投稿元:
レビューを見る
SNSが普及し、メディア環境、そして社会の在り方が大きく変わってきた。マスメディアの影響力に頼らずとも、アーティスト自らがファンに向けて情報を発信し、その濃密なコミュニティの中で盛り上がるを生むことができるようになった。CDが売れずとも、YouTubeなどでストリーミングを介して楽曲を届けることができりょうになった。
投稿元:
レビューを見る
ヒット作品と呼ばれるものがなくなった理由。
良い音楽がなくなったわけではなく、SNSやWEBの普及により、個々の「好き」が細分化されたから。
昔は「みんなが好き」のみんなは言葉通りだったけど今は「〇〇のコミュニティのみんなが好き」というように、あらゆるものの好みが細分化してる
投稿元:
レビューを見る
家族で皆で1台のテレビを囲み、マスメディアが物量戦で仕掛けた「ヒット曲」を楽しむ。そんな古き良き次代は終わりを告げ、すべての人々はそれぞれの「島宇宙」で、望んだ人々と望んだ楽曲を消費する時代になった。まさに「ヒットの崩壊」だ。インターネット(SNS)の発達がそれを後押ししている。
いつでもアーティストの映像や音源に触れることができるようになったからこそ、ライブやフェスといった「場」が重視されるようになり、地道に食べていけるアーティストが増えたというのは面白かった。またテレビは「場」が重視される風潮を敏感に感じ取り、2011年からは長時間音楽番組を仕掛けるようなった、とある。
ヒットは崩壊したけれど、音楽業界が崩壊したわけではなく「いきものがかり」に代表されるような「純国産J-POP」が、誰もが歌えるような「ヒット」を生み出した。また日本的な、文化をハイブリッドする力は「BABYMETAL」というモンスターバンドを排出した。
ただの業界展望本ではなく、小室哲哉など時代のトップランナーや裏方たちにきちんと取材を重ね、それをうまく結節させながら、明るい未来を指し示している。自分は音楽業界には詳しくないが、爽やかな読後感があった。
本書のタイトルは担当編集者が呟いたフレーズからきているらしいが、こうしたキラーワードをさらりと口にできる人になりたいなあ。
投稿元:
レビューを見る
ヒットと売れるは違う。現在は音楽に「参加」し、「時間」と「空間」を共有する。自身の好きなアーティストは、MISIAと安室奈美恵。アデルも好き。日本の世界で認められるアーティストがきゃりーぱみゅぱみゅとBABYMETALがなんとも?
投稿元:
レビューを見る
こけおどし的なタイトルだが、要するに00年代を経て10年代に至った日本のポップ音楽産業においては、かつては有効だったような、CMやドラマとタイアップしてCDの販売数を上げ、ランキングにおいて上位に食い込むことによって楽曲(あるいはCDタイトル)が「ヒットする」という図式が、もはや無効になってしまった、ということである。だから、正しくは「ヒットというものがなくなった」ということではない。この書名は正しくないのだ。
90年代にはCDは確かによく売れたが、世界的に見てそれはもはや売れなくなった。リスナーは音楽を「所有する」のではなく、「アクセスする」ようになった。これはもちろん、インターネット、ストリーミングサービス、スマートフォンなどのテクノロジーの波が社会形態を大きく変容・再生成しているという事実によるだろう。
CDなどの楽曲タイトル販売ははっきりと低調になったが、実はライブのほうが利益を増加させている。従ってミュージシャンの活動も、ライブの方がメインになってくる。音楽産業はそちらにシフトするのが必然である。
本書によると、J-POPの世界では、最近は明確に「誰もが知っているヒット曲」は出てこなくなり、CDランキング(オリコン)はまったく無効で、カラオケで歌われる曲を統計すると、長く愛される楽曲のすがたが見えてくる、ということだ。
しかし、やはり「ヒット曲はなくなった」というのは誤っている。
著者も最後の方で海外の状況に目を向けたときに気づくのだが、アメリカなどでは依然として明確な「ヒット曲」が存在する。それは、様々な要素を考慮した総合的なランキングを参照している。
Spotifyのようなストリーミングサービスが台頭してきたにもかかわらず、日本での音楽状況が以前過去のCD販売中心の姿勢から切り替えられないのは、日本の企業というものが大半はトップダウンで、保守に凝り固まった世情を知らない年寄りが権力をふるい、いつまでたってもカローシを得意とするような、あまりにも愚かな企業だからだろう。
このため各企業はストリーミングサービスに乗り気にならず、日本では、最新のヒット曲がほとんどストリーミングに登場しない。その一方ではCD離れは決定的な状態になっているのだから、若者はCDは買わず、 なんとかYouTube等で新曲に接しているようなのだ。
このように、日本の音楽産業は相変わらず古くて劣悪であり、本書の著者のようには楽天的になれない。明らかに英米よりはずっと遅れている。産業界の認識主体が、時代に追いついていないのである。
だから、日本では、音楽やる人々は、企業(レコード会社とか)なんぞ無視して、好きなことをやればいいと思う。
本書について言うと、どうも著者自身の考えがまとまっておらず、論理の筋が通っていないように見えた。
投稿元:
レビューを見る
芳しいものではなかった 怒髪天 「デビューさいち最遅」で武道館公演を成功させた 相乗効果で凄い波及力を持っていたんで 刷り込み 曲の出口 人々の興味は細分化され、セグメント化されてきている。 共通体験 人間の対決 人々の耳目を集めるランキング対決 オリコンランキングは二重の意味でハッキングされたのだ。 宗教とは投票に近い 膾炙かいしゃ 「入場規制」が人気のバロメーター 凋落 相互扶助の精神が少しずつ薄らいできたのだ かつてあった「お茶の間」というイメージは解体された カルチャー全体に対する興味が細分化した アーキテクチャ=構造 バズる パパイヤ鈴木 ファレル・ウィリアムス 三代目 ランニングマン 10年代のすうせい趨勢だ 音楽は本来「コンテンツ」ではなく「コミュニケーション」だ 地殻変動はいつ頃にあったのか 招聘 かくせい隔世の感 ノスタルジーと諦念の入り混じったような文学的な情景を描き出していた 紙幅が足りないので大幅に端折るが イエローサブマリン音頭 メタルダンスユニット・ベイビーメタル 「カレーうどん」としての発想 上田剛士 ヒャダイン 中田ヤスタカ 変化をいと厭い「ガラパゴス化」していた スポティファイ アデル25 ロングテールとモンスターヘッドが二極化した時代 「右向け右」の数百人ではなくオンターゲットでしっかりと届けることを目指しています。 健全な「ミドルボディ」を作る ゲゲゲの女房 一番強いのは『歌う』ということ 島宇宙化 百花繚乱 旧態依然 新開誠 ローカルな多様性 201610柴那典
投稿元:
レビューを見る
元ロキノンライターによる日本の音楽市場およびリスナーに関する分析本。様々な業界人へのインタビューや書物からの引用を交えながら、70年代から2016年時点までの市場の変化を的確に検証していると思う。特定のジャンルやカテゴリに偏ることなく、歌謡曲・演歌からボカロ・アイドルまで幅広く押さえた上での考察なのが良い。「ヒット」とは何なのか、その正体を感じ取ることができるはず。音楽ビジネスに興味がある人はもちろん、上を目指して必死に頑張っているバンドマンや地下アイドルなどの若者たちにとっても有益な一冊になるだろう。
投稿元:
レビューを見る
音楽がヒットするという意味合いは時代と共に大きく変わりつつある
CDの売り上げは減少しているが、ライブは活況でダウンロードや定額配信を考慮すると音楽はむしろ盛況である。即ちCDの販売枚数という尺度が時代に合っていない。
テレビの音楽番組もフェスを意識した長時間番組が増え、SNSなどを通じ一方的な配信から双方向的な体験の共有を生み出そうとしている。
日本の音楽は独自の進化をとげたものが現れ始めているが、まだ世界の主流には遠い。以前はネットの普及により音楽は多数の狭い世界:ロングテール化すると考えられていたが、現在ではむしろSNSなどによるブロックバスター戦略から世界規模の爆発的なヒットが起きており、世界のトップは以前にも増して大規模な収益を上げられる。
投稿元:
レビューを見る
Vol.399 ヒットの崩壊!業界を一変させた新しいヒットの方程式とは?『ヒットの崩壊』(柴那典著/講談社)
http://www.shirayu.com/letter/2017/000813.html
投稿元:
レビューを見る
1998年にCDの売り上げが過去最高となった。しかし、それ以降右肩下がり。音楽産業としてCDを売る時代は終わり、イベント・フェス・コンサート等への参加型にシフトしている。みんな音楽を聴かなくなったわけではない。所有するものから経験するものに変わってきた。だからCD売上のヒットチャートは意味がなくなりつつある。CDが売れた曲イコール、ヒット曲ではない。世代間の嗜好も今後は広がる傾向か。
投稿元:
レビューを見る
本文中で取り上げられていることは、出てから2年経った今でも納得感を感じる。CD不況のこと、特典商法のことなどを多面的に書いているのも好印象。
最後の辺りでストリーミングサービスについて触れているが、これを読んでいたら興味が湧いてきた。何か試すのもありかと思う。
投稿元:
レビューを見る
2019年4月10日読了。「CDが売れなくなった」と言われて久しい中、音楽は聴かれなくなっているのか?今の人々はどう音楽を楽しんでいるのか?そして「ヒット」とは何か?などについて小室哲哉・水野良樹といったヒットメーカーらへのインタビューやチャートデータなどを参照しつつ論考する本。「CDが売れなくなった」は事実だが、Youtubeやストリーミングアプリにより音楽を聴く人はずっと増えており、夏フェスが多くの参加者を集めTV番組もフェス形式を取り入れるなど人々の「音楽を聴く機会」が増えるよう時代もすでに変わっている、ということは分かってはいたことだが、改めて腑に落ちた。しかし、「誰もが口ずさめるヒット曲を作らないと、音楽が痩せてしまう」という危機感はどこからくるものだろう?みんながそれぞれの趣味で音楽を聞き、ばらばらな音楽がそこら中に存在する。そんな世界ではいけないのだろうか?
投稿元:
レビューを見る
音楽業界の90年代、2000,2010年代の変遷をベースにヒットというものはどういったものだったか考える一冊。
昔のCD売って音楽を消費した時代から、フェスへ行く、ストリーミングミュージックなど体験、接触する時代に変わってきていることがよくわかる。
決して昔が良かった訳ではなく(CDが売れなくなったという点では悪くなっているが)、日本の音楽を変化していると感じる。
本に記載の通り、JーPOPなる分野が独自色を出すチャンスではある。
投稿元:
レビューを見る
3/19はミュージックの日
音楽文化と音楽家の現状について広く知ってもらうための日。
ヒットに関わる諸問題を探る一冊を。
投稿元:
レビューを見る
20年代に入った現在、BTSの世界的なブレイクを日本の音楽業界はどう感じているのだろうか?
音楽や映画、アートなどの文化事業に対する、国からの援助の予算規模の差も要因としてあると思うが、K-POPから大きな差をつけられたように思う。
このままだと世界のメインストリームに、日本人のアーティストが出る事はないのではないか。
どの分野でも日本が一番と内輪で言っている内に、世界の潮流から置いていかれてしまう。
この本を読むと、それでいいという考えの方が強い様に感じてしまう。