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「仮想的有能感」という筆者独自の観点から、現代の若者の感情の変化や行動様態を考える。大規模な調査に裏付けられた根拠があるわけでなく、nが少ない基礎調査から筆者が導こうとしている結論を書いているだけなので、内容に説得力を感じずに「筆者の偏見」という捉え方もできるだろう。しかし、この本は事実がどうかというよりも新たな視点・切り口を提示したことに意味があると思う。「あいつは仮想的有能感が高いやつだな」と自分が仮想的有能感の塊にならないようにしなければならない。
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少し偏見を感じさせる「躾」必要論。働く現場と著者との距離を感じる。「PCなど最近の機器によって人間一人の手作業でできないことがいとも簡単にできる。それは自分の操作のうまさによるものでなく、機械の性能のよさに起因するのだが、それを多くの若者は自分の力であるかのように誤解するのである。」と著者。第三者的で改善の指針が少なく、指摘にあまり心が感じられない。悪い意味で「学者的」な書籍に感じた。【メモ】不快感を経験する機会の減少 / 自尊感情が好評価の若者:中国92.7%、スウェーデン83.2%、米国77.9%、日本40% / 身近に理想の人物がいない / 社会的迷惑行為 / ポジティブ・イリュージョン:?自分を肯定的に捉える、?自分の将来を楽観的に捉える、?外界に対する自己の統制力を高く判断 / 自己の調和や誠実性にポジティブ・イリュージョン、知性や身体的特徴にネガティブ・イリュージョン / 消極的自己高揚 / 可能自己 / コントロール錯覚の理論(社会心理学者ランガー氏)/ 他者軽視と仮想的有能感 / 下方比較で安心 / 仮想的有能感尺度の項目:?気のきかない人が多い、?他者の手際が悪い、?無意味な発言をする人が多い、?えらそうにしている、?有能な人は少ない、?自分の意見が聞き入れてもらえないとき、相手の理解力が足りないと感じる、?努力しなくても偉くなる人が多い / ジェラシー型嫉妬とエンビー型嫉妬(和田英樹)/ 自己愛3つの項目群(小塩真司):?優越感・有能間、?注目・賞賛欲求、?自己主張性 / 本来の有能感「周りの環境と効果的に相互交渉できる能力」(心理学者ホワイト氏)/ 有能感の4タイプ(自尊感情×他者軽視):全能型、仮想型、自尊型、萎縮型 / 動機づけの質の発達:?外的動機づけ、?取り入れ的動機づけ、?同一化的動機づけ / 「今、人間は感情が枯れている」(五木寛之)
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話題になることの多い新書の一つではあるけれども、リサーチ情報がいまいちパッとしない、根拠が不明瞭など、タイトルとはことなり、実は他人を見下しているのは若者だけではなかった、ということから叩かれることも多い新書です。
しかしながら、著者自身が文中で認めている通り、実証的研究はまだ始まったばかりで、本書での見解は学会で十分認められているものではないと述べられています。
だから、何かした明確な根拠、解答を求めて本書を手に取るのは間違い。
個人的には、下流社会同様、現在起きている現象とその源泉を明確にするのではなく、恐らく多くの人が漠然と感じているであろう印象を、それが漠然なりにも、ある仮説と根拠に基づいて、ひとまずまとめてみたと言う点から、評価できる一冊ではないかと感じています。
自分には満足しているが、他者に不満を抱いている人たち、そしてそのどちらにも不満を抱いている人たちが増えてきており、そしてなぜそのようになってしまったのか?の考察を進めるのが本書の骨子。
著者は、その主因となる仮想的有能感が個人主義やITメディアの影響であろうとの仮説に基づいて、年代間の傾向を調査するのだが、ここで図らずも、若者だけではなく年配者もその仮想的有能感を多く感じていることが判明してしまう。
この調査は母集団も少なく、また偏りもあるため、あまり信頼できるものではないのですが、それでもあえて掲載しているところに、自己の主張に無理やり沿わせることの無い素直さを感じて、好印象です。
何であの人たちは自己中心的に見えるのか?平気で自己中心的なことができるのか?はたまた、一方的、かつ無根拠にそれを責めるのではなく、まずその根拠を探ることにおいて、この本は良きガイドになりうるのではないかと思います。
はたまた、ここで述べられている仮想的有能感から、自身について思うこと、当てはまることを考察し、必要なら矯正を試みるにも有用な本でしょう。
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自分自身を認め、自己評価を高めるために、他人をバカにする人が増えているという。調査・研究を通して、警笛を鳴らす。一歩引いて自分を眺めるきっかけになるかも。
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近頃の若者は。。。ってのを多少のデータと知識を用いて解説。最後まで読みきる気がおきない。まぁ確かにそうだと思うとこはあるけどさー
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確たる根拠も無く自分を有能だと感じる「仮想的有能感」ともいうべき感情をもつ人が増えている。
自分に甘く人に厳しい。努力せずに成果が欲しい。すぐにイラつき、キレる。無気力、欝になりやすい。「悪い」と思っても謝らない。。。
このような人たちがなぜ増えてきているのか、なぜそのような人格が形成されてしまうのか、どうすれば仮想的有能感から脱する事ができるのか、
といった事が述べられている。
端的に言うと、躾け直しなさい。集団生活をさせなさい。個人主義も良いけどその前に社会にちゃんと適応できるよう、相手を尊重できるようにしなさい。
といった事が書いてあった気がする。
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仮想的有能感。これがキーワード。
冒頭の方で紹介されてます。
それ以降はなんだか読んでてイライラしてくる。
根拠に乏しく主観的な意見が延々と続いている。
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現代の若者に「仮想的有能感」が強くなっている、という主張。言わんとしていることはわかるけれど、論証・論拠が弱い感じがする。というか、常識の範囲か。打開策の提示はない。現状分析にとどまっているのは仕方がないとはいえ…
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「仮想的有能感」という概念提起には意味もあるだろうが、作者の分析力と文章力には疑問を感じる。“若者”という対象が漠然としている上、作者が日々考えていることをなんとか学術的にまとめようと、薄い根拠を並べ立てたようなこじつけ感がどうしても否めない。主張云々よりも、具体例の乏しさにより説得性がないのが残念だった。理詰めの年配学者の遠吠えとでも言うべきか…。
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この本を通して言いたいことは、若者(全般的には人)が他人を見下している行動を
「仮想的優待感」という言葉で説明してしよう。
ということだと思います。
仮想的優待感というのは、人を自分よりも下に見る事によって自分を「気分の上で」高く見て安心しよう。
ということだと理解しました。
それで、その仮想的優待感というものを感じる背景、裏づけ、感情の動きなどを心理学、社会学などの観点から分析していると思います。
自虐ネタの受ける理由もありました。仮想的優待感で一応説明がつくみたいです。
あとは、笑いの取り方とか、基本的に他人を落として笑いを取る方法が多くなってきてるのかな、って思うのでそういうのも説明されてて、何となく納得しました。
まぁ、中学生がとっても、他人を落として笑いを取る方法を取るのでむかつk(略)んですよ。
そういうのが説明されていて、
他にも感情の変化なども説明されていて、
すっごい為になる本だと思います。
是非、いろんな人に読んで欲しいな、って思うのですが。
ですが。
レポートみたいで漢字が多くて読みにくいんですよ。この本。
文章自体は綺麗だと思うのですが。
一般には読みやすい文章は漢字が30%くらい含まれている文章、
だったと思うのですが、多いところではほとんど漢字、というのもありまして…
中学生高校生が読んでくれると参考になることも多いと思うのですが、中々難しいかもしれません。
ちなみに、僕としてはとっても共感します。
そんな本でした。
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最近自分が「他人を見下す若者たち」に含まれている気がしてこの本を読んでみた。
仮想的有能感というものを定義し理論が展開される。
自分は仮想的有能感が強いのか自尊心が強いのか正直わからない。もしかしたら自分は他人を見下す若者なのかもしれないが、速水先生の考えている危機感には共感できる。個性化の前に社会化が必要であるとか、他尊感情を含んだ自尊感情が必要であるとか、まさにその通りだと思う。
攻撃的な世の中、何かあればやれ警察だ、やれ訴訟だ。
ネット上の掲示板には匿名の誹謗中傷。
何かを媒介にしたコミュニケーションばかりで、人間相互のコミュニケーションが足りないんですよね。
いろいろ考えさせられました。
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言いたいことはわかるけど、推定に終始している。そして他人を見下ししているのは若者なのか日本人全体なのかはっきりして欲しいところ
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「仮想的有能感」という仮説を元にした心理学の本。古本屋で買って期待していなかった割には面白かった。Amazonではかなり評価が低いですが・・・。
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あたしも若者だから思うことかもしれないけど、筆者は「他人を見下す若者」を論じながら、若者を見下してるんじゃない??
「確かに」と思う部分もあったけれど、議論が推論に終始してるし、「最近の若い者は・・・・」って言ってるその辺のおじさんのちょっと賢い愚痴にしか受け止められない感の一冊。
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最近の新書の売り上げを反映してか、キャッチーな題名や装丁のものが目に付く。これはその最たるものの一つか。
題名には若者も中高年も「おっ」と思わざるを得ないし、帯の「THE 三名様」も十分に人目をひきつける。
しかしその内容は、出版は拙速だったのでは、と思わせる内容。心理学に関しては詳しくないが、これだけ推論が多くては閉口させられるし、著者も今後実証研究に取り組むということなので、データが出揃った上での更なる議論を期待したい。