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一般科学書は科学者の名前が羅列されているだけなことが多いが、この本は違う。
素粒子論が分かり難い部分である、場の量子論の初等的解説本。計算ができる粒子の量子力学より、直観的には場の量子論の方がわかりやすい。計算はできないがw
教科書の副読本としてピッタリだと思う。
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解題すると、素粒子は「粒」ではなく「場が波立ったものである」ととらえなければ理解できないのだ――という本。と言ってしまえば簡単なのだけど、それを「イメージ」できるよう、ていねいに解説してある。そこまではわかったのだが「ゲージ対称性」のところは、私の頭ではいまひとつ理解できなかったのだが。それでも、「場の量子論」を初心者向けに説明してくれる、類書のない一冊だと思う。
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なかなか難しかったが、他にはない視点で書かれているのは良かった。場という概念がイメージしづらい。高校まででは習わないので全く馴染みがない。それ故に素粒子論が分かりにくいのは、そのとおり。本書を読んで少しだけ理解が進んだかも知れない。他の啓蒙書と併せて読めばさらに理解が進むかも。正弦波の時、波が粒子として振る舞うという説明は印象的だった。
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場の量子論のイメージが持てるようになる優れ本
なぜわかりにくいのか → 現代物理の基礎となっている「場」を説明していないから。
・していないというより、今までできる人が居なかったというのが正しいと思う。
・著者は、これに成功した初めての人だと思う。(経路積分による量子化手法で)
・原子論的な世界観から、場という世界観に大きく転換があった・・・というのを初めて認識した。これが、私にとってはこの本での一番の驚きであった。頭の中が、「原子と場の二元論で足踏み」と、正にその状態であった。この歳になって、自然観が覆されるとは、すごい快感だった。
場とその量子論のイメージ(バネ)を基に、次のことをわかりやすく説明している。
1)「素粒子」は「粒子」ではない。(原子論的な意味での)
場が実体であり、粒子的な特徴は、相互作用がほとんど無い場合、およびフェルミオンの量子論的特性から現れる。
2)「力は粒子を交換することによって生じる」というよく見る説明は、摂動計算を言葉にしただけであり、中間子の場合は、良い近似にはなっていない。
結合状態を、この粒子的イメージでとらえることはできない。
3)質量エネルギー
4)素粒子が別の素粒子に変化するしくみ・内部空間での振動方向
5)ゲージ原理・標準模型・対称性の破れ・ヒッグス場
6)摂動・ファインマン図・仮想粒子・光電効果・繰りこみ・有効理論
7)標準模型の拡張・量子重力理論の候補(ループ量子重力理論、超弦理論)
メインテーマ以外では、繰りこみとその重力理論での破綻、ブレイン宇宙論の説明が秀逸。
次のような人には超お勧めです。
・量子力学や素粒子の本を読んでみて、モヤモヤ感がぬぐえない人。
・場の量子論を俯瞰して俯瞰して把握したい人
・現代物理の自然観・世界観に興味がある人
・ヒッグス粒子、超弦理論などに興味がある人
私にとっては、ものすごく読みやすく、興奮のうちに読み終えた優れものでした。
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Amazonのレビューで、素粒子論が初めて分かったというコメントが多く、遺伝統計学と関連付けることを目的にhontoに注文した(2014年7月21日注文)、1-3日で発送の予定と表記されている。
hontoより2014年7月25日手元に届いた。
hontoの1-3日は、手元に届くまで5日と認識しておこう。
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場の理論からするといわゆる粒子はなく、粒子的なものがあるだけである!
素粒子、とくに量子色力学を卒論で私が20年以上前に取り上げたときには、このような本はなく、ただひたすら数式を展開している感じだった。
本書はいろいろな意味で目から鱗である。
超弦理論について盲信を戒めたり、繰り込み論は無限大から無限大を引いて、有限値を取り出すモノではないとか、ニュートリノに質量があるように理論を拡張するのはたいしたことないとか、ファインマン図の無思慮な使用とか、冷や水をかける場面が多々ある。
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素粒子が「粒子」であるかのように語る「やさしい解説」では,素粒子論の本当の姿は分からない。素粒子の概要をつかむには,どうしても場の理論の考え方が必要だ。本書は,数式をほとんど使わずに,素粒子論を支配する場の考え方を丁寧に説いてくれる。素粒子は,実態を伴った粒子などではなく,場に現れるエネルギーの集中した波動であり,あたかもそれが粒子であるかのように振る舞っているのだ。そう,モニターに写るブロック崩しのボールのように。
摂動法や繰り込みについても誤解を正してくれる。摂動法については,探査機のスイングバイを例に分かりやすく解説。ファインマンダイヤグラムに現れる仮想粒子,仮想反粒子は飽くまでも計算の便宜に導入されたものであり,それらの対生成・対消滅が実際に起こっているというイメージは完全に間違っていること。繰り込みは,無限大から無限大を引いて有限の値を得るという怪しげなものではなく,解像度を落として現象を見ることで小さいスケールを無視した有効理論を作ることに相当していること。
一般向けの素粒子論の本には食傷気味の人にも十分おすすめできる内容だと思う。
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う〜ん、やっぱり場のイメージは捉えがたい。素粒子が粒子イメージではなくばねイメージで考えるということはなんとかわかったけど。
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【由来】
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【期待したもの】
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※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
・丁寧に追って読もうとしたら厳しかったが、巨視的に読むといいかも、と思ったところで、後待ちがいたので返却。
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素粒子がなぜ突如として変化するのか、なぜ素粒子の交換が力を生むのかという点を、場の概念を用いることで理解しようという主張。素粒子はビリヤード球のような粒子ではなく、場の波動が量子論的な効果で粒子のように振る舞っているものである、ということを、固定バネと連結バネの例えを用いて説明してくれています。目からウロコでした。摂動法と繰り込みについても、今まで読んだ本にはあまり書いていなかった。吉田先生は超弦理論に懐疑的なスタンスですが、今まで読んだことのなかった意見だったので、なるほどと思いました。