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音校と美校のあまりの違いや奇人変人のとんでもなさに一気読みなのだか 音楽専攻の学生と美術専攻の学生が特技を生かしながら協力してイベントしたりパフォーマンスしたりするのを読むと なんだかすごい生きる力があるような気がして 不思議と自分のこどもが芸大に行きたいと言わないか期待してしまう。
それどころか自分も芸大に行きたくなってしまう。
大学行く意味あるの?という質問に ひとつの答えを答える本のような気がする。
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小説家である二宮敦人氏によるノンフィクション作品。
東京藝大のキャンパスは上野だが、上野だけでは収まりきらず北千住や茨城の取手市にもある。そして上野のキャンパスも、音楽を専攻する音校、美術を専攻する美校、に分かれているそうだ。ちなみに二宮氏の奥さんは現役の藝大生、美校で彫刻を学んでいる。
タイトルから想像するに、藝大の変人的な学生ばかりを紹介する作品かと思っていた。確かに変わった人が多いのは事実のようだが、すでに演奏活動やデザインで生計を立てている人や、将来の進路について葛藤する人など、同じ藝大生でも色々なタイプの学生がいるのだなと思った。
毎年9月に開催される藝祭では、無料の演奏会など魅力的なイベントも多く、機会があれば覗いてみたいものだ。
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「最後の秘境」「大人の幼稚園」、いろんなコピーがありますがとにかく楽しそうです。美校、音校、まったく文化が異なりますが、それぞれをお互いに尊重している態度が素敵です。
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現役の藝大生たちのインタビューを元に構成された興味ふかい本。
筆者の奥様も芸大生。
どういう風に藝術と向き合うか、スタンスは人によって全然違う。まだ考えきれていないところも、もう自分で道を決めているところもある。
ただの大学には少ない、自分と向き合うを否が応でもせざるを得ない場所なのだと思う。
自分にはもうないかもしれないけど、人生の選択を垣間見れて、とても楽しく読めた。
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<目次>
はじめに
第1章 不思議の国に密入国
第2章 才能だけでは入れない
第3章 好きと嫌い
第4章 天才たちの頭の中
第5章 時間は平等に流れない
第6章 音楽で一番大事なこと
第7章 大仏・ピアス・自由の女神
第8章 楽器の一部になる
第9章 人生が作品になる
第10章 先端と本質
第11章 古典は生きている
第12章 「ダメ人間製造大学」?
第13章 「藝祭」は爆発だ!
第14章 美と音の化学反応
<内容>
タイトルと目にした書評では「かなりのジャンク本」だと思った。「はじめに」を読んでいてもそう思った。しかし、そのあとは大変真面目に藝大生にインタビューを敢行し、けっこうちゃんとレポートした本なのではないか?うちの学校の美術科の教員は藝大卒ではないが、うっすらと感じてたものが証明された感じ。東京藝術大学は「こういう大学」というイメージを覆す内容ではないが、そのウラをちゃんと取ってくれた感じだ。文章を読みやすく、すらすらと読める。
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この本を知ったとき、確かに藝大のことはよくわからないなあ、と思って購入。藝大の雰囲気を知る上ではよく書かれていたと思います。
エピソードなども、面白く、なるほどーと思いながら読み進められる本でした。
様々な人が、ちょっとずつ出てくる感じで、物足りないぶぶんがあり、もう少し、何人かにフォーカスした話があると良かったかなとは思いました。
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東京藝大という、名前は知っていてもどんな学校なのか良く分からない大学を、生徒達のインタビューを通じてレポートしてくれています。
音校と美校の校風の違いを感じつつ、音楽は美術に通じ、美術は音楽に通じ、最終的にはその人の人生に通じるという事が良く分かります。
フィールドが何にせよ、一生懸命に一つの事に打ち込む事が素直にカッコいいと思えるし、また離れたくても打ち込まざるを得ない人々の欲求、宿命を感じました。
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ページをめくる毎に「楽しそう」「羨ましい」という一心で一気読みしてしまった。
藝大というのは、ガチガチに正統な芸術を教える大学だと思ってたけど違うんだね。
こんな自由な発想に満ち溢れた大学とは知らなかった。
今度、藝祭にも行ってみようと思う。
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はじまりの面白さに引き込まれて読み始めた。美大と音大の違いや繋がりが書かれておりわかりやすい。序盤の勢いが後半に薄れているが、普段触れないアーティストの学生生活が垣間見れ、興味深く読めた。
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天才というか、異能者の集団。
その異能性を、伸ばせるだけ伸ばすためだけの環境。
そのレベル感は兎も角、判るな、こういう世界。
もっとも、ここから生まれるのはほんの一握りの成功者と、その他のみ。社会的、経済的成功者という意味ではない。
芸術とはなんだろうと考えさせる。
芸術者ってのはあくまで自分の中から出てくるものを自分勝手に表現するだけなんだろう。他人に嗜好に合わせるわけではないのだと思う。
そこから感じる何かを周りが評価して、受け入れ、残していく。
それは必要というか、必然なんだろう。わかんないが。
でも一番すごいのはやっぱりこの学校の存在自体であって、芸術の枠や多様性が広がっていくのなら、それに合わせて受けれる器を、多分無制限に広げていくことなんだろうな。
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芸大は1949年東京美術学校と東京音楽学校が統合する形で生まれた
音楽環境創造科 2002 北千住
現代では数学を意味するマセマティクスは、古代ギリシャでは学問全体を意味する言葉であり、哲学や数学、自然科学と一緒に音楽も含まれていた
私たちは音楽の末端でしかない。けれど、その末端は本当に美しくなければならない
半分くらい行方不明
アーティストとしてやっていけるのは、ほんの一握り、いやひとつまみ
芸大の教授はアーティスト、あるいは職人であっても、指導者ではない
芸術は教えられるものではない
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東京藝術大学の内部潜入レポート。以下印象的な箇所のまとめ。
・東京藝大の試験問題「この試験はあなたの構想力、創造力、表現力を考査するものであり、正解を求めるものではありません」。
・「受験勉強が楽しかったんですか?」「はい。だって、絵を描いていられますからね」
・アートとは知覚できる幅を広げること。「見えてなかったものが見えるようになるんです。いま知っていること以外にも、いろいろなものがこの世にはあって。知られていない美しさとか……美しさだけではない良さとか」
・どこにでもあるものを感覚を広げて知ろうとして、共感を作り出す。題材や手段は何でもあり。アートとは、人間同士が分かり合おうとする優しい試みのようなものに思える。
・アートには、いかに無駄なものを作るかという側面もある。「ちゃんと役に立つものを作るのは、アートとは違ってきちゃいます。この世にまだないもの、それはだいたい無駄なものなんですけど、それを作るのがアートなんで」
・「アートは一つのツール、なんじゃないですかね、人が人であるための」
・「何年かに一人、天才が出ればいい。他の人はその天才の礎。ここはそういう大学なんです」
・「『芸術は教えられるものじゃない』と入学してすぐに言われました。技術は習うことができますが、それを使って何をするかは、自分で見つけるしかないんです。やりたいことがないと潰れちゃいますし……売れる方法なんかは自分で探すしかない。そもそも売れる方法は、教授にだってわからないんですよ。藝大で評価されなかった人が、大成功することもありますからね」
・中には決意をもって、将来を考えていない人もいる。「将来のことは何も考えてないですね。その時その時で、面白いと思ったことをやっていこうかと。レールに沿って何かをやっていけば成功するとかそういう世界ではないと思うんです」
・「最初は、社会の役に立たなければいけないということにとらわれていました。でも東大で、建築家の先生が言っていたんですよね。『全ての建築は、個人的な欲求からスタートする』と。依頼主のためとか、社会のためじゃなくて、個人的にやりたいことがあってこそ、だそうです。他者のニーズは後からすり合わせていけばいいと」
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これは実話なのか?不思議すぎて、凄すぎて…
文系大学出身者には想像のつかない世界、とても面白く読めた。
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最初は藝大の軽いレポートかと思った
藝大生たちのアート/美/芸術と分かち難いストイックな生き方が見えてくる 社会全体からみれば一見無駄に見えるがその無駄こそが必要なのだろう
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奥様が現役藝大生の著者による、東京藝大ルポ。
学生の話は、かなりぶっ飛んでいますが、本人たちは大真面目に芸術と向き合っていました。
受験勉強も絵が描けるから楽しいとか、練習の鬼とか、もっとゆるく芸術と関わっていたりとか……。プロで活躍している人もたくさんいるので、それぞれのスタンスが見えて面白かったです。
みんな篭って黙々と作品を作っているのかと思いきや、専攻を越えて協力し合っていることも多く、自分の想像よりもひらけている場所だということがわかりました。