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シェアリング・エコノミー(著者は"Crowd-based capitalism"と称する)とは何か、どのように発展した来たのか、そしてこのシェアリング・エコノミーによって、我々の働き方はどのように変わっていくのか、幅広い示唆に富んだ本。近年のシェアリング・エコノミーのビジネスモデルは理解していたが、シェアリング・エコノミーというプラットフォーム上で働く人たちにかかる労働法的なアプローチはこれまで気にしたことが無かっただけに、目から鱗。あえて苦言を呈すれば、第4章のブロックチェーンは、まだシェアリング・エコノミーとの親和性は無いと思え、少し先走り感もあったか。
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・規制の平等性(これまでと同じ規制ではフィット
しない?)
・シェアリングが向いている製品、向い
ていない製品
・独立請負人か従業員
・就業と失業の境界線があいまいに。
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本書は、NYUの経済学者によって書かれた「シェアリングエコノミー」について初の体系的な解説書。
第1部「原因」では、「シェアリングエコノミー」の定義(著者は「クラウドベース資本主義」とも呼んでいます)、その登場の技術的・社会経済的要因とその波及効果、「シェアリングエコノミー」のプラットフォームが生み出す新たな経済構造、ブロックチェーンによる更なる進化の可能性(これは『ブロック・チェーン・レボリューション』にも言及されてましたね。)等について、解説されています。
第2部「結果」では、4つの経済的影響(「資本の影響力」の増大、規模の経済とローカルな「ネットワーク効果」、多様性の向上による消費の増加、包括的な成長を約束する「経済機会の民主化」)、規制問題、特に労働問題「これからの働き方」が論じられています。
著者は、「シェアリングエコノミー」は、決して目新しいものではなく、「かつて存在した共有体験、自己雇用、コミュニティ内での財貨交換(贈与経済)が、現代のデジタル技術によって復活しつつあるというのが正しい。」(P.15)としており、「贈与経済」と「市場経済」の中間的形態として位置付けています。
また、経済学者であることから、随所に、「情報の非対称性」、「需要側の規模の経済」、「二面的なネットワーク効果」、「スキル偏向的技術進歩」、ロバート・ゴードンの長期停滞、ピケティのr>g、ダグラス・ノースの「制度」、アブナー・グライフのマグレブ商人、『ザ・セカンド・マシン・エイジ』等経済学のキーワードが出てきて、「サンフランシスコでは、低所得地域ほどP2P自動車レンタルの利用率が高い傾向にある⇒低所得家計ほど消費者余剰の恩恵に預かれる」等のいくつかの実証結果も紹介されています。
最後に、著者は基本的にはポジティブな立場ですが、「シェアリングエコノミー」化後の世界の「これからの働き方」について、社会的セーフティネット問題等の課題を指摘し、「力を得た小規模企業家の世界」と「権利を奪われた怠け者の世界」のどちらの未来になるかは、「今後10年間で行う選択によって、どちらが優勢になるかが決まるだろう。」(P.349)としています。
書評:
「クラウドベース資本主義」は始まっている
――書評『シェアリングエコノミー』
http://www.dhbr.net/articles/-/4596
1/26ビジネスウィーク記事
“The $99 Billion Idea: How Uber and Airbnb Won” https://www.bloomberg.com/features/2017-uber-airbnb-99-billion-idea/
シェリング・エコノミーの2トップをプラットフォームに飛躍させた2つの戦略(“The Growth Hacker”、”Travis’s Law”)について述べられています。
現在の「シェアリングエコノミー」(クラウドソーシング)の暗黒面↓
「まるで「道具扱い」、買い叩かれるクラウドワーカー【フリーランスの光と影・2】」
https://www.bengo4.com/c_5/c_1629/n_5697/
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短期宿泊プラットフォームの中でも、贈与経済に近いカウチサーフィン、贈与経済と市場経済の中間を行くエアビーアンドビー、市場経済に程近いワンファインステイと3種類もあることに驚いた。
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1.人のネットワーク=SNS
→「信用CREDIT」①枠②金利
2.雇用者→企業家~新たな償却資産「家とクルマ」
r>g ピケティの主張
3.労働の未来
=仕事のシェアリング・分かち合い
労働の多様化と共存
5.
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シェアリングエコノミーの勉強をはじめようと本書を手に取りました。まったく知識のない状態で本書を手に取りましたが、まず第1章でつまずきました。というのも米国のシェエアリングエコノミー企業が多数登場しているのですが、ウーバーとエアー・ビーアンドビーくらいしかわからず、なじみのない固有名詞のオンパレードに全くついて行けませんでした。でもこれは仕方がないですね。米国人であれば、あ~あの企業だよねということで導入部としては良いのでしょうが、日本人にはとっつきにくいとは思いました。
第2章からはだいぶ一般的な議論に入り、読みやすくなりました。かなり広い範囲の社会経済をトピックとして取り上げているのは好感が持てました。シェアリングエコノミーはGDP統計では補足できない消費者余剰を増加させる、というのは説得力がありました。また自分の主張だけでなく他の有識者の主張も要所に織り交ぜてあり、「なるほどこういう見方もあるのか」という意味で初学者にとっては良かったです。ただ最後まで読んだ感想としては、シェアリングエコノミーは経済の全ての分野にいきわたるわけではなく、特定の条件を満たしている場合に発現するのだというものです。本書によれば、ガンスキーの「メッシュ性グリッド」という呼び名で紹介されていましたが、(1)資産の価値が高く、(2)その資産の使用度が低い、という条件が満たされているとシェアされやすいということでした。第1章の具体例を除けば、(米国企業になじみがない日本人の)初心者にもシェアリングエコノミーを学ぶ最初の1冊になると思います。オススメです。