎を解く短編集。
事件自体はシリアス。
文章がうまくない…すごく平坦。
一人称なのに誰のことをいっているのか途中でわからなくなる。
読解力が足りないならそれまでだけど、そんな集中して読むほど引き込まれる内容でもない。
2,3ページ読んで合わないかなと思ってたけどやっぱり合わなかった。
短編の方が技量が出ると思う。
しかも収録作はすべて30ページ程度という中途半端な長さ。
小粒すぎるか物足りないかで、これはちょっと詰め込みすぎでは。
このタイプの話は登場人物がどれくらい深いかだと思うけど、主人公も自虐性以外キャラがつかめないし、
探偵役の人形マニアの従業員冨永が嫌なやつ。
すごく嫌いなタイプでいいところがまったくなくてイライラして無理。
登場人物たちの心の動きについてもオチありきという感じがして、唐突感がある。
一話目の『毀す理由』だけは面白かったから、これで充分。
久々に評判のよさがよくわからない本。
目新しい設定だけで評価されてるのか?
人形というちょっと怖い小道具で不可思議な世界観を作っているのに、唐突に現実的な部分が出てきたりして興醒め。
一応最後まで読んでみたけど、ああ、合わないんだなという本でした。
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お仕事小説というか人形小説?
3年前に広告代理店をリストラされた澪は、30代後半。
入院した祖父に、世田谷区の玉阪人形店を生前贈与された。
祖母が市松人形を作る店の跡継ぎで、祖父は職人の入り婿。
祖母に可愛がられた澪は、思い出のある店をやっていこうと思うが、特に人形に詳しいわけではない。
社員第一号の富永くんは、人形マニア。
気楽な勤めぶりだが、その代わり給料は安くていいという~お金持ちのボンボンらしい。
富永くん作のテディベアも人気を博すようになる。
「あらゆる人形を修復できる方」という募集に応じた職人・師村に助けられて、次第に良いコンビになっていくが…?
修理をメインにやっていくことにしたため、持ち込まれる人形にまつわるエピソードは多彩。
昭和初期、アメリカから親善のために贈られたという、いわゆる青い眼のお人形。
実は「青い眼の人形」の歌は、親善使節を送る企画よりも前に作られたので、キューピーのことだった。
親善のために贈られたのは、アメリカで募金により購入された一万数千体にのぼる色々な人形だから、青い眼には限らなかったそう。
といった豆知識も色々。
「毀す理由」
顔だけがひどく毀れた人形を持参した若い女性。元の写真と、持ち主の顔はそっくりだった…
30年ぐらい前の古い人形なのに、何故?
しかも、毀したのは本人らしい。どのように修復すべきなのか?
「村上迷想」
村上市での雛祭り。
旧暦の雛祭りの日まで一ヶ月飾られている伝統ある雛人形をめぐって。
旧家のミステリ。
「最終公演」
チェコの人形芝居の名人の話。
大国に支配された時代でも、人形芝居は母国語での上演が許されたので盛んだったとか。
パラフ劇団を主催するパラフ氏は奔放な想像力を駆使して、自由な公演を行っていた。その最終公演とは?
「ガブ」
人形浄瑠璃の人形の頭をめぐって、師村の過去が…?!
ああいう人形って、着物の下には身体がないんですね…
彫刻と人形との違いといった話題で、たとえば彫刻家は耳を量感で捉えるので耳には穴がない。人形作家は耳を生身に似せるので耳の穴を作る、とか。師村氏の語る仲の良い人形作家の弁なのですが。
「恋は恋」
富永くんが友人から預かったのは、ラヴドールという等身大のドール麗美。
ウェブサイトで一目惚れして貯金して買ったそうだが。
友人はカメラが趣味で、ちゃんと恋人もいるという。
亀裂の修理を依頼した所、メーカーのキャプチュアから束前という社長がやってくるが、この型は基本姿勢を誤った失敗作なので直せないという。
まだ開発途上なのだ。
新しいタイプのボディに交換することは出来るが、安くはない。
かなりトーンの違う話が入っています。
気分が変わっていいけど、期待と違うと感じる人もいるのかな?
お人形にかける熱意は、一貫していますね。誰がどこに力点を置くかの違いかな。
なぜ、人は魅せられるのか…
お人形は広く大好きなので、面白かったです。
私が特に好きなタイプの人形の話は全く出てきませんけど~確かに普通すぎて小説にはなりにくいと思うけど。
続編もあるそうなので、楽しみ。
この作品は2009年1月発行。
著者は1964年、広島市生まれ。89年、津原やすみ名義で少女小説作家としてデビュー。
97年、現名義で「妖都」を上梓。幻想小説の旗手として注目される。
2006年、自身の高校時代に材をとった「ブラバン」が話題となる。
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元少女小説作家さんらしい作品。少女小説というジャンルは(控え目に言うと)どちらかといえば好きなジャンルなので、あとがきに、次回作をにおわせるニュアンスがあるのはとても嬉しい。
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悲しい、つらい、そこはかとなくマイナスな雰囲気を漂わせつつも、
とても後味のよい、胸に抱きしめたくなるような短編集。
後書きに、続編を考えているというような言葉がありました。
読むのがとても楽しみです。
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主人公がおじいちゃんから受け継いだ人形修復屋さんを舞台にいくつかの短編。
それぞれの物語もおもしろかったし、人形に関する蘊蓄も興味深かったし、終わり方も途中で読めたけど希望どおりの結末で☆4つのうえに、出てくる男性陣がみんな変人でそれぞれにいい男だっていうとこでさらに☆1つ追加(笑)。芸術家でもあり職人でもありって、もう私のツボに入りまくりでしょう!!
この作者の本を他にも読んでみようっと。
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祖母が残した人形店を継いだ澪。「諦めてしまっている人形もお持ちください」と掲げ、人形マニアの店員と、過去の知れない職人の三人でなんとか切り盛りする店に持ち込まれた人形にまつわる謎を解くミステリです。
一応ミステリとしましたが、謎があるようなないような。あったとしても、ちゃんと解決したかというと微妙なところ。日常の謎とすれば、真実が解明されなくても心理的な解決(人間関係が改善するとか、目下の憂いが晴れるとか)ができれば十分なはずなんですが、この作品に関してはそれもできていないように感じます。一冊読み終えても、三人の個性や関係が見えてこない。そこへ家族だのずっと一緒だの言われても「あなたらそんなに仲良かったっけ?」と首をかしげてしまいます。各話でそれぞれ違うタイプの人形を扱ったり、それに合わせた雰囲気を作ろうとしたり、工夫は感じられるんですが、作品の方向性が定まらないままラストを迎えてしまったようなまとまりのなさ、中途半端な感じが残ってしまいました。
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佳作。
少しだけコメディ、少しだけハートフル、少しだけブラックで、少しだけ温かくなれる。
人形は怪異という観念だけではなく、それ以前に工芸品だということを忘れてしまいそうになる自分に気づいた。
しかし津原氏は、本当にそつなく文章を仕上げるな。まさに職人。
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もともとホラー畑からこの作者に入ったが、むしろこういった作品の方が断然面白い。
短編連作としての上手さが光っている。
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古い人形屋。綺麗で変わり者の青年に、訳ありの職人。そして店長。
すごく好きな要素がつまってる。
少し暗い、ドロドロした人形を巡るミステリー。
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初めて読む作家さん。人形を題材に扱っているし、登場人物が個性的で掛け合いも面白いので、もっとホンワカ進むのかなと油断していたら意外にも穏やかでない事件や苦い過去が。それはそれでスパイス的に人情味も引き立って良かったのかもしれない。続編があるらしいので取り合えずそちらも。
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零細人形店を継いで、人形修理店を始めた主人公。タイトル通り人形がテーマで短編6話。想像してたよりミステリー色が強く、登場人物のキャラも立ってて面白く読めたけど、文章が時々わかり辛かったな〜。続編あるみたいなので気になる。
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人形店を継ぐことになったとはいえ、澪はド素人。
そこに人形マニアの冨永君がやってきて、更には
謎の職人の師村さんも参加して、人形の修復業として
なんとか店を続けることができた。
人形の薀蓄もさることながら、そこに込められた思いを
敏感に感じ取りながら修復を試みる。
まさにプロの仕事。
こういう修復師の話って結構好きかも(o^o^o)
続編の文庫落ちを待ちます♪
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人形、という題材に興味を惹かれて手に取った一冊。
こういった、丁寧な仕事をしたいと思う今日このごろ。時代が早すぎて、窮屈だと思うことがある。